ジェットスター・ジャパン(Jetstar Japan)のInstagram運用を分析|伸びている理由と、真似できるポイント【2026年版】
2026/9/25
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「うちのアカウントも、もっと『行きたい』を引き出す投稿ができないだろうか」——SNS担当者であれば、一度はそう感じたことがあるのではないでしょうか。特に旅行・観光・交通関連の業種では、単に商品やサービスを紹介するだけでは反応が伸びず、かといって毎回魅力的な写真や動画を用意するのも簡単ではありません。フォロワーとの距離感、世界観の統一、キャンペーンの設計……考えるべきことは山ほどあります。
そこで参考になるのが、LCC(格安航空会社)として日本国内外に多くの就航地を持つジェットスター・ジャパン(Jetstar Japan)の公式Instagramアカウント「@jetstar_japan」です。本記事では、公開されている情報をもとに同アカウントの投稿の型・世界観のつくり方・エンゲージメント施策を分解し、業種を問わず応用できるポイントに落とし込んでいきます。数字を誇張することなく、確認できる事実ベースで解説していますので、明日からの運用改善のヒントとしてお役立てください。
ジェットスター・ジャパンのInstagramアカウントの基本情報
ジェットスター・ジャパンの公式Instagramアカウントは「@jetstar_japan」というアカウント名で運用されており、プロフィール文言からは「"次に行きたい"が見つかる」というコンセプトのもと、就航地の魅力を伝えることを目的としていることが確認できます。投稿内容は、就航地の観光地・グルメ・風景といったビジュアルコンテンツを中心に、キャンペーン告知や、バウチャー払い戻しオプションなど利用者にとって実用性の高いサービス情報も織り交ぜて発信されています。
また、公式サイト(jetstar.com)では就航15周年を記念した特設ページを公開するなど、節目のタイミングに合わせてSNSとオウンドメディアを連動させる動きも見られます。LCCという「価格の安さ」が前面に出やすい業態でありながら、Instagram上では「次の旅先を探す」という体験価値の提案に軸足を置いている点が特徴的です。

投稿の「型」を分解する——就航地訴求×UGC×キャンペーン
公開されている投稿内容を観察すると、ジェットスター・ジャパンのInstagram運用にはいくつかの明確な「型」があることが分かります。大きく分けると、以下のようなパターンに整理できます。
| 投稿タイプ | 主な目的 | 特徴 |
|---|---|---|
| 就航地・観光地紹介 | 「次の旅先」の想起・検討喚起 | 現地の風景やグルメなどビジュアル重視の投稿 |
| UGCリポスト(ハッシュタグ企画) | エンゲージメント創出・信頼性向上 | 独自ハッシュタグ「#jettabi_japan」を付けた投稿の中から紹介 |
| プレゼント・フォロー&いいねキャンペーン | フォロワー増加・拡散 | 当選者にはDM(ダイレクトメッセージ)で連絡する運用 |
| サービス・制度の告知 | 利用者の不安解消・利便性訴求 | バウチャー払い戻しオプションなど実務的な情報発信 |
| 周年・季節イベント連動 | 話題化・ブランド想起 | 就航周年記念など公式サイトの特設企画と連動 |
このように役割の異なる投稿を意図的に組み合わせることで、「見て楽しい」投稿と「フォローする理由になる」投稿の両方をバランスよく配置しているのが特徴です。単一パターンの投稿を繰り返すのではなく、目的別に投稿タイプを設計しておくことは、業種を問わず参考にできる基本設計です。
世界観のつくり方:LCCらしい「気軽さ」とビジュアルの両立
Instagramは基本的にビジュアル重視のプラットフォームであり、旅行・航空業界との親和性が高いことは以前から指摘されています。実際、(公財)日本交通公社(JTB総合研究所)が公開しているJTBF旅行実態調査のトピックスでは、国内旅行における情報収集や写真投稿への意識・実態がまとめられており、SNSや旅行系ブログを情報収集に使う旅行者の割合は世代によって差はあるものの、若年層を中心に一定の割合を占めることが示されています。旅先の写真や体験がSNS上で共有されること自体が、次の旅行者の行動を後押しする構造がある、というわけです。
