FUGLEN TOKYO(フグレン トウキョウ)のInstagram運用を分析|伸びている理由と、真似できるポイント【2026年版】
2026/9/29
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「おしゃれなカフェのSNSっぽくしたいけど、何を投稿すればいいか分からない」という悩み
店舗のInstagram運用を任されると、多くの担当者が同じ壁にぶつかります。「メニュー写真を撮って投稿する」「新商品を紹介する」——そこまではできても、フォロワーが増えず、保存やシェアにもつながらない。特に飲食・カフェ業態では、競合アカウントも軒並み写真のクオリティが高く、何を差別化のポイントにすればいいのか見えにくいというのが正直なところではないでしょうか。
「センスがある人がやれば伸びる」「うちはブランド力がないから無理」と諦めてしまう前に、実際に長く支持され続けている店舗アカウントの投稿設計を分解してみると、そこには再現可能な「型」があることが分かります。今回は、ノルウェー・オスロ発のカフェ&バー「FUGLEN TOKYO(フグレン トウキョウ)」のInstagram運用を題材に、伸びている理由と、他業種・他店舗でも応用できるポイントを整理していきます。

FUGLEN TOKYOとはどんな店舗か
まず前提となる店舗情報を整理します。FUGLENは1963年にノルウェー・オスロで創業したカフェ「KAFFE FUGLEN」を起源とし、コーヒーバーに北欧ヴィンテージ家具とカクテルバーの要素を加えながら独自の進化を遂げてきたブランドです。FUGLEN TOKYOはその海外進出第1号店として2012年に代々木公園・富ヶ谷エリアにオープンしました。
店舗の最大の特徴は、「昼はコーヒースタンド、夜はカクテルバー」という二面性です。日中は浅煎りで果実のような香りが特徴のノルウェー式コーヒーを提供し、店内に並ぶ北欧ヴィンテージ家具(実は販売もされている)を眺めながら過ごせる空間となる一方、夕方以降は照明が落とされ、クラフトカクテルを提供するバーへと表情を変えます。この「一つの空間が時間帯によって別の顔を見せる」という構造自体が、SNSで語られやすいコンテンツの土台になっています。
なぜFUGLEN TOKYOのInstagramが支持されているのか
FUGLEN TOKYOのアカウントが多くのユーザーに支持されている背景には、単に「写真がおしゃれ」という以上の設計があります。ポイントは大きく3つです。
1つ目は、ブランドの成り立ちそのものがコンテンツになっていること。「1963年オスロ創業」「北欧ヴィンテージ家具」というストーリーは、単発のキャンペーン投稿では出せない厚みを持っています。歴史的背景があるからこそ、家具1脚、カップ1つの紹介にも文脈が生まれます。
**2つ目は、昼と夜で全く異なる世界観を1つのアカウントで両立させている点。**コーヒーの繊細な一枚と、バータイムの照明を落とした重厚な一枚が同じフィードに並ぶことで、「この店は一度行っただけでは全部を知れない」という期待値をフォロワーに持たせています。
**3つ目は、コーヒーの発信を専用アカウント(ロースターとしての発信)に分けるなど、情報の粒度をコンテンツごとに整理している運用体制です。**すべてを1つのアカウントに詰め込まず、「誰に何を届けるか」でチャネルを設計している点は、複数のメニューラインや事業を抱える店舗にとって参考になる考え方です。
投稿の「型」を分解する
実際にアカウントの投稿を眺めると、大きく以下のようなカテゴリに整理できます。これは多くの支持されている飲食店アカウントにも共通する分類なので、自店舗の投稿を棚卸しする際のテンプレートとしても使えます。
| 投稿カテゴリ | 目的 | 具体例 |
|---|---|---|
| プロダクト訴求 | メニュー・商品の魅力を伝える | コーヒーの抽出シーン、カクテルのグラスアップ |
| 空間・世界観 | ブランドの空気感を伝える | 北欧ヴィンテージ家具、店内の光の入り方 |
| ストーリー・背景 | ブランドの厚みを伝える | オスロでの創業経緯、家具の由来 |
| 人・スタッフ | 親近感・信頼感を伝える | バーテンダーやバリスタの手元、working shot |
| 時間帯の変化 | 来店動機・回遊を促す | 昼のカフェタイムと夜のバータイムの対比 |
このように投稿を「目的」でカテゴリ分けすると、「今週はプロダクト訴求ばかりだったから、次は空間の投稿を入れよう」といった構成のバランス管理がしやすくなります。単発の思いつきで投稿を続けると同じ切り口に偏りがちなので、この表をそのままチェックリスト代わりに使うのがおすすめです。
世界観をつくる3つの工夫
写真のクオリティだけでは「一貫した世界観」は生まれません。FUGLEN TOKYOのような支持されるアカウントに共通する工夫を、応用しやすい形に分解すると以下の3点に整理できます。
- 色味・トーンの統一:木材の質感、真鍮、アンバー系の照明色など、ブランドカラーではなく「素材感の色」で統一感を出している。フィルターを揃えるより再現性が高い。
- 画角のパターン化:真俯瞰でのドリンクショット、家具のディテールを切り取るクローズアップ、店内奥行きを見せる引きの構図など、数パターンに絞って繰り返すことで「見ただけでその店だと分かる」状態をつくっている。
