Makuake(マクアケ)のInstagram運用を分析|伸びている理由と、真似できるポイント【2026年版】
2026/9/27
「投稿ネタが尽きた」「フォロワーはいるのに反応が薄い」「世界観がバラバラで“らしさ”が出ない」——企業の中の人としてSNS運用を任されている方なら、一度はこの壁にぶつかったことがあるのではないでしょうか。特にEC・通販領域は競合アカウントが多く、セール告知や商品紹介ばかりが並ぶタイムラインの中で埋もれてしまいがちです。
そこで参考になるのが、クラウドファンディング・応援購入サービスを展開する「Makuake(マクアケ)」の公式Instagramアカウントです。同社は自社サービス上で日々何千ものプロジェクトを扱いながら、その中から「今、紹介すべきもの」を選び抜いて発信し続けています。本記事では、公開情報をもとにMakuakeのInstagram運用を分解し、業種を問わず応用できるポイントに落とし込みます。数字は確証のあるものだけを扱い、根拠のないフォロワー数やエンゲージメント率の推測は掲載しません。
Makuakeとは?Instagram運用を見る前に知っておきたい基本
Makuakeは、株式会社マクアケが2013年8月から運営する応援購入サービスです。「アタラシイものや体験」を掲載することにコンセプトを絞り、国内未発売・未流通の新商品やサービスを中心に取り扱っています。公式サイトの発表によれば、累計応援購入総額は1,000億円を突破し、会員数は290万人以上、累計プロジェクト数は42,000件以上、支援額1,000万円を超えたプロジェクトも1,700件以上にのぼります(出典:株式会社マクアケ公式サイト プレスリリース「応援購入サービス『Makuake』の累計応援購入総額が1,000億円を突破」)。
このビジネスモデルの特徴は、「まだ世に出ていないもの」を「開発ストーリーやつくり手の想いごと」買ってもらう点にあります。つまりMakuakeにとってのSNSは、単なる集客チャネルではなく、サービスの世界観そのものを体現する場になっているのです。Instagram運用を分析する上でも、この前提——「ものではなく、ものが生まれるまでの物語を届けている」——を押さえておくと、投稿の意図が読み解きやすくなります。

Makuakeの投稿を分解する|3つのコンテンツの型
公開されている投稿を俯瞰すると、大きく3つの型に整理できます。
1. 新着・注目プロジェクトの紹介型 サイト上で日々更新される新規プロジェクトの中から、ガジェット、生活雑貨、食品、ファッションなど幅広いジャンルを選んで紹介する、いわば「セレクトショップ的な投稿」です。1投稿1プロダクトに絞り込み、その商品が「何を解決するのか」「何が新しいのか」を一目で伝える構成になっています。
2. ランキング・トレンド訴求型 支援総額が伸びているプロジェクトや、話題になっているプロジェクトをまとめて紹介する投稿です。単体商品の魅力だけでなく「今、他の人も注目している」という社会的証明(ソーシャルプルーフ)を働かせる型といえます。
3. つくり手のストーリー・こだわり訴求型 プロジェクト実行者(つくり手)のコメントやこだわりのポイントを添えて紹介する投稿です。Makuakeが自社のクリエイター向けブログでも「支援に繋がりやすいSNS投稿の仕方」を発信しているように、単なるスペック紹介ではなく“想い”を可視化することが重視されています(出典:Makuake公式ブログ「【実行者向けノウハウ】支援に繋がりやすいSNS投稿の仕方」)。
この3型は、そのまま自社アカウントの投稿カレンダーに置き換え可能です。「新商品紹介」「売れ筋・人気ランキング」「つくり手・スタッフのこだわり」という3本柱でローテーションを組むだけで、単調になりがちな投稿に変化をつけられます。
世界観のつくり方|「アタラシイもの」を伝えるビジュアル戦略
Makuakeのフィードは、プロジェクトごとに写真のテイストが異なるにもかかわらず、全体として「新しいものに出会うワクワク感」という一貫した印象を保っています。これは以下のような編集方針によって支えられていると考えられます。
- サムネイル1枚で「何のプロダクトか」が分かる構図を徹底する。パッケージや使用シーンを大きく見せ、テキストで用途を補足する。
- キャプションは「発見」を疑似体験させる書き方にする。「こんなものが」「まだ知られていない」といった、フォロワー自身が発見者になったかのような言葉選びをする。
- プロジェクトの多様性をあえて残す。ジャンルを絞りすぎず、ガジェットの次に食品、次に日用品といったバラエティを持たせることで、「Makuakeを見れば新しい何かに出会える」というブランド体験を作っている。
自社アカウントに置き換える際は、統一すべきは「写真の色味」だけではなく「読者に何を期待させるか」という体験の一貫性です。例えば飲食店であれば「行くたびに新しい発見がある」、アパレルであれば「毎回新しい着こなしの提案がある」といった期待値を、投稿の構成ルールに落とし込むと、Makuake同様の世界観設計がしやすくなります。
