三井住友銀行(SMBC)のInstagram運用を分析|伸びている理由と、真似できるポイント【2026年版】
2026/10/1
三井住友銀行の公式Instagram「@smbc_official」の運用実態、総務省の統計、Meta公式発表などを確認できたので、これらの一次情報をもとに記事を執筆します。
「SNS運用を始めたのに、投稿がただの告知で終わってしまう」「堅い業界だから、どうしても『映えない』投稿になる」——金融・保険業界のSNS担当者であれば、一度はこうした壁にぶつかったことがあるのではないでしょうか。特に銀行のような信頼性が求められる業種では、「かたくるしくならずに、でも軽すぎない」バランスの取れた発信が難しく、何を投稿すればフォロワーに価値を感じてもらえるのか、方向性に迷いが生じがちです。
実は、そのヒントは身近な大手金融機関の中にすでにあります。三井住友銀行(SMBC)の公式Instagramアカウント「@smbc_official」は、金融機関でありながら「読みたくなる」「保存したくなる」投稿づくりに取り組んでいるアカウントとして、SNSマーケティング業界でもたびたび分析対象として取り上げられています。本記事では、公開情報とunyou(https://unyou.media)の事例データベースの知見をもとに、SMBCのInstagram運用がなぜ支持されているのかを分解し、業種・規模を問わず応用できるポイントに落とし込んでいきます。
三井住友銀行(SMBC)公式Instagramとは?基本情報を確認
三井住友銀行は、LINE・X(旧Twitter)・Instagramの公式アカウントを通じて、顧客に役立つ情報を発信しています(出典:三井住友銀行「ソーシャルメディア公式アカウント」ページ, https://www.smbc.co.jp/sns/)。Instagramアカウントのユーザー名は「smbc_official」で、各種メディアの分析によると2018年7月頃に開設されたとされ、以降継続的に運用が続けられています。
発信内容の軸になっているのは、預金・融資・資産運用・税金といった「お金にまつわる話」です。ただし、単なる商品案内や金利情報の羅列ではなく、公式キャラクター「ミドすけ」を案内役にしながら、NISAや確定申告、総合金融サービス「Olive」の使い方などを、カルーセル(複数枚投稿)を使ったマガジン形式でわかりやすく解説するスタイルが特徴です。
このように「金融機関の公式アカウント」という制約がありながらも、親しみやすさと専門性を両立させている点が、他業種からも注目される理由になっています。

なぜ金融機関のSNS運用は「伸びにくい」と言われるのか
金融・保険業界のSNS運用には、他業種にはない固有のハードルがあります。
- 商品やサービスの説明がどうしても専門用語中心になりやすい
- コンプライアンス上、表現に制約が多く、エンタメ色を強めにくい
- 「お金」というテーマ自体に心理的なハードルがあり、気軽にシェアされにくい
- 信頼性を損なわないトーンを保ちながら、同時に「硬すぎない」距離感も求められる
総務省「令和6年通信利用動向調査」によれば、インターネット利用者のうちSNSを利用している人の割合は81.9%にのぼり、年代別では20〜29歳で95.0%、30〜39歳で91.4%と、現役世代の大半がすでにSNSを情報収集の入り口にしていることがわかります(出典:総務省「令和6年通信利用動向調査の結果」)。つまり、金融機関にとってSNSはすでに「やるかどうか」ではなく「どう使いこなすか」のフェーズに入っているということです。この前提に立つと、SMBCのような大手金融機関が、硬さをどう崩しているかを分析する価値は大きいといえます。
SMBCのInstagramが支持される3つの理由
公開されている投稿内容や各種分析記事を踏まえると、SMBC公式Instagramが機能している理由は大きく3つに整理できます。
1. 「教育コンテンツ」としての設計 NISAや確定申告、家計管理といったテーマを、単発の告知ではなく「読み物」として設計しています。見る側にとっては広告ではなく、知識を得られるコンテンツとして受け取られやすくなります。
2. キャラクターによる世界観統一 公式キャラクター「ミドすけ」が各投稿の案内役として登場することで、どの投稿を見ても「同じアカウントが発信している」という一貫性が生まれます。これは金融機関特有の硬さを和らげる効果的な手段です。
3. カルーセル(複数枚投稿)による保存誘導設計 NISAの仕組みやOliveのサービス内容など、情報量の多いテーマをカルーセル形式でまとめることで、「後で読み返したい」と感じたユーザーが保存しやすい構成になっています。保存はInstagramのアルゴリズム上も評価されやすいアクションとされており、設計として理にかなっています。
投稿の「型」を分解する:マガジン形式とキャラクター活用
SMBCの投稿を分解すると、ある程度パターン化された「型」が見えてきます。
| 投稿の型 | 主な目的 | 使われる場面の例 |
|---|---|---|
| 解説カルーセル(マガジン形式) | 制度・サービスの理解促進、保存の獲得 | NISA制度の解説、確定申告の手順 |
| キャラクター登場型 | 親しみやすさの演出、トンマナ統一 | ミドすけによる案内・ナビゲーション |
| サービス紹介型 | 自社サービスの認知拡大 | Oliveの機能紹介 |
| ストーリーズ活用 | 日常的な接点維持、気軽な情報発信 | キャンペーン告知、簡易Tips |
この表からもわかる通り、「じっくり読ませる投稿」と「気軽に流し見される投稿」を使い分けている点がポイントです。フィード投稿では保存・読了を狙った設計、ストーリーズでは頻度を保つための軽い発信、という役割分担が機能しています。
