スウェーデンハウス(Swedenhouse)のInstagram運用を分析|伸びている理由と、真似できるポイント【2026年版】
2026/9/29
「うちの会社もInstagramを頑張っているのに、なかなか反応が増えない」「投稿を続けているけど、ブランドの世界観がバラバラになっている気がする」――住宅・不動産業界でSNS担当を任された方から、こうした悩みをよく耳にします。写真や動画を撮って、ハッシュタグを付けて、定期的に投稿しているのに、フォロワーとの距離が縮まらない。むしろ「何を投稿すれば“らしさ”が伝わるのか」が分からなくなってしまうケースも少なくありません。
そんなときにヒントになるのが、すでに独自の世界観とファンとの関係性を築いている企業アカウントの分析です。今回は、北欧輸入住宅を手がける「スウェーデンハウス(Swedenhouse)」の公式Instagram運用を題材に、支持されている理由・投稿の型・世界観のつくり方・エンゲージメント施策を分解し、業種を問わず自社アカウントに応用できるポイントに落とし込んでいきます。
スウェーデンハウスのInstagram運用の全体像
スウェーデンハウスのSNS運用でまず目を引くのは、単一の公式アカウントに情報を集約するのではなく、目的別・地域別にアカウントを分けている点です。公開情報を確認すると、少なくとも次のようなアカウント構成が見られます。
- 本社公式アカウント「@swedenhouse」:北欧の暮らしのイメージや住まいづくりの世界観を発信
- リフォーム専門の公式アカウント「@swedenhousereform」:リフォーム事例やインテリアアイデアを紹介
- 支社・支店単位のアカウント(北海道支社、北陸支店など):地域のオーナー宅紹介やイベント情報を発信
一つの企業アカウントに全情報を詰め込むと、フォロワーが「自分に関係のある情報」を見つけにくくなります。スウェーデンハウスのように、本社ブランディング・リフォームというサービスライン・地域拠点という3つの軸でアカウントを分けることで、それぞれのフォロワーが本当に知りたい情報にたどり着きやすい設計になっていると考えられます。これは全国に拠点を持つ企業や、複数の事業ラインを持つ企業が参考にしやすい構造です。

なぜ支持されているのか:3つの読み解きポイント
公開されている投稿やキャンペーン施策から、支持されている理由は大きく3つに整理できます。
1. 「北欧の暮らし」という一貫した世界観 住宅そのものの性能や仕様を語るのではなく、「北欧の暮らし方」というライフスタイル全体を軸にコンテンツをつくっている点です。窓辺の光の入り方、木製サッシ、インテリアの色使いなど、住宅会社が本来伝えたい「性能」や「工法」の情報を、暮らしの一場面として見せることで、フォローする理由が「家を建てたい人」だけに限定されなくなります。北欧インテリアやライフスタイルに関心のある層まで、フォロワー層を広げられる設計です。
2. オーナー(施主)を主役にしたUGC施策 スウェーデンハウスは「#ミューシグ」「#ヘンマベスト」「#わが家のとっておきスポット」といったハッシュタグを使ったキャンペーンを継続的に展開し、オーナーが自宅で感じる心地よい瞬間を投稿してもらう仕組みをつくっています。集まった投稿は「ヘンマベスト!オーナーズフォトギャラリー」のようなオウンドメディアのコンテンツにも再活用されており、SNS単体で完結させず、ハッシュタグキャンペーン→UGC収集→自社サイトでの二次活用という循環をつくっている点が特徴です。
3. 「作り込みすぎない」リアルな暮らしの見せ方 公式アカウントの投稿と、オーナーが投稿するUGCを併存させることで、企業目線の「作り込まれた美しさ」と、実際に住んでいる人の「リアルな暮らし」の両方が同じ世界観の中に混在します。住宅のように検討期間が長く高額な意思決定では、施主の生の声や暮らしぶりが、企業公式の発信以上に説得力を持つケースが多く、この設計は住宅・不動産業界のSNS運用において非常に理にかなっています。
投稿の「型」を分解する
業種を問わずアカウント分析をするときは、投稿を「型」に分解して整理すると、自社に応用しやすくなります。スウェーデンハウスの発信内容を、企業アカウントが持ちやすい投稿カテゴリーに当てはめると、以下のように整理できます。
| 投稿の型 | 目的 | 応用できる業種 |
|---|---|---|
| 世界観訴求(インテリア・暮らしの一場面) | ブランドイメージの醸成、フォロー動機の拡大 | 住宅・不動産、インテリア、飲食、アパレル |
| オーナー・お客様紹介(UGC・施主インタビュー) | 信頼獲得、意思決定の後押し | 高額商材全般、BtoCサービス業 |
| ハッシュタグキャンペーン | エンゲージメント獲得、UGCの継続的な収集 | 小売、飲食、美容、住宅 |
| モデルハウス・店舗紹介 | 来店・見学予約への導線づくり | 店舗ビジネス全般 |
| 拠点・支店単位の発信 | 地域密着の情報提供、ローカル検索での接点強化 | 多拠点展開する企業・チェーン店 |
このように投稿を型として言語化しておくと、「今週は世界観訴求が多かったから、来週はオーナー紹介を増やそう」といった投稿カレンダーの調整がしやすくなります。unyou(https://unyou.media)でも、業種ごとにどの型が使われているかを事例ベースで確認できるので、自社の投稿バランスを見直す際の参考にしてみてください。
世界観のつくり方:トンマナを統一する具体的な工夫
「世界観をつくる」というと抽象的に聞こえますが、実際にはいくつかの具体的な工夫の積み重ねです。スウェーデンハウスのアカウント設計から読み取れる工夫を、自社で実践できるレベルに分解すると次の通りです。
