ゴンチャ(Gong cha Japan)のInstagram運用を分析|伸びている理由と、真似できるポイント【2026年版】
2026/9/24
「ゴンチャっぽい投稿」が作れない、と悩んでいませんか
飲食・カフェ業態のInstagram担当者から、よくこんな相談を受けます。「新商品は毎回ちゃんと投稿しているのに、いいねもコメントも伸びない」「世界観を統一したいけれど、何を基準に統一すればいいのか分からない」「キャンペーンをやってもフォロワーが増えるだけで、来店にはつながっている気がしない」。真面目に運用しているのに手応えが薄いというのは、SNS担当者が最も消耗するパターンです。
こうした悩みを解くヒントは、すでに結果を出している実在アカウントの「型」を分解することにあります。今回はタピオカドリンクで知られる台湾発ブランド「ゴンチャ(Gong cha Japan)」の公式Instagram運用を題材に、投稿の型・世界観のつくり方・エンゲージメント施策を分解し、店舗数や予算規模が異なる企業でも応用できるポイントに落とし込みます。なお本記事では、根拠が確認できないフォロワー数やエンゲージメント率などの数値は掲載せず、公開情報と統計データのみをもとに解説します。

ゴンチャ(Gong cha Japan)はどんなブランドか
ゴンチャは台湾発のティーカフェブランドで、日本では「Gong cha Japan」が展開しています。業界メディア「ビジネスチャンス」の取材記事によれば、日本上陸から10年で176店舗まで店舗網を拡大したと報じられており、着実に出店ペースを積み上げてきたブランドであることがわかります(出典:ビジネスチャンス「【ゴンチャ ジャパン】日本上陸10年で176店舗まで拡大」)。
さらに流通業界の専門メディア「流通ニュース」では、ゴンチャが「顧客もスタッフもファン化」を経営の重点方針に掲げ、2028年に客数6000万人・400店舗体制を目指す構想が報じられています(出典:流通ニュース「ゴンチャ/顧客もスタッフもファン化、28年客数6000万人・400店舗体制へ」)。この「ファン化」という言葉が、SNS運用の設計思想を理解するうえで重要なキーワードになります。単に商品を告知するアカウントではなく、顧客との継続的な関係構築を狙った運用だと読み取れるからです。
また、ゴンチャはInstagramなどのオウンドメディアだけでなく、飲料メーカーのキリンビバレッジと協業し、2024年7月からセブン‑イレブン限定でPETボトル飲料を発売しています(出典:食品新聞「『ゴンチャ』タピオカミルクティーのイメージ超える挑戦 日本初のPET飲料」)。これは店頭以外の接点拡大とブランドイメージ向上を狙った施策であり、SNS上のブランディングとも地続きの戦略と位置づけられます。
なぜ「タピオカ専門店」というポジションが強みになるのか
ゴンチャの商品軸で特徴的なのは、パール(タピオカ)そのものへのこだわりを繰り返し発信している点です。公開情報によれば、パールは台湾から仕入れ、賞味期限はわずか5時間という短さで、店舗ごとに毎日手作りしているとされています。この「毎日手作り・鮮度重視」というファクトは、コモディティ化しやすいタピオカドリンク市場において、他チェーンとの差別化ポイントとして機能します。
SNS運用の観点で重要なのは、この差別化ポイントを一度きりの告知で終わらせず、繰り返しさまざまな角度から発信している点です。例えば11月9日の「タピオカの日」に合わせて、現役クルーがおすすめのカスタム方法を紹介する投稿を行うなど、記念日・季節イベントに商品の強みを乗せる発信パターンが見られます。「商品の強み」を単発の告知で終わらせず、年間を通じて何度も違う切り口で語り直すという考え方は、業種を問わず応用できる型です。
投稿の「型」を分解する
ゴンチャのSNS発信を見ていくと、大きく4つの投稿パターンに整理できます。
1. 新商品・季節限定メニューの告知 定番の型ですが、単なる商品写真だけでなく、味の特徴やおすすめの飲み方まで踏み込んで説明する投稿が中心です。
2. カスタムオーダーの提案 ドリンクの甘さ・氷の量・トッピングを選べるカスタマイズ性は、台湾ティーカフェ業態の大きな特徴です。「ブラックパールとホワイトパールを両方乗せるWパールトッピング」のように、公式ならではの「通な楽しみ方」を提案する投稿は、単純な商品紹介より保存・シェアされやすい傾向があります。
3. ユーザー参加型の企画(Q&A形式) 「教えてゴンチャ」のように、フォロワーから質問をリプライで募集する企画も実施されています。「タピオカ以外に何がある?」「初めて行くとき、何を頼めば失敗しない?」といった、来店前の不安や疑問に公式が直接答える設計は、フォロワーとの心理的距離を縮める施策として機能します。
4. 店舗・クルー起点の発信 特定店舗のスタッフが登場する投稿など、企業アカウントでありながら「人」が見える発信を織り交ぜている点も特徴です。チェーン店特有の「どこも同じ」という印象を和らげる効果が期待できます。
世界観のつくり方 — 統一感より「認識しやすさ」
多店舗展開する飲食ブランドのSNS担当者がよく陥る誤解に、「世界観の統一=おしゃれな写真で統一すること」というものがあります。しかし実際に重要なのは、フィードをスクロールしたときに「あ、ゴンチャだ」と一瞬で認識できるかどうかです。
ブランドカラーやロゴ、ドリンクのビジュアルパターンを一定のルールに沿って使い続けることで、投稿単体のクオリティに頼らずとも「見た瞬間に誰の投稿かわかる」状態をつくれます。これは大規模なクリエイティブ予算がなくても、ルールさえ決めてしまえば個人店舗規模のアカウントでも再現可能な考え方です。
エンゲージメントを生む仕掛け
