横浜DeNAベイスターズのInstagram運用を分析|伸びている理由と、真似できるポイント【2026年版】
2026/9/19
SNS担当者なら誰もが気になる「あの球団アカウント」
「同じスポーツチームなのに、なぜあそこまで反応が違うのだろう」――企業や店舗のSNS担当者と話していると、必ずと言っていいほど話題に上るのが横浜DeNAベイスターズの公式Instagram(@baystars_official)です。投稿を眺めているだけで「デザインに統一感がある」「試合がない日でも見てしまう」「コメント欄が温かい」と感じた経験がある方は多いはずです。
一方で、自社アカウントの運用に置き換えると「毎日投稿するネタが尽きる」「フォロワーとの距離感がつかめない」「デザインが担当者によってバラバラ」といった悩みにぶつかりがちです。本記事では、横浜DeNAベイスターズのInstagram運用を公開情報とWeb検索、そしてSNS運用事例データベース「unyou」(https://unyou.media)の知見をもとに分解し、業種を問わず応用できるポイントに落とし込みます。

横浜DeNAベイスターズとは|SNS展開の前提を押さえる
横浜DeNAベイスターズは、横浜スタジアムを本拠地とするNPB(日本野球機構)所属の球団です。2011年にDeNAがオーナー会社となって以降、観客動員数やファンクラブ会員数の増加に代表される「球場外にもファン体験を広げる」マーケティング戦略で知られてきました。公式Twitter(現X)とInstagramのアカウントは2018年に開設されており、球団情報をより多くのファンと即時性を持って届けることを目的に運用が始まっています(出典:Full-Count「DeNAが球団公式ツイッターとインスタグラムを開設」)。
そして2024年11月3日、球団は「SMBC日本シリーズ2024」で福岡ソフトバンクホークスを破り、1998年以来26年ぶり3度目の日本一を達成しました(出典:横浜DeNAベイスターズ公式サイト ニュースリリース)。この歴史的瞬間は公式SNS上でも大きな話題となり、日頃からアカウントをフォローしていた層とライトなファン層の双方を巻き込む形で拡散されました。日々の地道な発信が「ここぞ」という瞬間の伸びしろにつながる好例といえます。
追い風|日本のSNS利用が拡大し続けている背景
なぜ今、企業や店舗がスポーツチームのSNS運用から学ぶ価値があるのか。まず前提として、SNSという土壌そのものが拡大を続けている事実を押さえておきましょう。
- 総務省「令和7年版情報通信白書」によれば、世界のソーシャルメディア利用者数は2024年の41.1億人から2029年には58.7億人へ増加すると予測されており、テキスト中心の利用からショート動画視聴などの用途拡大が進んでいます。
- 同白書では、代表的なSNSの一つであるLINEの利用率が2014年の55.1%から2024年には94.9%へと拡大し、60代でも2014年の11.3%から2024年には91.1%まで伸びたことが示されています。SNSがもはや若年層だけのツールではなく、全世代のコミュニケーション基盤になっていることが読み取れます。
- Instagramを運営するMeta社は2019年6月、公式発表(About Meta)で「国内の月間アクティブアカウント数が3,300万を突破した(2019年3月時点)」と明らかにしました。さらに2023年11月開催の「Meta Marketing Summit Japan 2023」では、そこから4年間で利用が「倍以上に拡大した」とMeta自身が言及しています。
つまり、Instagramというプラットフォームの母数そのものが年々厚みを増しており、「どのチャネルに力を入れるか」ではなく「どう向き合うか」が問われる段階に入っています。横浜DeNAベイスターズのアカウントが評価される背景にも、この土壌の変化をうまく取り込んだ運用姿勢があります。
Instagram運用が支持される3つの理由
公開情報を整理すると、横浜DeNAベイスターズのInstagram運用が評価される理由は大きく3つに整理できます。
1. デザインの統一感を仕組みで担保している Web担当者Forum「Marketing Native」の記事(2019年4月8日掲載)によれば、球団はSNS投稿の高品質化にあたり「Content Stadium」というSNS用テンプレート集サービスを導入しています。試合開始の告知、スタメン発表、試合結果の速報などにアニメーションを多用し、投稿ごとにデザインのトーン&マナーを統一する仕組みを構築している点が特徴です。属人的なセンスに頼らず「型」で品質を保つ発想は、担当者が変わっても運用が崩れないという実務上のメリットにも直結します。
2. 試合結果に依存しないコンテンツ設計 勝敗という「水物」の結果だけに依存すると、負けが続く時期は発信のトーンが沈みがちです。しかし同アカウントは、練習風景、選手のオフショット、球場グルメ、ファン参加型の企画など、試合結果に左右されないコンテンツも織り交ぜて発信しており、シーズンを通じた継続的な接触を実現しています。
3. 「地域」と「チーム」への愛着を可視化する編集方針 横浜という地域性、ハマスタ(横浜スタジアム)という場所性を前面に出すことで、単なる「勝敗を伝えるアカウント」ではなく「横浜の文化の一部」としての位置づけを獲得しています。日本経済新聞の記事(2022年5月11日)でも、プロ野球の球団SNSが「今までにないことでザワつかせる」ことを狙いに、従来の広報の枠を超えた発信を模索している潮流が取り上げられています。
