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DIESELの日本公式アカウント。bio「Discover The Royal D, Diesel 2026 Denim Campaign」が示す通り、デニムを核としたシーズンキャンペーン軸の発信が中心。グローバルブランドの世界観をそのまま日本市場へ橋渡しする役割を担い、単なる商品カタログではなく、キャンペーンビジュアル・ルックブック・アーティストやモデルとのコラボレーションを通じてブランドの「ラグジュアリーかつ反骨的」なアイデンティティを表現している。アパレル業界では商品訴求に偏りがちな中、DIESELはコレクションごとに統一されたアートディレクションを敷き、フィード全体を一つの作品集のように構築。投稿数2708件・フォロワー346万という規模感が示すように、長期にわたる世界観の積層がブランド資産化している点が、フォロワー獲得と他ブランドとの差別化に直結している。
アパレル業界のフォロワー規模分布(業界平均: 52.4万)
ブラック・インディゴ・スモーキーグレーを基調に、ハイコントラストな照明と粒子感あるフィルム調レタッチで官能性と硬質さを両立。タイポは細身サンセリフ大文字組みを多用し、ロゴと「D」マークを画面の主役に据える構成。被写体はモデルの汗・肌・デニムの繊維まで写すマクロカット中心で、編集はキャンペーン単位でアートディレクションが厳密に統一され、フィード全体が一冊のルックブックとして成立する。
新作デニムコレクションのキャンペーンビジュアル
アーティスト・モデル・著名人とのコラボレーション
ランウェイ・ショー・ポップアップなどブランドイベント
コンテンツの軸はシーズンキャンペーン単位で完全設計されており、現行の『The Royal D / 2026 Denim Campaign』のように1つのコンセプトを2〜3ヶ月かけてフィード全体で展開する。投稿フォーマットはキャンペーンメインビジュアル→モデル別ポートレート→ディテールカット→ムービー(リール)→店頭/イベント連動の順で連鎖し、単発の商品紹介はほぼ存在しない。
競合のラグジュアリーデニム勢(Levi's、Acne、Diorデニム)が『プロダクト×ライフスタイル』を訴求するのに対し、DIESELは『プロダクト×カルチャー/身体性』に振り切り、性的・反骨的・サブカル的記号を意図的に残すことで差別化。日本市場のアパレルが陥りがちな『コーデ解説・着回し提案』を一切採用せず、ブランドが客を選ぶ姿勢を貫いている。
エンゲージメントはリールでのキャンペーンフィルム(15-30秒、楽曲・音響を主役化)が拡散の核で、フィードは『止め画の強度』で保存・スクショを誘発する設計。カルーセルは複数モデル/複数アングルを束ねた『ルックブック型』が中心で、CTAは『Discover』『Shop now』程度に抑制、過剰な誘導をせずブランド距離感を保つ。
アパレル業界の課題である『投稿の商品カタログ化による飽き』『セール訴求依存による世界観毀損』『フォロワーは多いが熱量が薄い』という3点に対し、DIESELはキャンペーン制作費をフィード資産に転換することで解決。346万フォロワーという規模でもセール告知をフィードから排除し、ストーリーズ/ハイライトに分離する徹底ぶり。
代理店への示唆は3点。第一に『四半期ごとのキャンペーン設計をフィード設計と同期させる』運用思想——投稿カレンダーではなくアートディレクションカレンダーで動くこと。第二に『商品ではなく身体・素材・光を撮る』撮影ディレクションの優先順位転換。第三に『ブランドの不機嫌さ・選別性を残す勇気』——万人向けに親切にすると世界観が薄まる業界において、CTAを抑え説明を削ることが長期のブランド資産化に直結するという逆説の証明である。
シーズンキャンペーンを軸にフィード全体をアートブック化し、世界観を一貫させている
デニムというコアプロダクトを軸に、コラボ・カルチャー・ファッションへ多面展開している
グローバル本国のクリエイティブを踏襲しつつ日本語コピーで親近感を担保している
DIESELのInstagram運用は、推測を含めて4つのフェーズで変遷したと考えられる。第1期(2012〜2015頃)はグローバル本社のキャンペーン素材を日本語キャプションで転載する『翻訳運用』フェーズ。レンツォ・ロッソ体制下の挑発的広告(Be Stupid、Diesel Reboot)を日本向けに紹介する中継地点だった可能性が高い。第2期(2016〜2018頃)はNicola Formichetti退任後のブランド再構築期で、グレン・マーティンス就任(2020)前夜のアイデンティティ模索を反映し、商品単発投稿やキャンペーン断片の混在期だったと推測される。第3期(2020〜2022頃)はマーティンス体制でストリート/Y2K回帰と同期し、Bella HadidやTommy Cashら起用のバイラル設計に転換。第4期(2023〜現在)が現行の『シーズンキャンペーン完全連動・フィード=ルックブック』運用で、四半期単位のアートディレクション同期が確立した。
過去はおそらく『商品単品+価格』『ストア新規開店』『コラボ告知の単発』といったアパレル業界標準の投稿を試行していたが、世界観毀損とエンゲージ低下を経験し、現在はそれらをストーリーズ/ハイライトへ完全分離する判断に至ったと推測される。リールも初期は商品ハウツー的だった可能性があるが、現在はキャンペーンフィルムの抜粋・音響主役の短尺映像へ純化された。
同業界比較では、ラグジュアリー勢(Dior、Gucci)のフィード作品集化トレンドへの追随は『中庸〜やや早い』水準。一方でリール本格活用(2021〜)はZARA・H&Mなどマス勢より遅く、TikTok連動やUGC施策はUNIQLOや無印に比べ明確に遅い。日本のインフルエンサー起用も限定的で、グローバル基準の有名モデル中心という点で『ローカライズが遅い』運用と言える。
現在も残る過去の名残として、Diesel伝統の『性的・反骨的・サブカル記号』を排除せず継承している点(2000年代Be Stupid期のDNA)、ロゴ・Dマークを画面主役に据えるタイポ設計(80〜90年代ブランディング遺産)、コーデ解説を一切排除する『ブランドが客を選ぶ』姿勢(レンツォ・ロッソ哲学)が継続テーマとして明確に残存している。
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