cowcamo(カウカモ)のInstagram運用を分析|伸びている理由と、真似できるポイント【2026年版】
2026/9/27
「不動産の写真、ちゃんと撮っているのに保存されない」「物件情報を並べるだけで終わってしまう」——そんな悩みを抱える不動産・住宅系アカウント運用者は多いはずです。フォロワーを増やしたくて他社の真似をしても、なぜか同じような世界観にならない。投稿を続けているのに、フォロワーが「見るだけ」で終わり、問い合わせや来店につながらない。
その悩みを解くヒントの一つが、中古・リノベーションマンションの流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」のInstagram運用です。cowcamoは株式会社ツクルバが企画・運営する不動産サービスで、物件を単なる「スペック情報」ではなく「暮らしのストーリー」として編集し続けていることで知られています。本記事では、公開されている情報をもとにcowcamoのInstagram運用を分解し、不動産業に限らず他業種・他店舗でも応用できる具体的なポイントに落とし込みます。確証のない数値(フォロワー数やエンゲージメント率など)は掲載せず、公的統計や公表データに基づいて解説します。
cowcamo(カウカモ)とは何か。なぜ「不動産アカウント」として異質なのか
cowcamoは、首都圏の中古・リノベーションマンションを中心に扱う不動産流通プラットフォームで、運営元は東証グロース市場に上場する株式会社ツクルバです。一般的な不動産ポータルサイトが「価格・面積・築年数」といったスペック情報を並べる設計になっているのに対し、cowcamoは物件一つひとつに編集部が取材し、写真と文章で「その部屋でどんな暮らしができるか」を伝える記事型のコンテンツを軸にしています。自社メディア「cowcamo MAGAZINE」でも、リノベーション事例や住まい手へのインタビュー記事を継続的に発信しており、Instagramはこの編集コンテンツをビジュアルで再編集し、より多くの人に届けるための入口として機能しています。
つまりcowcamoのInstagramは「物件広告アカウント」ではなく、「メディア企業のダイジェスト版」という位置づけです。この構造の違いこそが、他の不動産アカウントとの決定的な差になっています。

なぜSNSでの不動産集客が重要なのか、公開データから見る背景
まず前提として、不動産業界でSNSを活用する重要性は年々高まっています。
株式会社いえらぶGROUPがPR TIMESで公開した「SNSの利用についてのアンケート調査」によると、不動産会社が運用しているSNSはInstagramが第1位となっている一方、住まい探しをするエンドユーザーが今後利用したいSNSとしてはYouTubeが最も多く、Instagram・X(旧Twitter)もそれに続く上位の回答となっています。これは、不動産会社側の「発信したいSNS」と、生活者側の「情報収集に使いたいSNS」が必ずしも一致していないことを示しており、単に投稿するだけでなく「見る側の目的」に寄り添った設計が必要であることを裏付けています。
また、総務省「令和7年版情報通信白書」では、X・Instagramの利用者は全年代の半数程度にのぼり、50代でも4割以上が利用するなど、SNSの利用が幅広い年代に拡大していることが示されています。不動産という高単価・長期検討の商材であっても、意思決定層である30〜50代への接点としてInstagramが有効な媒体になっていることが読み取れます。
さらに、Meta社は日本国内のInstagram月間アクティブアカウント数について、2019年時点の3,300万から2023年11月時点で6,600万以上へと拡大したことを公表しています。この数年でユーザー基盤そのものが倍増しており、不動産のような検討期間の長い商材ほど、早い段階から接点を作れるInstagram運用の価値は増しています。
こうした背景を踏まえると、cowcamoが早くからInstagramを「物件記事の届け先」として位置づけてきたことは、理にかなった戦略だったと言えます。
cowcamoのInstagram運用を支える3つの特徴
公開されているアカウントの投稿傾向を分析すると、cowcamoの運用には大きく3つの特徴があります。
1. 物件を「スペック」ではなく「ストーリー」として編集している 価格や間取りといった情報を前面に出すのではなく、「なぜこの部屋を選んだのか」「どんな暮らしが待っているのか」という文脈から入る構成になっています。これはcowcamo MAGAZINEの記事づくりの思想がそのままInstagramに引き継がれている形です。
2. 写真・色味・トーンの世界観が統一されている リノベーション物件ならではの木質感やナチュラルな内装が多いこともあり、投稿全体の色味・光の入れ方に統一感があります。フィード全体を俯瞰したときに「ブランドの世界観」として認識できる設計です。
3. 複数SNS・複数チャネルを役割分担させている cowcamoはInstagramに加えて、X(旧Twitter)、TikTokなど複数のSNSアカウントを運用しています。それぞれのプラットフォームの特性に応じてコンテンツの見せ方を変え、最終的には自社サイト・cowcamo MAGAZINEへ回遊させる導線を構築しています。単体のSNSで完結させず、メディアとしてのエコシステムを作っている点が特徴です。
投稿の「型」を分解する
cowcamoのようなアカウントに共通する投稿パターンを整理すると、以下のように分類できます。自社の投稿がどの型に偏っているか、チェックしてみてください。
| 投稿の型 | 目的 | ポイント |
