「TikTokを始めろと言われたが、BtoBで何を投稿すればいいのか分からない」「BtoCみたいにダンスも面白ネタもできないのに、ネタ切れで手が止まる」——SNS運用担当者からこうした相談を受ける機会が増えています。特にBtoB企業では、商材が専門的すぎる、社内に「映える」素材がない、担当者が一人で企画から撮影・編集まで抱えているといった事情から、3本目・5本目あたりで投稿ネタが尽きてしまうケースが非常に多いのが実情です。
結論からお伝えすると、BtoBのTikTok運用は「ネタを思いつく」のではなく「ネタを生み出す型」を持つことで解決できます。本記事では、SNS運用事例データベース「unyou」(https://unyou.media)に掲載されているBtoB事例の傾向も踏まえながら、明日から使える投稿ネタ50選と、ネタ切れを防ぐための考え方・チェックリストを、公開データを引用しつつ解説します。
なぜ今、BtoB企業がTikTokに取り組むべきなのか
「TikTok=若年層向けの娯楽アプリ」というイメージから、BtoBには不向きだと考える担当者は少なくありません。しかし、公開されている統計を見ると、その前提はすでに古くなっています。
TikTok運営元は2021年9月、公式ニュースルームで「世界のグローバル月間アクティブユーザー(MAU)が10億人を突破した」と発表しました(出典:TikTok Newsroom「10億人の皆様に、ありがとうございます」)。ローンチからわずか4年での到達であり、Instagramなどの主要SNSより短期間で1億人規模のユーザーを獲得したことが話題になりました。
国内に目を向けると、総務省情報通信政策研究所が2025年6月に公表した「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」では、全年代のTikTok利用率は33.2%、10代では65.7%に達しています(出典:総務省情報通信政策研究所「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」)。同調査によれば、LINEは全年代91.1%、YouTubeは80.8%、Instagramは52.6%、X(旧Twitter)は43.3%という結果でした。TikTokの利用者はもはや10代だけでなく、20〜30代の社会人層にも着実に広がっています。
BtoB企業の意思決定者や現場の担当者も、プライベートでは同じスマートフォンでTikTokを開いています。「BtoBだからTikTokは関係ない」ではなく、「潜在顧客や求職者が既にいる場所に、企業として顔を出せていない」状態こそが機会損失だと捉えるべきタイミングに来ています。unyouの事例データベースでも、製造業・IT・人材・建設といった業種のBtoB企業がTikTokを採用ブランディングや専門性の発信に活用している事例が確認できます。

BtoB企業がTikTok投稿でよくやる失敗
ネタ選びの前に、BtoB企業が陥りやすい失敗パターンを整理しておきます。同じ轍を踏まないための確認事項です。
- BtoC企業のバズ動画を真似して滑る:ダンスやトレンド音源の模倣は、商材との接続がないと「なぜBtoB企業がこれをやっているのか」が伝わらず、フォロワーが混乱します。
- 会社紹介・商品スペック説明に終始する:Webサイトやパンフレットの内容をそのまま動画化しても、TikTokユーザーは数秒で離脱します。
- 担当者一人に企画のすべてを依存する:ネタ出しが個人の発想力に依存すると、必ずネタ切れが起きます。仕組み化が必要です。
- 社内承認のハードルが高すぎる:BtoBは法務・広報チェックが厳しくなりがちで、投稿頻度が落ちて機会を失いやすいです。
- KPIが「バズ」一本に偏る:再生数だけを追うと、採用応募や商談化といった本来の目的からズレていきます。
ネタ切れを防ぐ「型」思考への転換
ネタを毎回ゼロから考えるのではなく、あらかじめ用意した「型(フォーマット)」に自社の情報を当てはめていくと、ネタ切れが起きにくくなります。BtoB企業がよく使う型は次の3種類に整理できます。