ジェットスター・ジャパンのアカウントも、就航地の風景写真を中心に「旅の気分が上がるビジュアル」を軸にしながら、LCCらしい気取らないトーンのキャプションを組み合わせています。高級ホテルや旅行代理店のような「非日常の贅沢さ」を訴求するのではなく、「気軽に行ける」「次の休みに使える」という距離の近さを感じさせる世界観づくりが特徴です。これは、価格訴求が強みのブランドが陥りがちな「安っぽく見える」というリスクを避けながら、ブランドの本質的な強み(手軽さ・身近さ)をビジュアルに翻訳している好例といえます。
エンゲージメントを生む仕組み:UGCキャンペーンとハッシュタグ設計
ジェットスター・ジャパンの運用でもう一つ注目したいのが、独自ハッシュタグ「#jettabi_japan」を活用したUGC(ユーザー生成コンテンツ)施策です。ユーザーが自身の旅行写真にこのハッシュタグを付けて投稿すると、公式アカウントで紹介される可能性がある、という仕組みは、フォロワーの投稿意欲を高めると同時に、公式アカウント側は撮影・編集コストをかけずに多様な旅先コンテンツを継続的に発信できるというメリットがあります。
また、フォロー&いいねキャンペーンのような施策では、当選者への連絡をダイレクトメッセージ(DM)で行う運用が確認できます。DMでのやり取りが発生することで、単なる一方通行の情報発信ではなく、ユーザーとの「個別のコミュニケーション接点」が生まれる点もポイントです。
これらの施策は、SNS上での情報収集を前提とした消費行動の広がりとも整合的です。PR TIMESに掲載された株式会社トリドリの調査レポートでは、旅行先選びにおいてSNSの情報を重視すると回答したユーザーが6割を超えたことが報告されています。「旅先を決める前にSNSでイメージを膨らませる」という行動が一般化しつつある中で、UGCを起点に「自分ごと化」できる投稿を増やすことは、単なる話題づくりを超えた実利的な施策だといえます。
なぜ航空会社にとってInstagram運用が重要なのか——データで見る背景
ここで改めて、SNS運用が旅行・航空業界にとってなぜ重要なのか、公開されている統計データから確認しておきます。
総務省「令和7年版情報通信白書」によれば、2024年時点での国内のSNS全体の利用率は81.9%に達しており、LINEの利用率は2014年の55.1%から2024年には94.9%まで拡大しています。X(旧Twitter)やInstagramについても全体の半数程度が利用していると報告されており、50代でも4割以上が利用するなど、SNSはもはや若年層に限らない生活インフラの一部になっていることが分かります。
Instagramそのものの規模感について、運営元のMeta(旧Facebook Japan)は2019年6月、日本国内の月間アクティブアカウント数が3,300万を突破した(2019年3月時点)と公式発表しています。同発表では、国内利用者は男性43%・女性57%という構成であることや、デイリーアクティブアカウントの70%がストーリーズ機能を利用していることも明らかにされました。その後もサービス利用は拡大を続けていると見られていますが、本記事では公式に確認できる発表値として2019年時点の数値を引用しています。
こうした利用者基盤の広さに加え、前述の(公財)日本交通公社によるJTBF旅行実態調査や、PR TIMES掲載のトリドリ社調査が示すように、旅行という「検討期間が長く、事前の情報収集行動が発生しやすい」消費行動において、SNS、とりわけビジュアル訴求力の高いInstagramは重要な接点になっています。航空会社やLCCにとって、Instagramは単なる広報チャネルではなく、「まだ旅行先を決めていない潜在顧客」に接触できる数少ないチャネルの一つだと捉えることができます。
他業種・他店舗が真似できる具体的ポイント【明日から試せるチェックリスト】
ジェットスター・ジャパンの運用から読み取れる要素は、航空会社に限らず、店舗や中小企業のSNS運用にも応用可能です。以下のチェックリストを参考に、自社アカウントの棚卸しをしてみてください。
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投稿の役割を最低3種類に分けて設計する 「集客・想起(ビジュアル訴求)」「信頼・共感(UGC・お客様の声)」「実務・利便性(制度・サービス案内)」のように役割を分けて投稿カレンダーを組む。すべての投稿を「宣伝」にしないことがポイント。
