東京タワー(TOKYO TOWER)のInstagram運用を分析|伸びている理由と、真似できるポイント【2026年版】
2026/9/25
「うちのアカウントも同じ写真の繰り返しに見えて、フォロワーが増えない」「観光地でも店舗でも、映える投稿ネタが尽きてしまった」——SNS担当者からよく聞く悩みです。特にランドマークや施設系のアカウントは、投稿できる「被写体」が物理的に一つしかないため、ネタ切れやマンネリ化に悩みやすいという構造的な難しさを抱えています。
そこで参考になるのが、実在するランドマーク「東京タワー」の公式Instagramアカウント(東京タワー / Tokyo Tower®︎)です。被写体は常に同じ「塔」でありながら、時間帯・季節・イベントごとに表情を変え、ユーザーとの共創も取り入れながら世界観を維持し続けています。本記事では、公開されている情報とアカウントの投稿傾向をもとに、東京タワーのInstagram運用を分解し、企業・店舗アカウントが明日から応用できるポイントに落とし込みます。なお、フォロワー数やエンゲージメント率など確証の持てない数値は本記事には記載していません。
なぜ「東京タワー」のInstagram運用を分析する価値があるのか
東京タワーは1958年の開業以来、東京のシンボルとして親しまれてきた建造物です。SNS上での強みは、知名度の高さだけではありません。むしろ注目すべきは「毎日投稿しても同じ景色に見えない」ための工夫を、ライティング・構図・企画の3方向から積み重ねている点です。
多くの企業アカウントは「投稿するネタがない」という壁にぶつかります。しかし東京タワーのように"変わらない被写体"を持つアカウントが、それでも飽きさせない運用を続けているという事実は、店舗・観光施設・BtoC企業など、同じく固定の商品やロケーションを扱うアカウント運営者にとって非常に実践的な示唆を与えてくれます。

東京タワー公式アカウントの投稿の"型"を分解する
観察できる投稿の傾向を整理すると、大きく5つの型に分類できます。
| 投稿の型 | 内容の特徴 | 得られる効果 |
|---|---|---|
| 定点×時間帯の切り取り | 朝焼け・夕景・夜景など同じ塔を異なる光で見せる | 「毎回違う景色」という新鮮さの演出 |
| 季節・イベント装飾 | 桜、紅葉、ハロウィン、クリスマスなど季節限定のライトアップや装飾 | 季節ごとの再訪・再注目のきっかけ作り |
| UGC(ユーザー投稿)の紹介 | 来訪者が撮影した写真を公式が取り上げる企画 | フォロワーの「載せてもらえるかも」という投稿意欲の喚起 |
| コラボ・特別企画の告知 | 期間限定ライトアップ、他コンテンツとのコラボ演出などの案内 | 話題性の創出と新規層への露出 |
| ブランド世界観の一貫した発信 | ロゴカラーである赤白の塔をベースにした統一感あるビジュアル | アカウント全体の"らしさ"の定着 |
ポイントは、どの型であっても「東京タワーというシンボル」を軸から外さないことです。企画やコラボで話題性を作りつつも、投稿の中心には必ず塔そのものの姿があるため、フォロワーがフィードをスクロールしたときに一目でアカウントを認識できます。
世界観のつくり方|「変わらない主役」と「変化する演出」の使い分け
東京タワーのライトアップは、照明デザイナーの石井幹子氏が手がけた「ダイヤモンドヴェール」として知られ、平日と休日・祝日で照明の表情を変える設計になっていることが広く知られています。さらにハロウィンやクリスマス、スポーツイベントの応援カラーなど、期間限定の特別ライトアップも行われます。
この「基本の姿は変えず、光の演出だけを変える」という設計思想は、SNS運用における世界観づくりにそのまま応用できます。
- 軸になる要素は固定する:ロゴカラー、商品の見せ方、店舗の看板アングルなど、アカウントの"顔"になるものは統一する
- 変化させる要素を決めておく:季節・時間帯・イベントなど、変化を与える切り口をあらかじめ決めておくことで、企画出しに迷わなくなる
- 一貫性は「同じ写真を撮ること」ではなく「同じ印象を残すこと」:構図や色味のトーンを揃えれば、被写体が変わっても世界観は保てる
自社アカウントに置き換えるなら、「毎回何を投稿するか」ではなく「何を固定し、何を変化させるか」をあらかじめ設計しておくことが、ネタ切れ対策にも直結します。
エンゲージメントを生む仕掛け|UGC企画とファンとの共創
