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JTBの公式アカウントとして、旅行欲を喚起するビジュアル訴求に特化した運用を展開。bioで「旅に行きたくなる情報や綺麗な景色」と明確にコンセプトを宣言し、世界各地の絶景・観光地写真を中心に投稿することで、潜在的な旅行検討層の心を掴む設計になっている。特筆すべきは「#joytb」によるUGC活用戦略で、ユーザー投稿を公式アカウントで紹介する仕組みにより、フォロワー参加型のコミュニティを形成。25万人超のフォロワーと1008投稿という蓄積から、長期的かつ継続的な運用姿勢がうかがえる。旅行代理店という業種特性を活かし、直接的な商品訴求よりも「旅への憧れ」を醸成するブランディング型の運用で、潜在ニーズを掘り起こし最終的に予約行動へ繋げる導線設計が秀逸。公式認証バッジによる信頼性も、旅行という高単価商材において重要な差別化要素となっている。
旅行業界のフォロワー規模分布(業界平均: 10.6万)
世界各地の絶景・観光地を切り取った旅情豊かな写真が主軸。彩度を抑えすぎず、空の青や夕焼けのオレンジ、海のターコイズなど自然光の発色を活かした透明感のあるトーンで統一。文字情報は最小限に抑え、被写体である風景そのものに語らせる構成。公式認証バッジと「JTB」ロゴ以外の装飾はほぼ排除し、フィード全体が一冊の旅行写真集のような没入感を演出している。
世界・国内の絶景スポット紹介
季節ごとの旅先提案・観光情報
ユーザー投稿リポストによる旅の体験シェア
コンテンツ軸は明確に「旅に行きたくなる景色」一点突破型。商品案内・ツアー告知・セール情報といった販促色を極力排し、世界各国の絶景・街並み・自然・季節風景を一枚絵フォトとして提示する単写真フォーマットを基本にしている。1,008投稿という蓄積はそのまま「JTBが提案する旅先カタログ」として機能し、ユーザーがフィードをスクロールするだけで旅行欲が刺激される設計だ。
競合のHIS・近畿日本ツーリスト・楽天トラベル等が「価格」「キャンペーン」「ツアー比較」を打ち出すなか、JTBは敢えて販売情報を切り離し、純粋なビジュアルブランディングに振り切っている点が決定的な差別化。総合旅行代理店という総合力を背景に、「具体的な商品」ではなく「旅という体験価値」そのものをブランド資産化している。
エンゲージメント設計の核は「#joytb」UGCハッシュタグ戦略。ユーザーが撮影した旅写真を公式が二次紹介する仕組みは、(a)コンテンツ制作コストの削減、(b)被紹介ユーザーのロイヤリティ向上、(c)第三者視点の信頼性獲得を同時に達成する三重構造になっている。フォロー中0という設計も「公式は発信に徹する」というブランドの姿勢を明示し、UGC投稿者にとって「公式に取り上げられること」の希少性・名誉性を高めている。
旅行業界は「予約直前にしか情報接触されない」課題を抱えるが、JTBは需要顕在化前の潜在層に対し「いつか行きたい」感情を継続的にストックさせることで、検討時の第一想起ブランドの座を確保。25万人超という規模は単なる販促リーチではなく、潜在顧客への長期接触装置として機能している。
代理店が学べる戦略示唆は三点。第一に、ナショナルクライアントのSNS運用は短期CVではなく「想起資産の蓄積」をKPIに据えるべきであること。第二に、UGCハッシュタグは単なる収集装置ではなくコミュニティ運営の核として設計し、紹介選定基準・クレジット表記・継続性をブランドガイド化すること。第三に、公式認証×ビジュアル一貫性×沈黙のブランディング(過剰投稿しない節度)の組み合わせが、高単価商材の信頼性と憧れの両立に効くという点である。
#joytbハッシュタグでUGCを集約し、公式紹介でファン参加意欲を喚起
商品訴求より「旅したくなる感情」を醸成するブランディング重視の設計
公式認証+25万フォロワーの規模感で旅行業界の信頼基盤を確立
JTBのInstagram公式アカウントは、旅行業界全体がSNSマーケティングに本格参入した2014〜2016年頃に開設されたと推測される。当初は新商品・ツアー告知中心の販促型運用だった可能性が高いが、Instagramの『発見されるメディア』としての特性が顕在化した2017年前後から、徐々に風景写真中心のビジュアル訴求型へとピボットしていったと考えられる。コロナ禍(2020〜2022年)の旅行需要消失期には、『今行けないからこそ夢を見せる』巣ごもり需要対応として絶景投稿の比重がさらに高まり、現在の『旅行写真集』スタイルが確立されたと推測される。
過去にはおそらくキャンペーン告知・タイアップ投稿・著名人起用なども試行されたと見られるが、エンゲージメントが伸びにくく、結果として『単写真×絶景×最小限のキャプション』という現在の純粋ビジュアル路線に収斂したと推測される。#joytbのUGC施策も初期からあったわけではなく、ユーザー投稿文化が成熟してきた2018〜2019年頃に導入された可能性が高い。
同業他社比較では、HISや楽天トラベルが価格訴求・キャンペーン投稿を続けるなか、JTBは『販促色を捨てる』判断が比較的早かった点が特徴的。一方でリール・ショート動画への移行はやや慎重で、静止画一枚絵への信頼を崩さない姿勢から、動画シフトはむしろ業界内で『遅め』と評価される可能性が高い。TikTokなど新興プラットフォームへの公式展開も限定的で、Instagram内の世界観完結を優先している。
現在の運用に残る過去の名残としては、(a)公式認証バッジと『JTB』ロゴ以外の装飾を排した節度ある画面設計(老舗代理店としての品格を保つ意図と推測)、(b)フォロー中0という発信専用スタンス(公式メディア然とした初期からの方針)、(c)季節先取り型の投稿リズム(紙パンフレット時代からの旅行商材の販売サイクルを踏襲)が継続テーマとして観察される。
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