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独自ハッシュタグを1つ決めて、プロフィールと投稿キャプションに固定表示する 「#jettabi_japan」のように短く覚えやすいハッシュタグを設定し、ユーザーが投稿したくなる理由(紹介される可能性がある、など)を明示する。
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UGCを紹介する際のルールを事前に文書化する 投稿を無断転載しない、必ずクレジット表記や許諾確認を行うなど、著作権・肖像権に配慮した運用フローを整備してから始める。
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キャンペーンの当選連絡はDMなど個別接点を活用する 懸賞アカウント化を防ぐためにも、当選連絡だけでなく、コメント返信やDMでの丁寧なコミュニケーションを意識する。
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価格・機能訴求とビジュアル訴求のバランスを取る 「安さ」「スペック」だけを押し出すのではなく、利用後の体験(旅先での時間、気分の高まりなど)を想起させるビジュアルを混ぜる。
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季節・周年などの「乗っかれるタイミング」をあらかじめリスト化しておく 周年記念やシーズンイベントに合わせて、公式サイトの特設ページとSNS投稿を連動させるだけでも、話題化の機会が増える。
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月1回、投稿タイプ別の反応(保存数・コメント・シェアなど)を振り返る 「どの型が伸びているか」を定点観測し、伸びている型への配分を増やす。感覚ではなく記録に基づいて改善する。
これらは特別なツールや大きな予算がなくても、明日から着手できる項目ばかりです。まずは自社の直近の投稿を上記の観点で分類してみることから始めるとよいでしょう。
運用でつまずきやすいポイントと注意点
一方で、真似をする際に注意したい点もあります。まず、UGCを活用する施策は「投稿してもらえる理由」がなければ機能しません。ジェットスター・ジャパンの場合は「就航地の魅力を発信するメディア」としての世界観が土台にあるため、ユーザーが自分の旅行写真を投稿する動機が成立しています。世界観の設計が曖昧なままハッシュタグだけ用意しても、投稿は集まりにくいでしょう。
また、キャンペーン施策は景品表示法など関連法令への配慮が欠かせません。当選確率や参加条件を明示し、誇大な表現を避けることは、業種を問わず徹底すべき基本です。加えて、UGCの二次利用にあたっては、投稿者への許諾確認や規約への明記など、著作権・肖像権への配慮を運用フローに組み込んでおく必要があります。
そして何より、こうした投稿の型やキャンペーン施策は、単体で成果を保証するものではありません。あくまで「情報収集段階の潜在顧客との接点をどうつくるか」という設計思想の一部として捉え、自社の商材やフォロワー層に合わせて調整していくことが重要です。
まとめ
ジェットスター・ジャパンのInstagram運用は、①投稿タイプを役割別に設計している、②独自ハッシュタグを軸にしたUGC施策でエンゲージメントと投稿ネタの両方を確保している、③LCCらしい気軽さとビジュアル訴求を両立する世界観をつくっている、④周年・季節イベントと公式サイトを連動させて話題化のタイミングを逃さない、という点に特徴があります。
総務省の情報通信白書やMetaの公式発表、旅行業界の各種調査が示すとおり、SNS、とりわけInstagramは旅行検討段階の生活者との重要な接点になっています。今回整理したチェックリストを参考に、自社アカウントの投稿を「役割別」に見直すところから始めてみてはいかがでしょうか。
より多くの業種・業態のSNS運用事例を知りたい方は、SNS運用事例データベース「unyou」の事例一覧ページもあわせてご覧ください。旅行・観光業界をはじめ、さまざまな企業アカウントの運用の工夫を横断的に比較できます。
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