マンダリンオリエンタル東京のInstagram運用を分析|伸びている理由と、真似できるポイント【2026年版】
2026/9/28
マンダリンオリエンタル東京のInstagramが「伸びている」と感じるのはなぜか
「うちの店舗やホテルのInstagramも、もっと世界観のあるアカウントにしたい」「高級ブランドのような統一感を出したいけれど、何から手をつければいいのか分からない」——SNS運用を担当していると、こうした悩みに何度もぶつかるのではないでしょうか。特にホテルや旅行業界では、写真や動画のクオリティがそのままブランドイメージに直結するため、「センスがないと無理なのでは」と及び腰になってしまう担当者も少なくありません。
しかし、実際にラグジュアリーホテルの運用を観察すると、そこにあるのは「才能」ではなく「再現可能な型」です。今回は東京・日本橋に位置する実在のラグジュアリーホテル「マンダリン オリエンタル 東京」の公式Instagramアカウント(@mo_tokyo)を題材に、投稿の構成・世界観のつくり方・エンゲージメントの高め方を分解し、規模や業種を問わず応用できるポイントに落とし込んでいきます。数字を誇張することなく、公開情報と一次データをもとに、明日から実践できるレベルまで具体化していきます。

マンダリンオリエンタル東京とは|ラグジュアリーホテルがSNSに力を入れる背景
マンダリン オリエンタル 東京は、東京・日本橋の高層階(客室は30階から36階に位置)に構えるラグジュアリーホテルで、都心の眺望を活かした客室設計と、「森と水=日本の自然」をモチーフにした館内デザインで知られています。モダンラグジュアリーと日本的なおもてなしを融合させたコンセプトを掲げており、公式Instagramアカウント(@mo_tokyo)では、客室からの眺望、レストランやバーの料理・空間、季節ごとのアフタヌーンティーやイベント、スパといったコンテンツを継続的に発信しています。
こうしたハイエンド層を狙うホテルがSNSに注力するのは、単なる「今どきだから」ではありません。観光庁が実施した訪日外国人消費動向調査では、SNSが訪日前の情報収集において最も役立った情報源として挙げられており(観光庁「訪日外国人消費動向調査」)、個人ブログと並んで高い評価を得ています。つまりラグジュアリーホテルにとってInstagramは、単なる広報ツールではなく「宿泊先を選ぶ最終判断の場」になっているということです。
投稿を分解する|共通する「型」を見つける
@mo_tokyoの投稿を継続的に見ていくと、内容は多岐にわたるものの、構成には明確な共通パターンがあることが分かります。主に以下のようなカテゴリーに分類できます。
| 投稿カテゴリー | 主な目的 | 使われる素材の特徴 |
|---|---|---|
| 客室・眺望 | 宿泊への憧れ喚起 | 高層階からの都市景観、自然光を活かした構図 |
| レストラン・バー | 来店・予約導線 | 料理のディテール、皿や空間のスタイリング |
| 季節企画(アフタヌーンティー等) | 期間限定の話題づくり | 季節モチーフ、カラーコーディネート |
| 館内デザイン・アート | ブランド世界観の補強 | 「森と水」など和を感じさせるモチーフ |
| スパ・ウェルネス | ラグジュアリー体験の訴求 | 静けさ・余白を感じさせるトーン |
重要なのは、どのカテゴリーの投稿であっても、色調・光の入れ方・余白の使い方が統一されている点です。これにより、フィード全体を俯瞰したときに「同じホテルの発信」だと一目で認識できるようになっています。これは高価な機材がなくても、後述する編集ルールを決めるだけで再現可能な要素です。
世界観をつくる3つの編集ルール
ラグジュアリーブランドのアカウントに共通する編集ルールを整理すると、次の3点に集約されます。
- 色調の統一:極端に彩度を上げず、自然光に近いトーンでまとめることで「上質さ」を演出する。
- 被写体との距離感の統一:客室やレストランを広角で撮りすぎず、ディテールに寄った構図を多用することで高級感を演出する。
- キャプションのトーン統一:短文で余白を残し、絵文字を多用しない落ち着いた文体を貫く。
これらは感覚的なセンスの問題ではなく、「投稿前にチェックする社内ルール」として言語化してしまえば、担当者が変わっても品質を保てます。実際、unyou(https://unyou.media)に掲載されているホテル・旅行業界の運用事例でも、世界観が安定しているアカウントほど、投稿前に色調・構図・文体のガイドラインを明文化しているケースが多く見られます。
支持される理由①:「行きたくなる」ではなく「体験を追体験できる」設計
多くの企業アカウントは「商品・サービスの説明」に終始しがちですが、@mo_tokyoの投稿は、見る人が「自分がそこにいる感覚」を持てるような構図・切り取り方を意識しています。客室からの夜景、朝食のカトラリーの質感、スパのアロマが香ってきそうな空間写真など、五感に訴える情報の見せ方が一貫しています。これは「説明する」から「疑似体験させる」への発想の転換であり、業種を問わず応用可能な視点です。
支持される理由②:ハッシュタグ・位置情報によるインバウンド導線設計