ゴンチャの運用から抽出できるエンゲージメント施策のポイントは、次の3つに整理できます。
- 参加のハードルを極限まで下げる:「リプライで質問してください」のように、コメントやDMより心理的ハードルの低いリプライ形式でユーザー参加を促している
- 記念日・季節イベントへの便乗:「タピオカの日」のような業界的な記念日を、商品訴求の自然な文脈として活用している
- 商品知識の"裏側"を見せる:パールの賞味期限や仕込み方法など、通常は表に出ない情報を発信することで、ブランドへの信頼と愛着を高めている
これらはいずれも、大きな広告予算を必要とせず、投稿の企画力と一貫した継続で実現できる施策です。
データで見るSNS運用の重要性
こうした取り組みが「時流に合っている」ことは、公的統計や業界調査からも裏付けられます。
総務省が公表した「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によれば、全年代のInstagram利用率は52.6%で、10代〜30代では7割を超える水準にあります(出典:総務省「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」)。ドリンクスタンドやカフェの主要客層である若年層に対して、Instagramが依然として中心的な情報接点であることがわかります。
また、飲食店ドットコムが実施した「飲食店リサーチ」調査(PR TIMESにて配信)では、飲食店の82.6%が集客のためにSNSを活用しており、なかでも「集客・認知拡大・販促面で最も効果的なSNS」としてInstagramが48.3%で最多という結果が出ています(出典:飲食店ドットコム「飲食店のSNS活用状況を調査。インスタ活用は約8割」)。同調査では、SNS運用を自社で内製している飲食店が71.2%にのぼることも示されており、多くの店舗がゴンチャのような大手チェーンと同じ土俵で、自前の運用力を競っている実態が読み取れます。
| 情報源 | 内容 | 示唆 |
|---|---|---|
| 総務省 令和6年度情報通信メディア調査 | 全年代のInstagram利用率52.6%、10〜30代は7割超 | 若年層アプローチにInstagramは依然として有効 |
| 飲食店ドットコム「飲食店リサーチ」 | 飲食店の82.6%がSNS集客を実施、うちInstagramが最も効果的(48.3%) | 飲食業態でのInstagram運用は「やって当然」の水準に |
| ビジネスチャンス/流通ニュース | ゴンチャは日本上陸10年で176店舗、2028年に400店舗体制を目標 | 出店拡大と並行してファン化戦略・SNS発信を強化している |
明日から試せる実践チェックリスト
ゴンチャの運用から抽出したポイントを、明日から自社アカウントで試せる粒度に落とし込みました。
- 投稿カレンダーに「業界の記念日」を書き込む:自社商品に関連する記念日・季節イベントを年間で洗い出し、投稿企画の骨格として先に埋めておく
- 商品の「裏側情報」を1つ棚卸しする:仕入れ・仕込み・鮮度管理など、通常は発信していない裏側の情報を1つ選び、投稿ネタ化する
- リプライ形式のQ&A企画を1回試す:「気になることを教えてください」と投げかけ、コメントよりハードルの低いリプライで質問を募る
- ブランドカラー・ロゴの配置ルールを1枚のガイドにまとめる:投稿担当者が複数人いても、統一感を保てる最低限のルールを言語化する
- カスタマイズ・楽しみ方の提案投稿を月1本入れる:定番商品でも「こういう楽しみ方がある」という切り口で再訴求する
- 店舗・スタッフが登場する投稿を月1本入れる:チェーン店らしさを和らげ、「人」が見える発信を混ぜる
飲食・店舗業態がやりがちな失敗と回避策
Instagram運用でつまずきやすいのは、次のようなケースです。
新商品告知だけで手一杯になる:投稿が「新商品のお知らせ」に偏ると、フォロワーにとって"見なくてもいい広告"になってしまいます。裏側情報やカスタム提案など、告知以外の投稿タイプを意図的に混ぜることが重要です。
世界観を「おしゃれさ」だけで判断してしまう:写真のクオリティより先に、ブランドカラーやロゴの使い方といった「認識しやすさのルール」を決めることが、限られたリソースで統一感を出す近道です。
キャンペーンをフォロワー数目的にしてしまう:フォロー&いいねキャンペーンはフォロワー数を一時的に増やせますが、来店や購買につながらないケースも少なくありません。Q&A企画のような双方向コミュニケーションのほうが、中長期的なファン化には効果的です。
同業種・異業種を問わず、こうした失敗パターンとその回避策は、unyouの事例データベース(https://unyou.media)でも多数の実例とともに紹介しています。自社の業態に近いアカウントの成功パターン・失敗パターンを照らし合わせることで、より再現性の高い改善につなげられます。
まとめ
ゴンチャ(Gong cha Japan)のInstagram運用を分解すると、特別な裏技があるわけではなく、「商品の強みを繰り返し語り直す」「参加のハードルを下げたユーザー参加型企画を行う」「ブランドを一瞬で認識できる最低限のルールを守る」といった、地道な積み重ねが土台になっていることがわかります。総務省や業界調査が示す通り、飲食業態にとってInstagramはすでに「やって当然」のチャネルになりつつあり、だからこそ他社と同じことをしているだけでは埋もれてしまいます。ゴンチャの事例から抽出した型やチェックリストを、自社の商品特性・店舗規模に合わせて調整しながら、明日からの投稿企画に取り入れてみてください。
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