東京タワー公式アカウントのプロフィールには、来訪者の投稿写真を公式が取り上げる企画が明記されています。これは、フォロワー自身が「自分の写真が公式に載るかもしれない」という参加動機を持てる仕組みであり、企業が一方的に発信するだけの運用よりも、フォロワーとの心理的距離を縮める効果が期待できます。
UGC(ユーザー生成コンテンツ)の重要性は、複数の調査でも裏付けられています。株式会社ホットリンクが2026年6月に公開した「UGC調査2026」(PR TIMES掲載)によると、商品やサービスを購入する際に参考にする情報として「ECサイトやレビューサイトに掲載されているレビュー」が70.3%、「フォローしていないアカウントによるSNS上のクチコミ」が33.1%という結果が出ています。企業が発信する情報だけでなく、第三者による投稿が意思決定に影響を与えていることがわかります。
自社での応用は、必ずしも大規模な企画である必要はありません。
- 来店・来場した顧客の投稿を公式ハイライトやストーリーズで紹介する
- 紹介にあたっては事前に本人へ許諾を取る運用ルールを決めておく
- 「取り上げてもらえる基準」を明確にし、フォロワーが投稿しやすい導線(指定ハッシュタグや位置情報タグなど)を用意する
数字で見る、いま企業がInstagramに取り組むべき理由
「そもそもInstagramに力を入れる価値があるのか」という問いに対しては、公的な統計からも根拠を示すことができます。
総務省「令和6年版 情報通信白書」によれば、全年代におけるInstagramの利用率は52.6%に達し、特に10代から30代では7割を超える利用率となっています。年代を問わず生活者との接点として機能しうるSNSであることがわかります。
また、Metaは2023年11月に開催された「Meta Marketing Summit Japan 2023」において、日本国内のInstagram月間アクティブアカウント数が2019年公表時の3,300万から4年間で倍以上に拡大したことを明らかにしています。ビジュアル訴求を軸にしたコミュニケーションの受け皿として、国内での利用基盤が着実に拡大してきたことが読み取れます。
こうした背景を踏まえると、東京タワーのようにビジュアル資産(建物・商品・空間など)を持つ事業者にとって、Instagramは接点拡大の手段として引き続き有効だと考えられます。
企業・店舗アカウントが明日から試せるチェックリスト
東京タワーの運用から得られる示唆を、実践しやすいステップに落とし込みました。
投稿設計の見直し
- アカウントの「変わらない軸」(ロゴカラー、定番アングル、看板商品など)を1つ言語化する
- 「変化させる切り口」を季節・時間帯・イベント・キャンペーンの4パターンに整理する
- 同じ被写体でも光・角度・時間帯を変えて撮影し、投稿ネタの引き出しを増やす
UGC・共創施策
- 顧客投稿を紹介する際のルール(許諾取得の方法、クレジット表記)を決めておく
- 投稿してもらいやすい指定ハッシュタグや位置情報タグを用意する
- 紹介した投稿はストーリーズやハイライトにまとめ、継続的に見返せるようにする
運用体制の確認
- 問い合わせ導線(DM対応可否、メール窓口の有無)を明記し、フォロワーの混乱を防ぐ
- 複数アカウントを運用する場合は、それぞれの役割(本体・ショップ・企画別など)を整理する
- 月次で「固定した軸」と「変化させた企画」を振り返り、反応の傾向を記録する
小規模な店舗であっても、「何を固定し、何を変えるか」という設計の考え方自体は業種を問わず応用できます。
まとめ
東京タワーのInstagram運用から学べる最大のポイントは、「変わらない被写体」を持つアカウントであっても、光や季節、ユーザーとの共創によって表情を変え続けられるという点です。ロゴカラーや定番アングルといった"軸"を固定しつつ、季節やイベントで変化を演出し、さらにUGC企画でフォロワーを巻き込む——この3つの組み合わせは、観光地や大型施設に限らず、店舗や中小企業のアカウント運用にもそのまま応用できる考え方です。まずは自社アカウントの「軸」を一つ言語化するところから始めてみてください。
同業種・同規模の他社がどのようにSNSを運用しているか気になる方は、unyouの事例データベース(https://unyou.media)で他の企業・店舗の運用事例もあわせてご覧ください。
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