- 色数を絞る:自然光、白系の壁、木の質感など、使う色のトーンを限定することで、フィード全体を並べたときに統一感が生まれます。
- 「商品」ではなく「暮らしの場面」を撮る:住宅であれば設備単体ではなく、そこで過ごす人や光の入り方を含めて撮影する。他業種でも「商品単体カット」と「使っている場面カット」を意図的に使い分けることが重要です。
- 投稿の順番(グリッド)を意識する:単発の投稿ではなく、プロフィールを訪れたときの一覧(グリッド)で世界観が伝わるかを確認する。
- 企業発信とUGCのトーンを近づける:オーナーに撮影・投稿してもらう際に、参考になる構図やハッシュタグをキャンペーンページで示しておくことで、UGCが企業アカウントの世界観から大きく外れにくくなります。
これらは特別な機材や大きな予算がなくても、今日から投稿ルールとしてチェックリスト化できる工夫です。
エンゲージメントを生む施策の設計
スウェーデンハウスの「#ミューシグ」「#ヘンマベスト」のようなハッシュタグキャンペーンは、単に「投稿してください」と呼びかけるだけでなく、次の要素がセットになっている点が参考になります。
- 参加のハードルが低いお題設定:「あなたの家で一番好きな場所」のように、誰でも今すぐ撮影できるテーマにしている
- 投稿後の“出口”がある:集まった投稿がオウンドメディアのギャラリーで紹介される、プレゼントに応募できるなど、投稿する側にもメリットがある
- 継続的に実施している:単発キャンペーンで終わらせず、シーズンやテーマを変えながら繰り返し実施することで、UGCが定期的に蓄積される
エンゲージメントは「投稿の見た目」だけでなく、「フォロワーが参加したくなる設計」があって初めて生まれます。いいね数やコメント数を追いかける前に、まず「参加のハードル」「参加後のメリット」「継続性」の3点を見直すことが、遠回りに見えて近道です。
数字で見る、住宅業界とSNSの関係
感覚論だけでなく、公開されているデータからも住宅業界におけるSNS・Instagramの重要性を確認しておきます。
- 総務省「令和7年版 情報通信白書」によると、2024年時点でSNS全体の利用率は81.9%に達しており、X(旧Twitter)やInstagramは50代でも4割以上が利用するなど、幅広い年代に利用が拡大しています。
- Meta社(Facebook Japan)が2019年6月に発表した情報によると、Instagramの国内月間アクティブアカウント数は3,300万を突破しており、国内における主要な情報接点の一つとして定着してきた経緯があります。
- ゼロシード株式会社がPR TIMESで発表した注文住宅購入検討者を対象とする調査では、回答者674人のうち68%(458人)がInstagramを利用して情報収集を行ったと回答しており、住宅という高額・長期検討商材においてもInstagramが有力な情報収集チャネルになっていることが示されています。
こうしたデータからも、住宅・不動産業界においてInstagramは「若年層向けのおまけ施策」ではなく、意思決定プロセスの中核に位置づけるべきチャネルになっていると言えます。
他業種・自社アカウントに応用するための実践チェックリスト
スウェーデンハウスの運用から得られる学びを、明日から自社アカウントで試せる粒度に落とし込むと、次のようなチェックリストになります。
- 自社アカウントの投稿を「型」に分類し、世界観訴求・お客様紹介・キャンペーン・拠点情報のバランスを一覧化する
- フィード(グリッド)表示を確認し、色味・トーンに統一感があるかをチェックする
- 「商品単体カット」と「使用シーン・利用シーンカット」の比率を見直す
- お客様・ユーザーに参加してもらうハッシュタグ企画を1つ設計する(お題は誰でもすぐ撮れる粒度にする)
- キャンペーンで集まったUGCを、公式サイトやギャラリーページなど別チャネルでも再活用する導線をつくる
- 複数拠点・複数事業がある場合は、アカウントを分けるべきか、1つに集約すべきかを目的別に再検討する
- 投稿頻度よりも先に「フォロワーが参加したくなる仕組み」があるかを確認する
一度にすべてを実行する必要はありません。まずは1〜2項目に絞って、1ヶ月単位で投稿ルールに反映してみることをおすすめします。
まとめ
スウェーデンハウスのInstagram運用は、派手な演出やバズを狙ったものではなく、「北欧の暮らし」という一貫した世界観のもとで、企業発信とオーナーのUGCを組み合わせ、ハッシュタグキャンペーンを通じて継続的にコンテンツを循環させる設計に支えられています。住宅のように検討期間が長く、信頼が重要な商材だからこそ、作り込まれた世界観と、実際に暮らす人のリアルな声の両方を見せることが効果を発揮していると考えられます。
自社アカウントの運用に迷ったときは、フォロワー数や投稿頻度といった表面的な数字を追う前に、「投稿の型は整理されているか」「世界観に一貫性はあるか」「お客様が参加したくなる仕組みがあるか」という3つの視点から見直してみてください。業種が異なっていても、応用できる考え方は数多くあります。
より多くの業種・企業のSNS運用事例を比較検討したい方は、unyou(https://unyou.media/cases)の事例データベースもあわせてご活用ください。同業種・類似業態のアカウントがどのような型で投稿し、どのようなキャンペーンでエンゲージメントを獲得しているかを具体的に確認できます。
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