- 業務密着型:日常業務や社内の様子をそのまま切り出す(編集コストが低く続けやすい)
- 知識提供型:業界の専門知識をわかりやすく翻訳して伝える(専門性の証明になり信頼構築に効く)
- 人物起点型:社員や経営者にフォーカスし、企業の「顔」を見せる(採用ブランディングに直結しやすい)
この3つの型をローテーションで回すことで、担当者が「今日は何を撮ろう」と悩む時間を減らせます。次章の50選も、この3つの型をベースに分類しています。
BtoB TikTok投稿ネタ50選
以下、カテゴリ別に整理した投稿ネタです。自社の状況に合わせて、まずは各カテゴリから1〜2本ずつ試してみてください。
| カテゴリ | ネタ数 | ねらい |
|---|---|---|
| 会社・オフィス紹介系 | 8 | 親近感・存在認知 |
| 社員・人物紹介系 | 8 | 採用ブランディング |
| 商品・サービス系 | 8 | 専門性・比較検討支援 |
| 業界知識・お役立ち系 | 8 | 信頼構築・検索流入 |
| 業務・裏側系 | 8 | 差別化・エンゲージメント |
| トレンド・参加型 | 5 | リーチ拡大 |
| イベント・実績系 | 5 | 社会的証明 |
会社・オフィス紹介系
- オフィスツアー(執務スペース〜休憩室〜設備)
- 会議室・応接室のこだわり紹介
- 社内の福利厚生・制度紹介
- 創業ストーリーを60秒で
- 社名・ロゴの由来
- 拠点・工場・倉庫の紹介
- 社内イベントの様子(忘年会・BBQなど)
- オフィスのペット・観葉植物などの日常ネタ
社員・人物紹介系
- 新入社員の1日ルーティン
- ベテラン社員のキャリアヒストリー
- 経営者へのQ&A(社員からの質問形式)
- 部署紹介リレー(営業→開発→カスタマーサポート)
- 「この会社に入って驚いたこと」インタビュー
- 社員の資格取得・スキルアップ紹介
- 上司と部下の対談形式コンテンツ
- 「〇〇な人に向いている会社です」訴求動画
商品・サービス系
- 商品の製造工程・組み立て工程
- サービス導入前後のビフォーアフター
- よくある質問に60秒で回答
- 導入企業の声(許可を得たコメント紹介)
- 競合との違いをやさしく解説
- 商品の意外な使い方・活用アイデア
- サービスの操作画面をテンポよく紹介
- 開発秘話・失敗談から生まれた機能
業界知識・お役立ち系
- 業界用語をやさしく解説するミニ講座
- 業界の最新ニュースへの一言コメント
- 「知らないと損する」業界の落とし穴
- 業界の1年間のスケジュール・繁忙期解説
- 業界特有の法律・制度の変更点まとめ
- 発注者・購買担当者向けチェックリスト紹介
- 業界の数字・データをランキング形式で紹介
- 「10年前と今」で業界の変化を比較
業務・裏側系
- 商談の裏側(準備〜提案までの流れ)
- クレーム対応の裏側(守秘義務に配慮した範囲で)
- 品質チェック・検品工程の紹介
- 新商品開発会議の様子(一部公開)
- リモートワークの実態・工夫
- 社内で使っているツール・仕組みの紹介
- 失敗から学んだ改善エピソード
- 1週間のスケジュールを密着形式で
トレンド・参加型
- 流行の音源・フォーマットに社内ネタを乗せる
- 「あるある」形式で業界の共感ネタ
- クイズ形式で商品理解を促す
- フォロワーからの質問に回答するライブ的企画
- 他部署・他社とのコラボ企画
イベント・実績系
- 展示会・商談会の出展レポート
- 受賞歴・認証取得の報告
- メディア掲載・登壇実績の紹介
- 周年記念・節目のメッセージ
- 採用イベント・説明会のダイジェスト
これらはあくまで「型」の具体例です。unyouの事例データベースでは、業種ごとにどの型が実際に採用されているかを確認できるため、自社の業種に近い事例を探し、投稿の切り口や編集テンポの参考にすることをおすすめします。
明日から試せる!ネタ切れ防止チェックリスト
ネタを思いついたときに終わらせず、仕組みとして運用に組み込むための手順です。