|---|---|---|
| 物件・空間紹介型 | 興味喚起・保存誘導 | スペックより先に「暮らしのシーン」を見せる |
| 暮らし方・ライフスタイル提案型 | ファン化・共感獲得 | 商品(物件)を主語にせず「暮らし」を主語にする |
| 住まい手インタビュー型 | 信頼構築・リアリティ付与 | 実在の入居者の言葉で語らせる |
| 編集後記・ナレッジ型 | 専門性の可視化 | 選び方・見るべきポイントなど実用情報を出す |
| 回遊導線型(サイト誘導) | コンバージョン | プロフィールリンク・ストーリーズ経由で本編に誘導 |
このように、投稿の目的を「認知」「共感」「信頼」「誘導」に分けて設計することで、フィード全体が一過性の告知の羅列ではなく、フォロワーを段階的に育てる構造になります。
世界観のつくり方:ブランドとしてのトーン&マナーを言語化する
cowcamoの投稿が「なんとなくおしゃれ」で終わらないのは、世界観のルールがある程度言語化・統一されていると推測できるためです。他社が真似する際は、感覚に頼らず以下のようなトーン&マナーを最初に文書化することをおすすめします。
- 使用する色味のトーン(明るさ・彩度の方向性)
- 写真の構図ルール(人を写すか、モノを主役にするか)
- 文章のテンポ・語尾(丁寧語か、親しみのある口語か)
- 1投稿あたりの情報量(説明的にしすぎない)
- ロゴ・フォントなど、テキスト要素の入れ方
これらを「ブランドガイド」として1枚にまとめておくだけで、複数人で運用しても世界観が崩れにくくなります。
エンゲージメントを生む仕掛け
cowcamoの運用から読み取れるエンゲージメント設計のポイントは、「保存されるコンテンツ」を意識的に作っていることです。物件情報や暮らしのアイデアは、閲覧時にすぐ行動しなくても「あとで見返したい」情報になりやすく、保存や共有が発生しやすい性質を持ちます。これはSNSのアルゴリズム上も評価されやすい行動であり、単純な「いいね」狙いの投稿よりも中長期的にアカウントの評価を高めやすいとされています。
また、プロフィール欄からWebサイト(cowcamo本体・cowcamo MAGAZINE)への導線を明確にし、Instagramを「入口」、自社サイトを「本編」とする役割分担も、フォロワーを実際の問い合わせ・成約につなげるうえで重要な設計です。
他業種・他店舗が真似できる具体的ポイント【チェックリスト】
不動産に限らず、店舗・EC・BtoBなど、どの業種でも応用できるポイントを実践チェックリストとしてまとめました。明日から自社アカウントで試してみてください。
- 自社の投稿が「スペック紹介」に偏っていないか棚卸しする
- 商品・サービスの前に「使う人の暮らし・体験」を主語にした投稿を1本作ってみる
- フィード全体を並べて見たとき、色味・トーンに統一感があるか確認する
- 写真の構図ルール(人物を入れるか、余白の取り方など)を3つ決めて固定する
- 「認知」「共感」「信頼」「誘導」のどれに当たる投稿かをラベル付けし、偏りをなくす
- お客様・利用者インタビューなど、第三者の言葉で語ってもらうコンテンツを月1本入れる
- プロフィール欄のリンク先が「今一番見せたいページ」になっているか見直す
- 保存したくなる情報(ノウハウ・比較・チェックリスト系)を投稿に1割以上混ぜる
- 運用ルールを1枚のブランドガイドに言語化し、複数人でも世界観がぶれないようにする
これらは特別な予算やツールがなくても、既存の投稿運用フローの中で見直せる項目ばかりです。まずは自社の直近10投稿を並べて、このチェックリストと照らし合わせてみることから始めてみてください。
明日から試せる実践ステップ
具体的な着手順としては、次の3ステップがおすすめです。
- 棚卸し:直近1〜2ヶ月の投稿をすべて並べ、「スペック紹介型」と「ストーリー・暮らし提案型」の比率を数える。
- 1本だけ変えてみる:次回投稿を、商品説明から入るのではなく「使う人の暮らしのワンシーン」から入る構成に書き換えてみる。
- 保存率を意識して振り返る:投稿後、いいね数だけでなく保存数の傾向を見て、どのテーマ・切り口が保存されやすいかを記録していく。
これを1ヶ月続けるだけでも、アカウント全体の「情報を並べる場」から「暮らし・体験を届ける場」への転換が進みます。
同じように業種ごとの成功パターンを知りたい場合は、unyouのSNS運用事例データベース(/cases)で不動産・住宅業界をはじめとする実際の運用事例を確認することもできます。自社と近い業態・規模のアカウントがどのような投稿設計をしているかを見比べることで、今回紹介したcowcamoの型をより自社向けにカスタマイズしやすくなります。
まとめ
cowcamoのInstagram運用が支持されている理由は、単に「写真が綺麗だから」ではなく、物件を暮らしのストーリーとして編集し、フィード全体で世界観を統一し、複数のSNSと自社メディアを役割分担させながら回遊させる設計にあります。総務省「令和7年版情報通信白書」やMeta社の公表データが示す通り、Instagramの利用者層はすでに幅広い年代に拡大しており、不動産のような検討期間の長い商材であっても、早期の接点づくりとしてSNSの重要性は増しています。一方でいえらぶGROUPの調査が示すように、発信側と受け手側の「使いたいSNS」にはズレもあるため、自社の顧客層に合わせた設計が欠かせません。
今回紹介したチェックリストと実践ステップは、業種を問わず応用できるものです。まずは自社の投稿を棚卸しするところから始めてみてください。
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