ラグジュアリーホテルにとってインバウンド(訪日外国人)需要は無視できない存在です。総務省「令和6年版 情報通信白書」によれば、日本国内のSNS利用は年代を問わず広く浸透しており、20代では利用率が90%を超え、30代でも約85%、60代でも75%を超える水準に達しています。SNSはもはや若年層だけのメディアではなく、幅広い年代・国籍の意思決定に関わるチャネルになっているということです。
こうした背景から、地名・エリア名・体験名を組み合わせたハッシュタグ設計や、投稿への位置情報タグづけは、国内外どちらの検索導線にも対応できる基本施策として機能します。多言語でのキャプション併記や、位置情報タグの活用は、決して大企業だけの特権ではなく、個人店舗や中小事業者でも今日から取り入れられる施策です。
支持される理由③:フォロワーとの関係構築とUGCの活用
エンゲージメントを高めているアカウントに共通するのは、投稿だけでなく「双方向のコミュニケーション」を設計している点です。ストーリーズでの季節企画告知、宿泊者やゲストが投稿した写真の紹介(UGC活用)、コメントへの丁寧な返信などが組み合わさることで、フォロワーは「一方的に発信されるブランド」ではなく「関われるブランド」として認識するようになります。
なお、Instagramの日本国内における月間アクティブユーザー数について、運営元のMeta社が公式に発表した最新の数値は2019年3月時点の3,300万人であり、それ以降は国・地域別の公式数値は公表されていません。フォロワー数やエンゲージメント率といった個別アカウントの数値は変動が激しく、第三者ツールの推計値には誤差も大きいため、本記事では確証のある公式データのみを引用し、個別の実数の断定は避けています。
明日から試せる実践チェックリスト
自社アカウントに応用する際は、以下の項目から着手すると効果を実感しやすくなります。
- 投稿前に色調(彩度・明るさ)の基準を1枚のサンプル画像で決めておく
- 商品・空間を「引き」だけでなく「寄り」でも撮影し、ディテールカットを必ず1枚は用意する
- キャプションの文体(敬体・常体、絵文字の使用可否)を社内で統一する
- 投稿ごとに「見る人が何を疑似体験できるか」を一言で言語化してから公開する
- 地名・エリア名・体験内容を組み合わせたハッシュタグを3〜5個、固定パターン化する
- 位置情報タグを毎回設定する
- ストーリーズで季節・期間限定情報を告知し、フィードと役割を分ける
- ゲストや顧客の投稿(UGC)を月に数回、許諾を得たうえで紹介する
- コメントには24時間以内を目安に返信する運用ルールを決める
- 月に1回、投稿一覧をグリッド表示で見返し、世界観が崩れていないか確認する
自社アカウントに応用する具体的ステップ
チェックリストを実行に移す際は、いきなり全項目を完璧にこなそうとせず、以下の順序で進めるのが現実的です。
まず、直近の投稿20〜30枚をグリッド表示で見返し、色調・構図にばらつきがないかを確認します。次に、最も反応が良かった投稿の共通点(時間帯、被写体との距離、文体)を洗い出し、それを「型」として文書化します。最後に、その型に沿って向こう1ヶ月分の投稿を先に企画し、行き当たりばったりの投稿を減らすことで、世界観の一貫性が生まれやすくなります。ラグジュアリーホテルのような潤沢な予算がなくても、この「型の言語化」と「事前企画」だけで、アカウント全体の印象は大きく変わります。
まとめ
マンダリン オリエンタル 東京のInstagram運用から学べるのは、特別な機材やセンスではなく、「色調・構図・文体を統一する編集ルール」「体験を疑似体験させる構図設計」「ハッシュタグや位置情報による検索導線」「フォロワーとの双方向コミュニケーション」という、言語化・仕組み化できる要素の積み重ねです。総務省や観光庁のデータが示す通り、SNSは年代・国籍を問わず意思決定に関わるチャネルになっており、業種や規模を問わずこれらの型を取り入れる価値は十分にあります。まずはチェックリストの中から1つでも、今日の投稿から試してみてください。
同業種・他業種のより詳しい運用事例は、unyou(https://unyou.media/cases)でも紹介しています。自社に近い規模・業態のアカウントがどのような投稿設計をしているか、ぜひあわせてご覧ください。
あわせて読みたい
補足:フォロワー数・投稿数などアカウント固有の実数は第三者ツールの推計にばらつきがあり確証が持てなかったため、要件どおり記事本文には含めていません。総務省・観光庁・Meta公式発表の3件は出典名を明記のうえ引用しています。ファイルとして保存したい場合はお知らせください。
ABOUT UNYOU
unyou は、SNS運用の「成功事例」が集まるデータベースです
Instagram・X・TikTok で実際に成果を出しているアカウントを、業種 × トンマナ × プラットフォームで検索・比較できます。掲載しているのは、世の中に公開されている実在アカウントの分析 600件超。 「自社の業種で何が伸びているのか」を、感覚ではなくデータで確かめられます。
無料相談
自社に合ったSNS運用、プロに相談してみませんか?
「何から始めればいいかわからない」「今の運用が正しいか不安」「外注すべきか迷っている」 ——そんなお悩みに、unyouが蓄積した実運用データをもとにお答えします。 相談は無料、しつこい営業はありません。
無料でSNS運用を相談する