読み込み中...
読み込み中...

大和ハウス工業の公式アカウントは、住宅メーカーとして「家づくりの情報収集」フェーズにいる潜在顧客への接点形成を主軸に据えた運用と推測される。bioにある「住まいづくりと暮らしに役立つ情報」という表現通り、商品スペックの押し売りではなく、施主のライフスタイル提案を起点としたコンテンツ設計が特徴。ハッシュタグ「#こだわりダイワハウス」「#ダイワハウスでの暮らし」を主軸に据え、実際の住まい手の暮らしぶりをUGC的に巻き込むことでブランドの世界観を醸成している点が注目される。検討期間が長く高額な住宅という商材特性上、フォロー継続による中長期的なナーチャリングを狙った設計と読める。172,977という大手ハウスメーカーとして十分なフォロワー規模を、認証バッジによる信頼性とリンク誘導でリード獲得につなげる導線が確立されている。差別化ポイントは、競合の住友林業・積水ハウスらと並ぶブランド世界観の構築力と、施主目線の暮らし提案による親近感の両立にある。
不動産業界のフォロワー規模分布(業界平均: 7.3万)
自然光を活かした柔らかな写真表現を基調とし、木目・グリーン・ベージュ系の温かみある色調で「暮らし」の質感を演出。タイトルは細めゴシックで上品さを保ちつつ、生活シーンの引き写真と建材ディテールの寄り写真を交互配置。テキスト要素は最小限に抑え、施主のリアルな日常感を主役に据えた編集設計。
実邸の暮らしぶり・施主インタビュー
家づくりのノウハウ・情報収集コンテンツ
間取り・インテリア提案による生活シーン訴求
コンテンツ軸は「ダイワハウスで暮らす人々のリアルな住空間」をフィーチャーしたフィード投稿が中核で、施主実例×インテリア提案×季節の暮らし方を3本柱に展開。商品スペック訴求型の投稿は最小限に抑え、リビング・キッチン・収納・庭などシーン別カット集の形式が定着している。投稿781件という積み上げが示す通り、長期コツコツ型の運用設計。
競合の住友林業(樹齢・木材ストーリー軸)、積水ハウス(家族の物語軸)に対し、大和ハウスは「こだわりディテール×施主UGC」という独自ポジションを確立。指定ハッシュタグ「#こだわりダイワハウス」「#ダイワハウスでの暮らし」を施主自身が使う仕組みで、ブランド側が一次制作コストをかけずに二次UGCを収集・再投稿できるエコシステムを設計している点が秀逸。
エンゲージメント設計は、保存行動を誘発する「間取り公開」「収納術」「素材選びの考え方」型カルーセルが中核。CTAは強いセールス文言を避け、bio内のリンク集(tryie.jp)経由でカタログ請求・モデルハウス来場へ静かに誘導する設計。リールは控えめで、フィードのビジュアル統一感を優先する判断と読める。
住宅業界特有の「検討期間1〜3年・高額商材・年間接触機会の少なさ」という課題に対し、フォロー継続によるザイオンス効果と、施主コミュニティ化による信頼形成で対応。広告では訴求しづらい「住んだ後の暮らしの質」を可視化することで、カタログ前の認知形成段階に深く食い込んでいる。
代理店が学ぶべき戦略的示唆は3点。①顧客接点が少ない高額商材ほど「商品ではなく顧客の暮らし」を主役化すべきこと、②指定ハッシュタグ運用でUGC供給ラインを構築すれば月間制作コストを大幅圧縮できること、③CVを急がず認証バッジ・フォロワー17万規模の信頼資産を活かし、bio経由の自然導線でリード化する「待ちの導線設計」が高額BtoCには有効であること。短期KPIではなく3年スパンのブランド資産形成として捉える運用思想が学びの本質。
ブランドタグ(#こだわりダイワハウス)でUGCを集約しブランド資産化
商品訴求ではなく『暮らし』を主語にした共感型コンテンツ設計
プロフィールリンクから複数サイトへ誘導するリード獲得導線
大和ハウス工業の公式Instagramは、住宅業界のSNS活用が本格化した2016〜2018年頃に開設されたと推測される。当初はマス広告の延長線上で、CM素材の転用や商品ラインナップ(xevo Σ、xevo GranWood等)のスペック訴求型投稿が中心だったと考えられる。住友林業や積水ハウスといった競合ハウスメーカーが軒並み公式アカウントを立ち上げた時期と重なり、業界全体として『カタログ請求の補完チャネル』としての位置づけからスタートした可能性が高い。
転換点は2019〜2020年頃と推測される。コロナ禍で住宅展示場への来場が激減し、オンライン上での『暮らしの想像喚起』が急務となったタイミングで、商品訴求から施主のリアルライフ訴求へと舵を切ったと読める。動画投稿(モデルハウスツアー型リール)も試行された痕跡はあるが、現在はフィード中心に回帰しており、世界観統一を優先する判断に落ち着いたと見られる。指定ハッシュタグ『#こだわりダイワハウス』『#ダイワハウスでの暮らし』の運用も、この前後で本格化したと推測される。
同業界比較では、UGC指定ハッシュタグの構築は積水ハウス『#我が家』と並んで早かった部類に入る一方、リール・ショート動画への本格シフトは住友林業のCM転用リール戦略に比べやや遅かった可能性が高い。インフルエンサー施主とのコラボ企画も、競合のような派手な展開は控え、あくまで一般施主のUGC再投稿を主軸に据える保守的なスタンスを維持している。
現在の運用にも、初期からの『木目・自然光・ベージュ基調』というビジュアル文法は色濃く残っており、これは大和ハウスのコーポレートブランド『共に創る。共に生きる。』の世界観と地続きの継続テーマと推測される。投稿781件という積み上げ自体が、運用方針を頻繁に変えず長期コツコツ型を貫いた証左であり、トレンド追従よりブランド資産化を優先する企業文化が反映されていると読める。
フォロワー
17.3万