早稲田大学(Waseda University)のInstagram運用を分析|伸びている理由と、真似できるポイント【2026年版】
2026/9/28
「うちの会社もSNSをやってはいるけれど、投稿を続けるだけで精一杯」「担当者の感覚頼みで、何が正解かわからないまま更新している」——そんな悩みを抱えているSNS担当者の方は少なくないはずです。特に教育機関や採用広報を担当していると、「かたい情報発信しかできない」「学生や求職者に響く投稿の作り方がわからない」という壁にぶつかりがちです。
そこで今回は、教育機関のInstagram運用の中でも「世界観づくりが上手い」と業界内でたびたび取り上げられる早稲田大学の公式アカウント「Waseda University(@waseda_university)」を題材に、公開情報とWeb上の分析記事、SNS運用事例データベース「unyou」の知見をもとに、その運用の型を分解していきます。フォロワー数やエンゲージメント率といった確証の持てない数字は扱いませんが、投稿の設計思想や企画の作り方には、企業アカウントや店舗アカウントにもそのまま応用できるヒントが詰まっています。
早稲田大学のInstagram運用が注目される理由
早稲田大学は「自由と多様性を重んじる校風」で知られる日本を代表する難関私立大学のひとつですが、公式Instagramアカウントは単なる大学案内の延長線上にはありません。SNSマーケティングを扱う複数の業界メディアが「大学Instagramの成功事例」として繰り返し取り上げているのが、このアカウントの特徴です。
具体的には、次のような点が評価されています。
- 英語をベースにした発信で、海外の受験生・在校生・卒業生を主な読者層として明確に位置づけている
- 写真の色味・加工のトーンに統一感を持たせ、プロフィール全体を通して「おしゃれなキャンパスライフ」を演出している
- キャンパスの日常風景や猫の写真など、パンフレットには載らない「リアルな空気感」を切り取っている
- 派手な演出に頼らず、シンプルな映像素材でも企画次第で大きな反応を得ている
つまり、大きな広告予算をかけなくても「誰に何を届けるか」を明確にし、世界観の一貫性を保つことで支持を得ているアカウントだと言えます。これは予算の限られる中小企業や店舗アカウントにとっても、非常に参考になる考え方です。

なぜ今、大学もSNS発信に力を入れるのか
まず前提として、なぜ大学がSNS発信に力を入れる必要があるのか、公開データから確認しておきましょう。
総務省「令和7年版情報通信白書」では、X(旧Twitter)やInstagramの利用率が年々伸びており、2024年には全体の半数程度が利用しているほか、50代でも4割以上がSNSを利用するなど、幅広い年齢層に利用が拡大していると報告されています。もはやSNSは若年層だけのメディアではなく、保護者世代を含めた情報接点になっているということです。
また、Meta社は2019年6月7日、Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3,300万を突破した(2019年3月時点)と公式に発表しています。この数字からもわかる通り、日本国内におけるInstagramの生活インフラ化は数年前から進んでおり、教育機関にとっても「受験生や在校生が日常的に見ているメディア」であることは間違いありません。
さらに、スタディプラス株式会社がPR TIMESで公開した調査リリース(2022年、高校生300人を対象に実施)によれば、高校生が大学を知るきっかけの1位は「学校の先生に聞いて」、2位は「YouTube」で、大学を知った後にとる行動の1位は「WEB・SNSで調べる」という結果が出ています。つまりSNSは「最初の入り口」ではなくても、「興味を持った後に深掘りする場所」として重要な役割を担っているのです。ここでアカウントの世界観や情報量が乏しいと、興味の芽を摘んでしまうことになりかねません。
| データ・統計 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| SNS利用率の拡大 | X・Instagramの利用率は全体の半数程度、50代でも4割以上に拡大 | 総務省「令和7年版情報通信白書」 |
| Instagram国内アクティブアカウント数 | 月間アクティブアカウント数が3,300万を突破(2019年3月時点) | Meta公式発表(2019年6月7日) |
| 高校生の大学認知後の行動 | 大学を知った後の行動1位は「WEB・SNSで調べる」 | スタディプラス株式会社 調査リリース(PR TIMES掲載) |
早稲田大学Instagramの投稿ジャンルを分解する
業界メディアの分析記事や実際の投稿傾向をもとに整理すると、早稲田大学のアカウントは大きく次のようなジャンルの投稿で構成されています。
- キャンパス風景・季節感の投稿:桜や紅葉、雪景色など、その時期にしか見られない大学の表情を切り取る
- キャンパスの猫コンテンツ:学内に住み着く猫たちを紹介する、いわゆる「箸休め」的な投稿
- 学生の日常・青春を感じさせる投稿:パンフレット写真のような作り込みではなく、学生生活のリアルな瞬間を意識した構図
- 企画型のリール(ショート動画):キャンパス上空を流れる雲を撮っただけのようなシンプルな映像でも、企画意図が明確であれば大きな反応につながっている
- 在学生・留学生インタビュー企画(#WhyWasedaなど):海外からの留学生が「なぜ早稲田を選んだのか」を語るリール企画で、進学を検討する海外の学生に向けた「生の声」を届けている
ここで重要なのは、「毎回派手な演出をしているわけではない」という点です。雲の映像のようなシンプルな素材でも、投稿数を重ねてブランドの世界観が確立されているからこそ、フォロワーの反応を引き出せているのです。これは「凝った動画を作らなければ伸びない」と思い込みがちな企業アカウント担当者にとって、勇気づけられるポイントではないでしょうか。
世界観づくりのポイント:統一感とトーンマネジメント