- ネタ帳を1つのスプレッドシートに集約する(思いついたら誰でも書き込めるようにする)
- 月初に「今月のカテゴリ配分」を決める(会社紹介〇本、社員紹介〇本、商品紹介〇本…と配分)
- 社内の全部署に「ネタ提供のお願い」を月1回送る(営業・開発・人事から現場ネタを吸い上げる)
- 競合・同業のTikTokアカウントを週1回チェックする(unyouなどの事例データベースで業界動向を横断的に確認する)
- 1本の動画から3つの切り口を作る(同じ撮影素材を編集違いで使い回す)
- 社内承認フローを事前に簡素化しておく(撮影可否・NGワードのガイドラインを先に作る)
- 投稿後の反応(コメント・保存数)を次のネタ出しに反映する
このチェックリストを毎月のルーティンに組み込むことで、担当者の発想力に依存しない「ネタが尽きない状態」をつくれます。
運用を続けるための体制とKPIの考え方
BtoBのTikTok運用は、単発のバズよりも「継続できる体制」を先につくることが重要です。以下の観点を社内で合意しておくと、途中で運用が止まるリスクを減らせます。
- 投稿頻度の目標を無理のない範囲で設定する(週1〜2本からスタートし、慣れてから増やす)
- KPIを再生数だけにしない(プロフィールへの遷移数、採用サイトへのクリック数、問い合わせ数なども併せて追う)
- 編集の内製化・外部委託の切り分けを決める(撮影は社内、編集は外部委託など役割分担を明確にする)
- 担当者の異動・退職リスクに備え、企画フローをドキュメント化する
体制設計に不安がある場合は、SNS運用代行会社への一部委託も選択肢になります。費用感や選び方については後述の関連記事も参考にしてください。
unyouの事例データベースを活用したネタ探しの実践方法
自社だけでネタを考え続けるのは負荷が高い作業です。unyou(https://unyou.media)は国内企業のSNS運用事例を蓄積しているデータベースであり、BtoB企業がどのようなテーマ・型で投稿しているかを業種別に確認できます。ネタ出しに詰まった際は、以下の手順で活用するのがおすすめです。
- 自社と近い業種・企業規模の事例を検索する
- 投稿の「型」(人物起点型/知識提供型/業務密着型など)を分類してメモする
- 自社で真似できそうな型を3つ選び、次月の投稿カレンダーに反映する
- 実際に投稿した後の反応を、事例と比較しながら振り返る
ゼロから発想するのではなく、他社の実例を「型」として分解し、自社の素材に当てはめていく——この繰り返しが、BtoB企業がTikTok運用を継続するうえで最も再現性の高い方法です。
まとめ
BtoB企業のTikTok運用でネタ切れが起きるのは、担当者の発想力の問題ではなく、ネタを生み出す仕組みがないことが原因であるケースが大半です。総務省の調査が示すようにTikTok利用者はすでに幅広い年代に広がっており、TikTok公式が公表するグローバル10億MAU、LINEヤフーが公表する国内MAU1億人といった規模の大きいプラットフォームで、BtoB企業が発信をしないことはむしろ機会損失につながります。
本記事で紹介した50のネタと3つの型、そしてネタ切れ防止チェックリストを使い、まずは月1本からでも投稿を仕組み化してみてください。他社の実例が気になる場合は、unyouの事例データベースで業種別の投稿傾向を確認しながら、自社に合った型を見つけていくとよいでしょう。
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使用した3つの出典:TikTok Newsroom(グローバルMAU10億人突破、2021年9月)、総務省情報通信政策研究所「令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(2025年6月公表)、LINEヤフー株式会社公式発表(国内MAU1億人突破、2025年12月末時点)。ファイルへの保存が必要な場合はお知らせください。
ABOUT UNYOU
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