UNITED ARROWSのInstagram運用を分析|伸びている理由と、真似できるポイント【2026年版】
2026/9/14
UNITED ARROWSのようなアパレル企業のSNS運用を見て「うちの規模ではとても真似できない」「投稿のクオリティも予算も違いすぎる」と感じたことはないでしょうか。ブランド公式アカウントを運営していると、フォロワー数やいいねの数といった「見えている結果」ばかりに目が行きがちですが、実は結果の裏には再現可能な「型」が存在します。
この記事では、実在するアパレル企業UNITED ARROWSのInstagram運用を、公開されている投稿内容やアカウント構成、業界の一般的な知見をもとに分析します。なお、フォロワー数やエンゲージメント率などの非公開・常に変動する数値については、確証のあるデータがないため本記事では扱いません。あくまで「なぜこのアカウントが支持されているのか」という構造と、それを自社アカウントにどう落とし込めるかという実践面にフォーカスします。
なぜ「UNITED ARROWSのSNS運用」が参考になるのか
UNITED ARROWSは、UNITED ARROWS本店に加えて「green label relaxing」「BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS」といった複数のブランドラインを展開し、それぞれに合わせたブランディングを行っている企業です。単一の企業アカウントだけでなく、ブランド・業態・店舗単位でアカウントを分けて運用している点が特徴で、これは中小企業や個人店舗のSNS担当者にとっても応用しやすいモデルです。
アパレル業界全体を見ても、SNSとECの連携は年々重要性を増しています。経済産業省「電子商取引に関する市場調査」によれば、衣類・服装雑貨等分野のBtoC-EC化率は近年20%台前半で推移しており、実店舗とオンラインを横断した購買行動が一般化しています。つまり、SNS上での見せ方が実店舗・ECの売上に直結する構造ができあがっているということです。UNITED ARROWSのような企業がSNS運用に力を入れる背景には、こうした業界構造の変化があります。

UNITED ARROWSのアカウント構成から見える「分散戦略」
UNITED ARROWSのSNS運用でまず注目すべきは、1つのアカウントにすべてを詰め込むのではなく、目的別にアカウントを分けている点です。ブランドライン単位・店舗単位でアカウントを持つことで、それぞれのフォロワーが「自分に関係のある情報」だけを受け取れる設計になっています。
| アカウントの単位 | 想定される役割 | 発信されやすい内容 |
|---|---|---|
| ブランド公式(UNITED ARROWS等) | ブランド全体の世界観発信 | シーズンビジュアル、コレクション、コラボ情報 |
| ブランドライン別(green label relaxing等) | ターゲット層に合わせた訴求 | 価格帯・客層に合わせたコーディネート提案 |
| 店舗・スタッフ単位 | 地域顧客との接点づくり | スタッフの私服・接客エピソード、入荷情報 |
この構造の利点は、大きなブランドイメージは本部が管理しつつ、現場に近い情報は店舗やスタッフが発信できることです。中小企業では複数アカウントを持つことが難しい場合もありますが、「誰に何を届けたいか」で投稿内容を意識的に分ける、という発想自体は1アカウントでも応用できます。
投稿の型を分解する:伸びやすい投稿に共通する要素
アパレルブランドのSNS投稿を分析すると、反応を得やすい投稿にはいくつかの共通パターンがあります。UNITED ARROWSの発信にも見られる、業界で広く採用されている型を整理すると次のようになります。
- スタッフ・実在の人物が着用したコーディネート紹介:モデル撮影だけでなく、実際に働くスタッフが私服や店頭コーディネートを紹介する投稿は、商品情報だけでなく「着こなしのイメージ」を具体的に伝えられます。
- シーズン・気温に合わせた提案型投稿:「今週の気温に合う一着」のように、生活シーンに寄り添ったタイミングでの投稿は保存されやすい傾向があります。
- 新作・別注商品の背景説明:ただ商品を並べるのではなく、開発背景やこだわりを添えることで、フォロワーが「情報として読みたくなる」投稿になります。
- リールでの着回し・スタイリング動画:静止画では伝わりにくい素材感やシルエットの動きを見せる投稿です。
総務省「令和6年版 情報通信白書」でも、SNSの中でもInstagramは画像・動画を用いた情報発信・収集のプラットフォームとして幅広い年代に利用されていることが示されており、特にファッションのようにビジュアルで判断される商材との相性の良さが指摘されています。
世界観のつくり方:ブランドラインごとにトーンを変える
UNITED ARROWSのようにブランドラインを複数持つ企業の強みは、「1つの世界観を全方位に見せる」のではなく、「ブランドラインごとに異なるトーンを設定する」ことができる点です。フォーマル寄りのラインではきちんと感のある写真、カジュアルラインでは日常に近い雰囲気の写真というように、写真の色味・構図・キャプションの文体を変えることで、それぞれのターゲット層に「自分ごと」として受け止めてもらいやすくなります。