エンゲージメントを生む仕組み|コメント・保存を増やす工夫
クラウドファンディングという性質上、Makuakeの投稿は「見て終わり」ではなく「サイトに行って詳細を見る」「支援する」という次のアクションにつなげる必要があります。そのために効いているのが以下の工夫です。
- 保存したくなる情報の圧縮:ランキング形式やまとめ形式の投稿は、後で見返す用途があるため保存率が高くなりやすい構成です。
- プロフィールへの導線設計:フィード上で気になったプロジェクトは、プロフィールのリンクやハイライトから詳細ページに遷移できるよう設計されていると考えられます。
- コメント欄での双方向コミュニケーション:つくり手のこだわりに対して「これ欲しい」「いつ届くの」といった反応が生まれやすいキャプション設計になっている点も特徴です。
自社で応用する場合、まず着手しやすいのは「保存を狙える投稿を月1〜2本は必ず作る」というルール化です。単発の商品紹介だけでなく、「◯◯の選び方まとめ」「よくある質問Q&A」のような情報整理型の投稿を混ぜることで、保存数・シェア数は改善しやすくなります。
数字で見るSNS環境|なぜ今Instagram運用が重要なのか
Makuakeに限らず、EC・通販事業者がInstagram運用に力を入れる背景には、SNS利用の広がりがあります。以下は公的機関・SNS事業者が公表している代表的なデータです。
| 出典 | 発表内容 | 示唆 |
|---|---|---|
| Meta社発表(2023年11月時点) | Instagramの国内月間アクティブアカウント数が6,600万以上に到達 | 国内の主要SNSとして、新商品・新サービスの認知獲得チャネルの規模がすでに大きい |
| 総務省「令和6年版 情報通信白書」 | 年代別SNS利用率は20代で90%超、30代で約85%と高水準 | 新しいもの好きな層(アーリーアダプター層)へのリーチにSNSは有効 |
| 矢野経済研究所 調査(2021年度実績) | 国内クラウドファンディング市場規模は新規プロジェクト支援額ベースで前年度比11.1%減の1,642億2,100万円 | 市場は伸び縮みがあるからこそ、プラットフォーム側の情報発信力・認知獲得力が競争優位になる |
こうしたデータからも分かる通り、Instagramはすでに「新しいものに関心が高い層」に届けるための基盤として一定の規模を持っています。だからこそMakuakeのように、単なる告知ではなく「発見体験」を提供する編集方針が効果を発揮しやすい環境にあるといえます。
明日から試せる実践チェックリスト
Makuakeの運用を参考に、自社アカウントで着手できる項目をチェックリストにまとめました。
- 投稿を「新商品紹介」「人気・ランキング」「つくり手・スタッフの想い」の3型に分類し、週の投稿カレンダーに配分する
- 1投稿=1メッセージに絞り、サムネイルだけで「何の投稿か」が伝わるか確認する
- キャプションの冒頭を「発見」を疑似体験させる言い回し(例:「実はまだ知られていない」「こんな方法があったとは」)に見直す
- 月1〜2本は「保存したくなる」まとめ・比較・Q&A系の投稿を用意する
- プロフィール欄・ハイライトから、詳細情報や購入・予約ページへの導線が1タップで届くか確認する
- コメント欄に質問形式のCTA(「気になる方はコメントで教えてください」等)を入れ、双方向のやり取りが生まれる余地を残す
- ジャンルを絞りすぎていないか、逆に散らかりすぎていないか、月次でフィード全体を俯瞰チェックする
自社アカウントに応用する際の注意点
Makuakeの運用をそのまま模倣しようとすると陥りやすい落とし穴もあります。まず、Makuakeは「毎日多数の新規プロジェクトが生まれる」というプラットフォーム構造上、ネタ切れが起きにくい特殊な事業モデルです。単一店舗・単一ブランドの場合、同じ更新頻度・同じ物量を追いかけると息切れしてしまいます。無理に投稿数を合わせるのではなく、「型」と「世界観の一貫性」だけを移植し、頻度は自社のリソースに合わせて設計するのが現実的です。
また、景品表示法や薬機法に関わる誇大な効果訴求(「必ず売れる」「絶対に成功する」といった表現)は避け、事実に基づいた訴求を心がける必要があります。これはMakuake自身が実行者向けノウハウとして発信している内容とも共通する姿勢です。
まとめ
Makuakeの公式Instagram運用は、「新商品紹介」「ランキング・トレンド」「つくり手のストーリー」という3つの型を軸に、単なる告知ではなく“発見体験”を届ける編集方針によって支持を集めていると考えられます。ポイントは、フォロワー数や再生数といった表面的な数字を追うことではなく、①投稿の型を整理すること、②世界観の一貫性を「読者に何を期待させるか」で設計すること、③保存・コメントを狙った情報設計を織り交ぜることの3点です。まずは本記事のチェックリストから、自社アカウントで真似できるものを1つずつ試してみてください。
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