早稲田大学のアカウントが「おしゃれ」「洗練されている」と評される最大の理由は、投稿ごとの色味やトーンに統一感を持たせている点にあります。具体的には次のような工夫が見られます。
- 写真全体に同じ系統のフィルター・色調補正をかけ、フィード全体を通して見たときに違和感がないようにしている
- キャプションは基本的に英語で統一し、ターゲット読者(海外の受験生・在校生・卒業生)を明確にしている
- 「大学案内」的な硬い説明文ではなく、キャンパスライフを想起させる短い言葉を添えている
これは、企業アカウントであれば「ブランドカラーを決めて写真の加工トーンを統一する」「ターゲットに合わせて言語や語り口を固定する」といった形に置き換えられます。実際、unyou(https://unyou.media)に掲載されている他業種の事例でも、フィードの世界観を統一したアカウントほど、初見のユーザーからのフォローや保存につながりやすい傾向が見て取れます。
エンゲージメントを生む「企画」の作り方
早稲田大学のアカウントから学べるもうひとつの重要な要素が、「企画そのものに意味を持たせる」姿勢です。たとえば留学生に「なぜ早稲田を選んだか」を語ってもらう企画は、単なる大学紹介ではなく、「進学先を探している人の背中を押す」という明確な目的を持っています。
企業や店舗アカウントに置き換えるなら、以下のような企画設計が応用できます。
- 「なぜこの会社・店を選んだか」をスタッフやお客様に語ってもらう企画(採用広報・集客双方に効く)
- 季節・時間帯ごとの「その場所にしかない景色」を切り取る定点観測的な投稿
- 硬い情報発信の合間に挟む、いわゆる「マスコット的コンテンツ」(早稲田大学における猫コンテンツに相当するもの)
重要なのは、すべての投稿を「宣伝」にしないことです。早稲田大学のアカウントも、大学の実績やランキングを誇示するような投稿は前面に出さず、あくまで「そこで過ごす日常」を見せることに軸足を置いています。これにより、フォロワーが「広告」ではなく「日常の一部」としてアカウントを追いかけたくなる構造を作っています。
運用体制から見る、継続できる仕組みづくり
早稲田大学の公式アカウントは、大学の広報室(Public Relations)が運用主体となっており、大学として「ソーシャルメディアポリシー」を策定した上で、公式アカウントの利用方針や情報発信のルールを明文化しています(早稲田大学公式サイトの広報室ページで公開)。組織として明確なルールと運用主体を持っている点は、担当者の異動や退職でアカウントの世界観がぶれてしまうことを防ぐ上で、企業にとっても参考になる部分です。
複数人・複数部署が関わるアカウントほど、次のような仕組みがないと投稿の質やトーンがばらついてしまいます。
- 投稿前に確認する「トーン&マナーのガイドライン」を簡潔にまとめておく
- 過去の人気投稿・反応の良かった企画を記録し、ナレッジとして蓄積する
- 撮影・加工・キャプション作成・投稿のフローを役割分担し、属人化させない
明日から試せる実践チェックリスト
早稲田大学の事例から抽出した要素を、自社・自店のアカウントに落とし込むためのチェックリストです。
- フィードのトンマナ(色調・加工の系統)を統一し、直近10投稿を並べて違和感がないか確認する
- アカウントの「主な読者層」を1文で言語化できるか自問する(言語・語り口を合わせる)
- 「宣伝色の強い投稿」と「日常・世界観を見せる投稿」の比率を数えてみる(目安として宣伝は3割以下に抑える)
- 派手な演出に頼らず、シンプルな映像・写真でも成立する「企画の軸」を1つ考えてみる
- スタッフやお客様・学生など「当事者の声」を届ける企画を月1本は用意する
- 投稿ガイドラインやトンマナのルールを簡単なドキュメントにまとめ、担当者間で共有する
- 反応が良かった投稿・企画を記録し、次の企画設計に活かす仕組みを作る
一つひとつは決して難しいものではありませんが、「なんとなく更新する」状態から抜け出すためには、こうした小さな仕組み化の積み重ねが効いてきます。
よくある失敗パターンと避け方
多くのアカウントが陥りがちな失敗と、その避け方も整理しておきます。
- 実績や宣伝ばかりを並べてしまう:早稲田大学のアカウントのように、日常の一コマを見せる投稿とのバランスを意識する
- 担当者交代のたびにトンマナが崩れる:ガイドラインを文書化し、属人化を避ける
- 凝った動画でなければ意味がないと思い込む:シンプルな素材でも、企画の意図が明確であれば十分に反応を得られる
- ターゲットを曖昧にしたまま発信を続ける:早稲田大学が英語発信によって海外の読者層を明確にしているように、まず「誰に届けたいか」を定義する
まとめ
早稲田大学の公式Instagramアカウントが支持されている背景には、派手な予算や特別な機材ではなく、「誰に届けるかを明確にしたトーンの統一」「宣伝に偏らない日常の切り取り」「意味のある企画設計」「組織としてのルール整備」という、地道だが再現性のある工夫がありました。これらは大学に限らず、企業アカウントや店舗アカウントでも十分に応用できる考え方です。まずは自社アカウントのフィードを見直し、今回紹介したチェックリストのうち1つからでも試してみてはいかがでしょうか。
同業種・他業種のより具体的な運用事例を知りたい方は、SNS運用事例データベース「unyou」(https://unyou.media/cases)で、業種別・目的別の事例を検索してみてください。
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ABOUT UNYOU
unyou は、SNS運用の「成功事例」が集まるデータベースです
Instagram・X・TikTok で実際に成果を出しているアカウントを、業種 × トンマナ × プラットフォームで検索・比較できます。掲載しているのは、世の中に公開されている実在アカウントの分析 600件超。 「自社の業種で何が伸びているのか」を、感覚ではなくデータで確かめられます。
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