これは1アカウントしか持たない企業でも応用可能です。すべての投稿を同じテンションで作るのではなく、「新作紹介の投稿」「スタッフの人柄が伝わる投稿」「お客様の声を紹介する投稿」など、投稿の目的ごとにトーンを微調整するだけでも、アカウント全体に奥行きが生まれます。
エンゲージメントを生む仕掛け:スタッフ発信とUGCの活用
アパレル企業のSNS運用において、スタッフ個人の発信は重要な役割を果たします。UNITED ARROWSに限らず、多くのアパレル企業が「スタッフのコーディネート紹介」をECサイトやSNSと連動させる取り組みを行っており、これは「誰が着ているか」という情報が購買判断に影響しやすいアパレル特有の事情によるものです。
また、購入した顧客が自身のSNSでブランドの商品を紹介する、いわゆるUGC(ユーザー生成コンテンツ)も、ブランド公式が発信する情報より信頼性が高く受け止められやすいとされています。公式アカウントが顧客の投稿を紹介する・タグ付けを促すといった仕掛けは、フォロワーとの双方向の関係づくりに寄与します。
ICT総研が毎年公表している「SNS利用動向に関する調査」でも、Instagramは友人・知人だけでなく企業やブランドの発信をフォローして情報収集する用途で広く使われているサービスとして位置づけられており、企業とユーザーの距離が近いプラットフォームであることがうかがえます。
リール・ストーリーズ・EC連携という「動線設計」
投稿の内容だけでなく、フィード投稿・リール・ストーリーズをどう使い分けるかという「動線設計」も重要なポイントです。一般的なアパレル企業のSNS運用では、次のような役割分担がよく見られます。
- フィード投稿:世界観の蓄積・アカウントの「顔」となる投稿。ブランドイメージを保つための審美性を重視。
- リール:新規フォロワー・非フォロワーへのリーチ拡大を狙う投稿。トレンドの音源や着回し動画で発見されやすくする。
- ストーリーズ:入荷速報やセール情報など、鮮度が求められる情報。ECサイトへのリンク誘導もここで行う。
こうした使い分けにより、「認知(リール)→ブランド理解(フィード)→購買行動(ストーリーズ・EC連携)」という一連の動線を作ることができます。SNSを単なる情報発信の場ではなく、購買までの導線の一部として設計している点が、成果につながりやすい企業に共通する考え方です。
明日から試せる!自社アカウントに応用するためのチェックリスト
UNITED ARROWSの分析から見えてきたポイントを、規模に関わらず自社アカウントに落とし込むための具体的なチェックリストにまとめました。
- 投稿を「誰に届けたいか」で分類できているか(全投稿が同じターゲット・同じトーンになっていないか)
- スタッフや現場の人が登場する投稿を月に数本入れているか
- 新作・商品紹介の投稿に「なぜこの商品なのか」という背景情報を添えているか
- フィード・リール・ストーリーズで役割を分けて使い分けているか
- 顧客が投稿してくれたコンテンツを紹介・リポストする仕組みがあるか
- ECサイトや店舗への導線(リンク・プロフィール誘導)が明確に設計されているか
- 季節・気温・イベントなど、生活のタイミングに合わせた投稿を用意できているか
まずはこの中から1〜2項目を選び、1ヶ月試してみて投稿の保存数やコメントの質に変化があるかを観察することをおすすめします。
中小企業・個人店舗が真似するときの注意点
UNITED ARROWSは複数ブランド・複数店舗を抱える企業であるため、そのままの体制を中小企業や個人店舗が再現することは現実的ではありません。重要なのは体制の規模ではなく、「情報を届ける相手ごとに投稿を設計する」という考え方そのものです。1人で運用しているアカウントでも、投稿ごとに「誰に」「何のために」見てもらいたいのかを意識するだけで、投稿の一貫性は大きく変わります。
また、無理に投稿頻度を増やしたり、流行のフォーマットを表面的に真似したりするよりも、自社・自店舗にしか出せない情報(スタッフの人柄、地域とのつながり、商品への想いなど)を軸に据える方が、長期的にはアカウントの独自性につながります。
まとめ
UNITED ARROWSのInstagram運用を分析すると、派手な施策よりも「アカウント構成の分け方」「投稿の型」「フィード・リール・ストーリーズの役割分担」といった、地道な設計の積み重ねが土台にあることが見えてきます。フォロワー数やエンゲージメント率といった数字は環境によって変動するため本記事では扱いませんでしたが、投稿の考え方そのものは業種・規模を問わず応用可能です。まずはチェックリストの中から取り組みやすい項目を選び、自社アカウントで試してみてください。
より詳しく他業種・同業種のSNS運用事例を知りたい方は、unyouの事例データベース/casesもあわせてご覧ください。実際の企業・店舗がどのような投稿設計やアカウント運用を行っているか、具体的な事例を確認できます。
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