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NTTドコモ公式アカウント。bioに「ドコモキャラクターの日常や皆さまの素敵なお写真を配信」「#ドコモとつながる を付けて投稿してください」とある通り、自社キャラクター(ドコモダケ等)を主役にした親しみやすい世界観と、ハッシュタグを活用したUGC(ユーザー投稿写真)のリポストという二軸構成。通信キャリアという硬めのBtoC事業ながら、製品スペックや料金訴求を前面に出さず、キャラクターの日常風景とユーザーの暮らしの瞬間を並置することで、生活インフラとしての距離感の近さを演出している。フォロワー38万・投稿543件という規模感から、量より質で世界観の一貫性を保つ方針が見える。差別化ポイントは「企業発信×ファン参加型」のハイブリッド。広告色を消し、ユーザーが投稿したくなる動機づけ(公式アカウント掲載のチャンス)をエンゲージメント設計の軸に据えている点が、同業他キャリアの新製品・キャンペーン中心の運用と一線を画す。
BtoB業界のフォロワー規模分布(業界平均: 3.2万)
ドコモレッドを差し色に、白・パステル基調の柔らかな配色でキャラクター(ドコモダケ)の丸みあるシルエットを引き立てる。写真は自然光多めのライフスタイル系で、彩度を抑えた優しい質感。フォントはゴシック細字で余白を広く取り、企業公式らしさを残しつつ堅さを排除。UGCリポスト時も統一感を保つトリミングと淡いトーン補正で世界観を維持している。
ドコモキャラクターの日常シーン(季節・イベント連動)
ユーザー投稿写真のキュレーション・リポスト
全国の風景・暮らしを切り取ったファン参加型フォトギャラリー
コンテンツ軸は「ドコモキャラクター(ドコモダケ等)の日常スナップ」と「#ドコモとつながる で集めたユーザー投稿のリポスト」の二本柱。季節の風景・空・食卓・旅先といった生活密着シーンが中心で、単写真・カルーセル形式が多く、リールは控えめ。製品やキャンペーンの直接訴求はほぼゼロという通信キャリアとしては異例の編成。
競合のau・ソフトバンクが新機種・料金プラン・タレント起用キャンペーン中心の「広告メディア型」運用なのに対し、ドコモは「ブランド体験メディア型」に振り切っている点が最大の差別化。キャラクターIPを擬人化された生活者として配置し、ユーザーと同じ目線に立つことで、巨大インフラ企業の威圧感を中和している。
エンゲージメント設計の核は「掲載されるかも」という参加インセンティブ。ハッシュタグ投稿のリポストを前提にした設計で、ユーザー側に投稿動機が生まれ、UGCが自走する好循環を作っている。CTAは強い購買誘導ではなく「投稿してね」という関係性構築型。カルーセルは複数枚で物語性を持たせ、保存・再訪を促す構造。
BtoCインフラ企業共通の課題である「生活インフラ化による無関心」「価格競争による情緒価値の希薄化」に対し、製品ではなくキャラクターと生活シーンを資産化することで、機能ではなく情緒で想起される存在を目指している。料金や速度で語らないからこそ、料金改定や障害時にも炎上耐性のある「好意残高」を蓄積できる構造。
代理店への示唆は3点。第一に、大企業案件では「広告枠」発想を捨てキャラクターIP・UGC収集の場へ再定義する勇気を持つこと。第二に、KPIを純広告的なリーチではなく、ハッシュタグ投稿件数や保存率など関係性指標に再設計すること。第三に、世界観の一貫性をUGC選定基準として明文化し、リポスト時のトーン補正ガイドラインを運用に組み込むこと。短期売上ではなくブランド資産の長期積み上げを提案できるかが、大型クライアント獲得の分水嶺になる。
自社キャラクター(ドコモダケ等)を擬人化主役にして企業色を中和
#ドコモとつながる でUGC収集→公式リポストの参加型導線を構築
通信事業のスペック訴求を排除し生活密着の世界観で長期ファン化
NTTドコモのInstagram運用は、通信キャリア業界のSNS活用史を象徴する変遷を辿ってきたと推測される。
開設初期(2014〜2016年頃と推測)は、他キャリア同様に新機種発表・料金プラン告知・dポイントキャンペーンといった『広告掲載板』としての運用が中心だったと考えられる。当時はまだInstagramを企業ブランディングに使う発想自体が日本企業に浸透しておらず、Twitter的な情報配信の延長線上で運用されていた可能性が高い。中期(2017〜2019年頃)にはタレント起用キャンペーンや季節イベント告知を絡めた『広告メディア型』に発展したと推測されるが、auの三太郎・SoftBankの白戸家といった強力なキャラクターIPを持つ競合に対し、ドコモは長年『顔』となるキャラクター不在に苦しんだ歴史がある。
転機となったのが既存IPである『ドコモダケ』(2004年誕生)のInstagram上での再資産化と推測される。当初は単発のキャンペーン素材に過ぎなかったドコモダケを、生活シーンに溶け込む擬人化キャラクターとして日常スナップの主役に据える編集方針への転換は、試行錯誤の末に辿り着いた解と見られる。同時に『#ドコモとつながる』を軸としたUGCリポスト体制を構築し、企業発信一辺倒から参加型へとシフトした。
同業界比較では、ブランド体験メディア化への踏み切りは『遅かった』が、踏み切った後の徹底度では『早かった』と言える。au・ソフトバンクが現在も新機種・料金訴求とブランド企画を併走させる中、ドコモは料金訴求を本アカウントから切り離す思い切った編成に振り切っており、これは国内通信キャリアでは異例の判断と推測される。
現在も残る過去の名残として、ドコモレッドを差し色に留める配色規律、企業公式らしいゴシック細字の使用、UGC選定時の世界観統一トリミングなどに『公式アカウントとしての規律』が継続テーマとして息づいている。広告色を消しながらも完全にカジュアル化しない絶妙な距離感は、長年のマス広告運用で培われたブランド管理ノウハウの結晶と考えられる。
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