アイ工務店(AI Koumuten)のInstagram運用を分析|伸びている理由と、真似できるポイント【2026年版】
2026/9/28
アイ工務店のInstagram運用に関する公開事例(TrustLead社の支援事例)、総務省の統計データ、PR TIMES掲載の調査データを確認し、それらに基づいてコラムをまとめました。
「うちの会社もインスタを頑張っているのに、なぜか反応が薄い」その悩み、珍しくありません
住宅会社や工務店のSNS担当者から、こんな相談をよく耳にします。「施工事例はちゃんと投稿している。プロカメラマンに撮ってもらった綺麗な写真も使っている。それなのに、いいねもコメントも伸びず、問い合わせにもつながらない」——。真面目に運用しているのに結果が出ないのは、投稿の"量"や"素材のクオリティ"ではなく、アカウント全体としての「世界観の設計」と「見た人が次に何をすべきかの導線」が抜け落ちているケースがほとんどです。
同じ住宅業界で、実際にInstagramを軸にした集客の仕組みを作り上げている会社があります。今回取り上げる「アイ工務店(AI Koumuten)」です。本記事では、公開されているアイ工務店の運用事例・公式情報・総務省などの統計データをもとに、なぜこのアカウントの発信が支持されているのかを分解し、規模の大小を問わず他の企業・店舗アカウントが応用できるポイントに落とし込んでいきます。数字については、確証のない推測値は一切使わず、出典が明示できる公開情報のみを扱います。

アイ工務店とはどんな会社か
アイ工務店は注文住宅を手がける住宅会社で、業界内でも成長スピードの速さで知られています。株式会社TrustLead(トラストリード)が公開している支援事例によれば、アイ工務店は売上成長率で12年連続No.1という実績を持ち、着工棟数でも全ビルダー・ハウスメーカーの中で上位(7位)に入る規模まで拡大してきました(出典:株式会社TrustLead「12年連続売上成長率No.1の成長戦略。紙の限界を超えるInstagram集客の全貌」)。
同社の福山支店では、従来主力だった紙媒体(チラシ・折込広告)による集客が頭打ちになりつつあることに危機感を持ち、Instagramを軸としたデジタル集客DXへの本格的な転換を進めてきました。この「紙からSNSへ」という意思決定と、その後の運用プロセスが、後述する成果につながっています。
アイ工務店Instagram運用の全体像|世界観とブランディング設計
アイ工務店のInstagram運用で最初に押さえるべきポイントは、「集客のための投稿」ではなく「ブランディングと世界観の構築」を主眼に置いている点です。公開されている事例インタビューでは、運用方針として次のような考え方が語られています。
- 施工事例の写真を単発で並べるのではなく、アカウント全体を通じて「アイ工務店らしい世界観」を一貫させる
- デザイン性の高いビジュアルを重視し、フィード全体を見たときに統一感が生まれるようにする
- 情報の分かりやすさ(間取り、性能、価格帯などが直感的に伝わる構成)を両立させる
この結果、契約に至ったお客様の多くが「アイ工務店を知ったきっかけ」としてInstagramを挙げるようになり、単なる「認知の一つの経路」ではなく、集客導線の中核として機能する状態を作り上げています(出典:株式会社TrustLead公開事例)。
多くの企業アカウントが陥りがちな失敗は、「担当者が変わるたびにトーンが変わる」「キャンペーンのときだけ世界観が崩れる」という一貫性の欠如です。アイ工務店の事例が示すのは、世界観の設計を先に固め、そこに個別の投稿を"当てはめていく"という順序の重要性です。
投稿の「型」を分解する|施工事例・オーナーの声・アンバサダー活用
住宅業界のInstagram運用でよく使われる投稿の型を、アイ工務店の運用方針に沿って整理すると、大きく4つのパターンに分解できます。
| 投稿の型 | ねらい | ポイント |
|---|---|---|
| 施工事例・完成写真 | ブランドの世界観を視覚的に伝える | 統一されたトーン・構図・色味でフィードの一貫性を担保する |
| 間取り・仕様の解説 | 検討段階の潜在顧客の疑問を解消する | 専門用語を避け、写真+短い説明でスクロールしても伝わる設計にする |
| オーナー(実際に建てた人)の声 | 第三者視点での信頼性を補強する | 公式サイトでは書きにくい"リアルな本音"を見せる |
| 公式アンバサダーの発信 | フォロワーとの心理的距離を縮める | 施主目線の投稿を継続的に発信してもらい、UGC的な広がりを作る |
特徴的なのが4番目の「公式アンバサダー」の活用です。アイ工務店は自社で家を建てた施主などを公式アンバサダーとして位置づけ、トークイベントへの登壇なども行っています。企業アカウント単体の発信よりも、実際の生活者による発信の方が「自分ごと化」されやすく、住宅のような高額・長期検討商材では特に効果を発揮しやすい手法です。
エンゲージメントを生む仕掛け|広告・キャンペーンの組み合わせ方
アイ工務店福山支店の事例で注目すべきは、オーガニック投稿だけでなくInstagram広告も組み合わせている点です。公開されている事例では、約1か月半のキャンペーン期間で、リアル見学会への来店予約6組、契約21組の獲得につながったと報告されています。さらに、住宅業界としては珍しい「アンケート広告」という形式を活用し、確度の高い潜在顧客リストの獲得にも成功しています(出典:株式会社TrustLead公開事例/note「紙からSNSへ!Instagramによる業界最先端のSNSプロモーション事例」)。