世界観のつくり方:ミドすけが果たす役割
金融機関のアカウントが陥りやすい失敗のひとつが、「どの投稿も金融商品のお知らせに見えてしまう」ことです。SMBCはこれを、キャラクターという「人格」を投稿に持たせることで回避しています。
ミドすけが案内役を務めることで、
- 読者は「企業からのお知らせ」ではなく「キャラクターからの説明」として受け取りやすくなる
- 投稿ごとにトーンがぶれても、キャラクターの存在が一貫性を担保する
- キャラクターグッズやキャンペーンなど、Instagram以外の施策との連動もしやすくなる
といった効果が生まれます。これは金融機関に限らず、不動産・保険・医療など「説明が長くなりがちで、硬くなりやすい業種」すべてに応用できる考え方です。
エンゲージメントを生む仕掛け:保存・シェアを促す設計
Instagramでは「いいね」よりも「保存」「シェア」「滞在時間」といった指標が重視される傾向にあるとされています。SMBCのカルーセル投稿は、まさにこの「保存されやすい設計」を意識したつくりになっています。
具体的には、
- 1枚目で「結論」や「気になる疑問」を提示し、スワイプを促す
- 中盤でステップ・条件などを図解で整理する
- 最終スライドで「まとめ」や「次のアクション」を提示する
という構成が多く見られます。情報量が多いテーマほど、この「分解して見せる」設計が有効です。Meta自身もInstagramの世界月間アクティブアカウント数が2022年第3四半期時点で20億を超えたと発表しており(出典:Meta 2022年第3四半期決算発表)、プラットフォームの規模が拡大し続ける中で、フィードを「流し見」されないための保存誘導設計は、業種を問わず重要性を増しています。
また国内に目を向けると、Meta Japanは2023年11月の「Meta Marketing Summit Japan 2023」において、Instagramの国内利用者数が2019年公表の3,300万人(出典:Facebook/Instagram公式発表「Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破」2019年6月)から4年間で倍以上に拡大したと発表しています。国内ユーザー基盤が拡大を続けている以上、「流し見で終わらない投稿設計」の価値は今後さらに高まっていくと考えられます。
他業種・他社がそのまま使える応用ポイント【チェックリスト】
SMBCの事例から抽出できる、明日から着手できる実践ポイントをチェックリスト形式でまとめます。
- 自社の「説明が長くなりがちなテーマ」を3つ書き出す(例:制度・手続き・料金プランなど)
- それぞれをカルーセル3〜6枚程度に分解できないか構成を考える
- 1枚目に「結論」または「よくある疑問」を置き、スワイプの動機をつくる
- 最終スライドに「まとめ」または「次に見るべき投稿・リンク」を入れる
- 自社アカウントに「案内役」となるキャラクターや人物(担当者の顔出しでも可)を設定できないか検討する
- フィード投稿は「保存されるコンテンツ」、ストーリーズは「頻度維持のための軽い発信」と役割を分ける
- 専門用語を使う投稿には、必ず「噛み砕いた言い換え」を1文添える
- 投稿後、保存数・プロフィールアクセス数など「保存・回遊」に関わる指標を優先的に確認する
特に金融・保険・不動産のように「説明責任」が重い業種ほど、カルーセルによる段階的な情報整理と、案内役となるキャラクター・顔の設計は効果を発揮しやすいポイントです。
明日からできる実践ステップ
いきなり大掛かりな世界観づくりに着手する必要はありません。以下の順番で小さく始めることをおすすめします。
- 棚卸し:既存の問い合わせ内容やFAQから、「よく聞かれる・誤解されやすいテーマ」を洗い出す
- 構成案作成:そのテーマをカルーセル用に3〜6枚の構成に分解する(結論→詳細→まとめ)
- トンマナ設計:案内役となるキャラクターやアイコン、話し言葉のトーンを1つ決めて固定する
- 試験投稿:まず1本投稿し、保存数・プロフィールアクセス数の反応を見る
- 型化:反応の良かった構成をテンプレート化し、継続的に使い回す
この5ステップは、フォロワー数の規模に関わらず、アカウント開設初期からでも実践可能です。
まとめ
三井住友銀行の公式Instagram運用から見えてくるのは、「金融機関だから硬くなって当然」という前提を疑い、教育コンテンツとしての設計・キャラクターによる世界観統一・保存を意識したカルーセル構成という、具体的な工夫の積み重ねです。これらは特別な予算や大規模なチームがなくても、構成の工夫次第で中小企業や店舗アカウントにも応用できる考え方です。
まずは自社の「説明が長くなりがちなテーマ」をひとつ選び、カルーセル形式での再構成から試してみてください。同業種・他業種のSNS運用事例をさらに知りたい方は、unyouの事例データベース(https://unyou.media/cases)で金融・保険業界をはじめとした他社事例もあわせてご確認いただけます。
あわせて読みたい
ABOUT UNYOU
unyou は、SNS運用の「成功事例」が集まるデータベースです
Instagram・X・TikTok で実際に成果を出しているアカウントを、業種 × トンマナ × プラットフォームで検索・比較できます。掲載しているのは、世の中に公開されている実在アカウントの分析 600件超。 「自社の業種で何が伸びているのか」を、感覚ではなくデータで確かめられます。
無料相談
自社に合ったSNS運用、プロに相談してみませんか?
「何から始めればいいかわからない」「今の運用が正しいか不安」「外注すべきか迷っている」 ——そんなお悩みに、unyouが蓄積した実運用データをもとにお答えします。 相談は無料、しつこい営業はありません。
無料でSNS運用を相談する