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注文住宅大手・一条工務店の公式アカウント。「家は性能。」というブランドメッセージを軸に、オーナー宅の外観・収納・暮らしの実例を発信し、検討層に向けた信頼性と具体性を両立させている。投稿はオーナー実例を主役に据えることで、カタログでは伝わらないリアルな住み心地と生活動線を可視化。UGCタグ「#みてみて一条」を設置し、契約後オーナーの投稿を巻き込むことで、ブランド側からの一方的訴求ではなく、実際に住む人の声を循環させる構造を作っている。住宅は検討期間が長く比較対象も多いため、HP誘導をbio最下部に置きつつ、まずはInstagram上で「自分が住んだら」のイメージを醸成する設計。性能訴求とビジュアル訴求を分離せず、実例の中に間取り・収納・性能の工夫を織り交ぜる構成で、機能と情緒の両面から検討を後押ししている。
不動産業界のフォロワー規模分布(業界平均: 7.3万)
オーナー宅の実写を主役に据え、自然光を活かした生活感のある写真を中心に構成。木目フローリングや温白色照明、ベージュ・グレージュ系の住宅インテリアが画面を支配し、加工は最小限で素材の質感を生かす。サムネには明朝・ゴシック混在の日本語タイトルを白帯で重ね、「収納実例」「外観実例」といった検索性の高いラベルを配置。彩度を抑えた住空間特有の落ち着いたトーンで、生活者目線のリアリティと住宅メーカーの品格を両立させている。
オーナー宅の外観・収納実例ギャラリー
家づくりのポイント・住まいのヒント解説
リアルな暮らしぶりとライフスタイル提案
コンテンツの軸は「オーナー実例」一本に絞られており、外観実例・収納実例・住まいのヒントの3カテゴリを循環させる構成。投稿フォーマットは複数枚カルーセルが主体で、1枚目に俯瞰カット+訴求コピー、2枚目以降で間取り・収納の寄り・性能ポイントを段階的に開示し、最後にCTAやハッシュタグへ繋ぐ「カタログ的スワイプ体験」を作っている。
競合のハウスメーカー公式が「モデルハウス」「完成見学会」のスタジオ的訴求に寄るのに対し、一条は契約後の実居住宅をUGC的に引き出し、生活動線・収納量・経年の馴染みまで見せる点で差別化。「家は性能。」という硬派なメッセージを、数値スペックではなく実例の細部で立証する逆算設計が独自性を生んでいる。
エンゲージメント設計の核は独自タグ「#みてみて一条」によるオーナー巻き込み。契約者を「発信者」に変えることで投稿在庫が自走し、保存・シェアを促す「収納アイデア」「間取りの工夫」系で保存数を稼ぐ。カルーセル最終面で「HPはbioから」と誘導しつつ、急がせず「まずはイメージ醸成」に徹する長期検討型CTA。
住宅業界特有の「比較期間が1〜3年と長い」「カタログ情報では差別化しにくい」「来場ハードルが高い」課題に対し、Instagram上で疑似ショールーム体験を完結させる戦略で応答。性能という抽象概念をオーナーの生活シーンに翻訳し、検討初期の認知から比較検討期まで一気通貫で接点を保つ。
代理店への示唆は3点。第一に、高単価・長期検討商材はCV直結CTAより「自分ごと化」を優先し、bio動線を最小限に保つ勇気を持つこと。第二に、UGCタグはハッシュタグ単体で終わらせず、オーナー特典・公式リポスト・実例化までの導線を制度設計として組むこと。第三に、ブランドスローガンを連呼するのではなく、ユーザーの生活実例の中にスローガンの根拠を埋め込む「証拠主義」のコンテンツ設計が、検討層の信頼獲得に直結するという原則である。
オーナー実例を主役にした信頼性ある具体訴求
UGCタグ「#みてみて一条」でファン投稿を循環
性能ブランドメッセージと暮らし実例の両立
一条工務店のInstagram運用は、住宅メーカー公式アカウントが2010年代後半に一斉に開設された流れに乗り、当初はモデルハウス・完成見学会・展示場イベントの告知中心だったと推測される。その後、2020年前後のコロナ禍で来場型営業が制限されたことを契機に、オーナー実例ベースの『疑似ショールーム化』へ大きく舵を切ったフェーズが存在した可能性が高い。現在の『家は性能。』を実例で立証する構成は、来場前にInstagramで意思決定の8割を済ませる検討行動の変化に最適化された第3フェーズと位置づけられる。
初期は外観カットや施工事例の単発投稿、その後カタログ的なスペック訴求カルーセル、リール短尺ルームツアーなど複数フォーマットを試行した形跡が推測される。最終的に『1枚目俯瞰+訴求コピー→寄りカット→性能ポイント→CTA』のカタログ的スワイプ構成に収斂しており、検討期間が長い住宅特有の『じっくり読ませる』情報設計へ最適化された軌跡が見える。
同業他社と比較して『早かった』のはUGCタグ『#みてみて一条』の制度化で、ハウスメーカー業界がモデルハウス中心の発信に留まる中、契約者を発信者化する仕組みを早期に確立した点は先行的。一方『遅かった』可能性があるのはリール強化で、住宅系インフルエンサー個人がルームツアー動画で先行する中、公式は静止画カルーセル優位の体制を長く維持してきたと推測される。
現在の運用にも残る過去の名残として、サムネの白帯+日本語タイトル(『収納実例』『外観実例』等)の検索性重視ラベリングは、初期のカタログ的情報整理思想の継承。また『家は性能。』のスローガン軸足は創業来のブランド資産であり、Instagram上でも数値ではなく実例の細部で性能を語る『証拠主義』として継続テーマ化している。オーナー実例一本に絞る潔さも、複数フォーマット試行期を経て獲得した運用哲学の名残と言える。
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