投稿の「型」を分解する
自社アカウントに応用しやすいよう、横浜DeNAベイスターズの投稿を目的別に整理すると、以下のような型に分解できます。
| 投稿の型 | 主な目的 | フォーマットの傾向 |
|---|---|---|
| 試合前告知(対戦カード・スタメン) | 来場・視聴の動機づけ | 統一テンプレート+アニメーション |
| 試合結果・ハイライト | 熱量の共有、実況感の演出 | リール・動画中心 |
| 選手のオフショット | 人柄への共感、親近感の醸成 | 写真+キャプションでの掛け合い |
| 球場グルメ・イベント紹介 | 来場体験の魅力づけ | 写真・カルーセル |
| ファン参加型企画 | エンゲージメント獲得、UGC誘発 | ストーリーズ・コメント誘導 |
| 節目の報告(優勝・記録達成など) | 感情のピークを最大化 | 速報性重視の投稿 |
この表からわかるのは、「告知」「共感」「参加」という3つの機能を投稿の型として明確に使い分けている点です。業種を問わず、自社アカウントの投稿を棚卸しする際にも「これは告知なのか、共感を狙っているのか、参加を促したいのか」という目的の分類は有効です。
世界観のつくり方|ブランドとファンダムをつなぐ設計
横浜DeNAベイスターズのアカウントを見ていて感じるのは、球団ロゴやチームカラーといった「ブランド資産」と、選手やファンの「人間味」がうまく共存している点です。企業アカウントが陥りがちな失敗は、ロゴや商品ばかりを機械的に発信し、そこに人の温度が乗らないことです。逆に、人間味だけを出しすぎるとブランドとしての統一感が失われます。
同アカウントは、テンプレートで統一感を保ちながらも、キャプションの文体やストーリーズでの選手紹介には「素の表情」を意図的に混ぜ込んでいます。この「型は統一、中身は人間味」というバランスが、ファンにとって「毎回同じ安心感」と「毎回新しい発見」を両立させる世界観づくりの核になっていると考えられます。
エンゲージメントを高める仕掛け
エンゲージメントという観点では、以下のような工夫が公開情報から読み取れます。
- ハッシュタグの一貫運用:優勝時の投稿でも「#ベイスターズ」「#baystars」など、普段から使っているハッシュタグを継続して用いることで、盛り上がりの瞬間にもアカウントの世界観を保っています。
- ファンとの双方向性を意識した企画設計:公式サイトの「SNSガイドライン」ページでは、球団が実施するキャンペーンへの応募条件やルールが明文化されており、ファン参加型企画を継続的に運用する基盤が整備されています(出典:横浜DeNAベイスターズ公式サイト「SNSガイドライン」)。
- 記念グッズ・記念コンテンツとの連動:日本一達成直後には記念グッズの販売告知など、SNS上の盛り上がりをオンライン・オフラインの購買行動へつなげる導線も用意されていました。
これらは「盛り上がった瞬間をSNS上だけで終わらせない」設計として、店舗や企業のキャンペーン設計にもそのまま応用できる視点です。
他業種・他店舗が明日から真似できるチェックリスト
規模の大きい球団アカウントの話に聞こえても、応用できる部分は多くあります。以下は明日から着手できるチェックリストです。
- 投稿を「告知」「共感」「参加」の3種類に分類し、比率が偏っていないか棚卸しする
- 投稿デザインのテンプレート(配色・フォント・レイアウト)を最低3パターン用意し、担当者が変わっても統一感を保てる状態にする
- 成果(売上・受注・満足度)に直結しない「日常」や「裏側」を伝える投稿を、月の投稿数の2〜3割程度組み込む
- 自社の拠点がある「地域」や「文脈」を投稿に絡め、単なる商品紹介から一歩踏み出す
- ファン・顧客が参加できる企画(コメント募集、ハッシュタグ投稿の紹介など)を月1回以上設計する
- 盛り上がった投稿を、購買や来店などオフラインの行動へつなげる導線(グッズ、クーポン、予約リンクなど)をあらかじめ用意しておく
- コメント欄やDMへの返信ルールを事前に決め、誰が対応しても同じトーンで返せるようにする
いきなりすべてを実行する必要はありません。まずは「投稿の棚卸し」と「テンプレート整備」の2つから着手するだけでも、運用の安定感は大きく変わります。
まとめ
横浜DeNAベイスターズのInstagram運用が支持される背景には、特別な裏技があるわけではなく、①デザインの統一感を仕組みで担保する、②試合結果に依存しないコンテンツ設計をする、③地域とチームへの愛着を可視化する、という地道な積み重ねがありました。2024年の26年ぶりの日本一という節目も、こうした日常運用の積み重ねがあったからこそ、SNS上での大きな盛り上がりにつなげられたと考えられます。
スポーツチームに限らず、飲食・小売・サービス業など、他業種のSNS運用にも応用できる考え方は多くあります。同じスポーツ・エンタメ業種や他業種の運用事例をさらに知りたい方は、SNS運用事例データベース「unyou」の事例一覧もあわせてご覧ください。
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Instagram・X・TikTok で実際に成果を出しているアカウントを、業種 × トンマナ × プラットフォームで検索・比較できます。掲載しているのは、世の中に公開されている実在アカウントの分析 600件超。 「自社の業種で何が伸びているのか」を、感覚ではなくデータで確かめられます。
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