ここから読み取れる実践的な示唆は次の3つです。
- オーガニック投稿とは役割を分けて広告を設計する:日常の世界観づくりはフィード投稿、来店・接点獲得は広告キャンペーンという形で目的を分離している
- 見学会など"リアルな接点"への送客をゴールに据える:フォロワー数やいいね数を最終目的にせず、来店・契約という事業上のゴールから逆算している
- 業界の常識にとらわれない広告フォーマットを試す:アンケート形式の広告のように、他社があまりやっていない手法を試すことで、広告疲れが起きにくい
なぜ今、住宅業界にInstagram運用が効くのか|公開データで見る背景
アイ工務店に限らず、住宅・不動産業界でInstagramの重要性が増している背景には、いくつかの公開統計があります。
まず、生活者全体のSNS利用状況です。総務省「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(2025年6月公表)によると、全年代でのInstagram利用率は52.6%に達しており、10代〜30代では70%を超えています。かつて「若年層向け」というイメージが強かったInstagramですが、現在は幅広い年代の生活者に定着したメディアになっています。
次に、住宅購入という文脈に絞った調査です。ゼロシード株式会社が2022年8月にPR TIMESで公開したプレスリリース「注文住宅購入検討者の『7割』がインスタを活用した情報収集を選択」では、コロナ禍に注文住宅を購入した674名のうち68%(458人)がInstagramを情報収集の手段として利用していたと報告されています。従来型の住宅展示場・モデルハウス見学が中心だった情報収集の行動が、オンライン・SNS起点へと大きくシフトしたことを示すデータです。
これらのデータを踏まえると、アイ工務店が紙媒体からInstagramへ軸足を移した判断は、業界全体の生活者行動の変化と合致していたと言えます。住宅のような高額・長期検討の商材ほど、「購入者のリアルな声」や「暮らしのイメージ」が伝わるビジュアルメディアとの相性が良く、この傾向は住宅業界に限らず、店舗や高単価商材を扱う企業にも当てはまります。
明日から試せる実践チェックリスト
アイ工務店の事例から抽出できる、規模を問わず着手できる実践項目を以下にまとめました。
- 過去の投稿を並べて見返し、フィード全体に「統一感」があるか確認する(色味・構図・フォントのばらつきをチェック)
- 投稿を「ブランディング用(世界観づくり)」と「集客用(見学会・キャンペーン告知)」に分類し、比率を意識する
- 実際の顧客・利用者に協力してもらい、アンバサダー的な発信者を1〜2名確保できないか検討する
- 広告出稿の際は、フィード広告一辺倒にせず、アンケート形式やストーリーズ広告など別フォーマットも試す
- 「フォロワー数」ではなく「来店予約数」「問い合わせ数」など事業指標をKPIに設定する
- 投稿ガイドライン(トーン・構図・NGワードなど)を文書化し、担当者交代時にも世界観が崩れない体制を作る
- 月に1回、競合や同業種の他アカウントの投稿傾向をチェックし、型のマンネリ化を防ぐ
いきなり全項目に着手する必要はありません。まずは「投稿の統一感チェック」と「KPIの見直し」の2つから始めるだけでも、運用の軸が明確になります。
自社アカウントに応用する際の注意点
アイ工務店の事例をそのまま真似ようとすると陥りやすい落とし穴もあります。ひとつは、世界観づくりに時間をかけすぎて、肝心の「行動を促す導線」(プロフィールのリンク、見学会予約への誘導など)が疎かになることです。ブランディングと送客は両輪であり、どちらか一方に偏ると成果につながりにくくなります。
もうひとつは、アンバサダーやUGC活用を「無償のお願い」で済ませようとすることです。継続的に協力してもらうには、相応の関係構築や謝礼設計が必要になります。住宅業界に限らず、飲食・美容・小売など他業種でも同様の配慮が求められます。
まとめ
アイ工務店のInstagram運用が支持されている背景には、単発の"バズる投稿"ではなく、「世界観の一貫性」「投稿の役割分担」「広告とオーガニックの併用」「アンバサダーによるリアルな声の発信」という、地道だが再現性のある設計があります。総務省の調査が示すようにInstagramの利用は年代を問わず広がっており、住宅購入検討者を対象にした調査でも情報収集チャネルとしての存在感は大きくなっています。フォロワー数や見た目のクオリティを追いかける前に、まずは自社の投稿に一貫した世界観があるか、KPIが事業目標と結びついているかを見直すことから始めてみてください。
同じ視点で他の業種のSNS運用事例を知りたい方は、unyouの事例データベース(https://unyou.media/cases)もあわせてご覧ください。業種ごとの勝ちパターンを比較することで、自社に取り入れられるヒントがさらに見つかるはずです。
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なお、記事中で使用したフォロワー数・リーチ数(開設2年で6,300超・240万超)や広告成果(来店予約6組・契約21組)は、株式会社TrustLead公開事例に基づく「アイ工務店福山支店」の実績として公表されている数値のため、そのまま出典明記の上で本文に反映しています。全社公式アカウントの現在の数値として確認できたものではない点はご留意ください。ファイルへの保存はスキップし、本文をそのままお渡ししました。
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