- 説明文を書きすぎない:キャプションで多くを語らず、写真そのものに語らせる投稿が多い。情報量を絞ることで、フォロワー自身が「この空間で過ごしたい」と想像する余白を残している。
これらは高価な機材がなくても、スマートフォンと簡単な編集アプリで十分再現可能な工夫です。重要なのは「毎回違う画角・違う色味」で撮るのではなく、あらかじめ自店舗の「型」を数パターン決めておくことです。
エンゲージメントを生む導線設計
投稿単体のクオリティに加えて、フォロー・保存・来店につながる導線設計も重要な要素です。飲食店探しにおけるSNSの役割は、実際の調査データからも裏付けられています。
ファストマーケティング株式会社がZ世代(15〜29歳)を対象に実施した調査(PR TIMES掲載、2025年)によると、気になる飲食店に出会うきっかけとして「SNSや動画サイト」と回答した人は8割にのぼり、情報収集で最も利用されているサービスはInstagramで67.5%でした。さらに、飲食店の情報を保存する先としても7割がInstagramを挙げています。つまり、投稿は「その場で見て終わり」ではなく「あとで見返すために保存される」ことを前提に設計する必要があるということです。
またInstagramを運営するMetaは、2023年11月開催のMeta Marketing Summit Japan 2023において、国内の月間アクティブアカウント数が2019年公表時点の3,300万から4年間で倍以上に拡大したと発表しています。国内での利用者基盤が拡大を続けている以上、店舗アカウントにとってInstagramは「一部のユーザーだけが見るチャネル」ではなく、来店検討の主要な経路の一つとして扱うべき段階に入っています。
加えて総務省「令和7年版情報通信白書」でも、Instagramを含むSNSの利用は2024年時点で全世代に拡大しており、50代でも4割以上が利用していると報告されています。ターゲットを「若年層向けSNS」と限定せず、幅広い客層への接点として設計する余地があることも押さえておきたいポイントです。
こうした背景を踏まえると、FUGLEN TOKYOのように「保存したくなる情報密度」を持つ投稿——空間の作り込みや商品の背景ストーリーなど——を継続的に発信することが、単なる「いいね」稼ぎ以上の効果を生む理由が見えてきます。
自社アカウントに応用する実践チェックリスト
ここまでの分析を踏まえ、明日から自店舗のアカウントで試せる具体的なアクションに落とし込みます。
- 投稿カテゴリを5つ以内に絞り、週の投稿予定に割り振る(プロダクト・空間・ストーリー・人・変化、など)
- 自店舗の「画角パターン」を3つ決めて固定する(俯瞰ドリンクショット/ディテールクローズアップ/空間の引き画、など)
- 色味の基準を1つ決める(照明の色温度、素材の質感など、フィルターに頼らない統一軸)
- キャプションは説明ではなく「余白」を残す文体にする(情報を詰め込みすぎない)
- 保存されることを前提に、背景・由来・こだわりを伝える投稿を月1〜2本は入れる
- 昼と夜、平日と週末など、時間軸での変化がある業態なら、その対比を意図的に見せる
- メニュー専門アカウントなど、発信内容が多すぎる場合はチャネルを分けることも検討する
これらは特別な予算やツールを必要とせず、投稿の企画段階で意識を変えるだけで実践できるものばかりです。まずは直近1か月分の投稿を上記の表に当てはめて棚卸しし、偏りがあるカテゴリを来月の投稿計画で補うところから始めてみてください。
業種による違いをどう捉えるか
もちろん、FUGLEN TOKYOの手法をそのまま真似ても、業種やブランドの背景が異なれば同じ結果にはなりません。歴史的なストーリーを持たない新規オープンの店舗であれば、「これから作っていくストーリー」(改装の過程、スタッフの成長、常連客とのエピソードなど)を代わりに発信していくアプローチが有効です。重要なのは「写真の技術」を真似ることではなく、「なぜその投稿がフォロワーの保存・来店動機につながるのか」という構造を理解し、自店舗の文脈に置き換えることです。
業種によって刺さる投稿の型は異なります。美容室であれば施術のビフォーアフター、アパレルであればコーディネート提案、宿泊業であれば滞在体験の物語性など、それぞれの業種に「勝ちパターン」が存在します。unyou(https://unyou.media)では、業種・業態ごとの実際の運用事例を数多く掲載しているので、自店舗に近い業態の事例と照らし合わせながら、投稿設計の参考にしてみてください。
まとめ
FUGLEN TOKYOのInstagramが支持されている理由は、単に写真が美しいからではなく、①ブランドの成り立ちを文脈として使い、②昼と夜という二面性を意図的にコンテンツ化し、③投稿カテゴリと画角・色味を「型」として固定している、という設計の積み重ねにあります。これらはいずれも、特別な予算やインフルエンサー的センスがなくても、投稿カテゴリの棚卸しと画角・色味の統一という具体的なアクションから始められるものです。
Instagramが飲食店探し・保存の主要チャネルとして定着しつつある今、感覚的な運用から一歩踏み出し、自店舗なりの「型」を言語化してみることが、遠回りに見えて最も確実な一歩になります。
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