ロフト(LOFT)のInstagram運用を分析|伸びている理由と、真似できるポイント【2026年版】
2026/9/18
「うちのアカウント、なぜ伸びないんだろう」と感じたら
雑貨店やコスメショップ、生活用品を扱うEC・小売のSNS担当者であれば、一度はこんな悩みにぶつかったことがあるのではないでしょうか。新商品を紹介しても反応が薄い、投稿のネタが尽きてくる、フォロワーは増えても「見るだけ」で終わってしまい保存やコメントにつながらない——。とくに商品点数が多く、ターゲット層も幅広い雑貨・生活雑貨業態では、「誰に向けて、何を発信すればいいのか」が定まりにくく、運用が属人的になりがちです。
こうした悩みを解くヒントは、すでに結果を出している実在アカウントの「型」を分解してみることにあります。今回取り上げるのは、全国に店舗を展開する生活雑貨専門店「ロフト(LOFT)」の公式Instagram運用です。ロフトは単一アカウントで全商材を発信するのではなく、目的別に複数のアカウントを使い分ける運用体制を取っており、この設計思想そのものが多くの企業・店舗にとって参考になります。本記事では公開情報をもとに、ロフトのアカウント設計・投稿の型・世界観づくり・エンゲージメント施策を分解し、自社アカウントに応用できる具体策に落とし込みます。

ロフトのInstagram運用体制を分析する
ロフトのInstagram運用でまず注目すべきは、「1アカウント集約型」ではなく「テーマ別複数アカウント型」を採っている点です。公式サイトやInstagram上で確認できる範囲でも、以下のようなアカウントが存在します。
| アカウント | 主な発信テーマ | ターゲット像 | 運用の狙い |
|---|---|---|---|
| ロフト公式(@loft_official) | 生活を楽しくする雑貨全般、店舗・キャンペーン情報 | ロフトのファン全般 | ブランドの世界観・話題性の発信、UGCの受け皿 |
| ロフト×ブング(@loft_bungu) | 文房具・ステーショナリーの新商品紹介 | 文具好き・手帳ユーザー | 専門性の高いファンとの深いエンゲージメント |
| ロフト×コスメ(@loft_cosme) | コスメ・ビューティーの新商品、トレンド | コスメ好きの女性層 | インスタライブ等での双方向コミュニケーション |
| 各店舗アカウント(例:銀座ロフトなど) | 店舗独自のイベント、売り場情報 | 店舗の商圏顧客 | 来店動機の創出、地域密着 |
この構造から読み取れるのは、「発信テーマとターゲットの興味関心を一致させる」という基本を徹底している点です。文具に興味がある人はコスメの投稿に反応しにくく、逆もまた然りです。1つのアカウントに全ジャンルを詰め込むと、フォロワーの興味関心が分散し、結果として投稿ごとの反応率が下がりやすくなります。ロフトはこれを「アカウントを分ける」というシンプルな方法で解決しています。
さらに、店舗単位のアカウントを持つことで、全国チェーンでありながら「地域のお店」としての親近感を演出できている点も見逃せません。EC・通販中心の企業であっても、拠点や部門ごとにアカウントを分ける発想は応用可能です。
投稿の「型」を分解する
ロフトの投稿を継続的に見ていくと、いくつかの型が繰り返し使われていることがわかります。
1. 新商品・トレンド紹介型 季節や話題性に合わせた新商品を、実際の使用シーンとともに紹介する投稿です。単なる商品カットではなく、「どう使うか」「何と組み合わせるか」という生活シーンを想像させる見せ方がベースになっています。
2. UGC(ユーザー生成コンテンツ)のリポスト型 「#ロフト」などのハッシュタグや、アカウントへのタグ付けを通じて集まった一般ユーザーの投稿を公式アカウントがリポストする手法です。企業が一方的に発信するより、実際の購入者・来店者のリアルな声や写真の方が信頼性が高く、フォロワーにとっても「自分の投稿が紹介されるかもしれない」という参加動機になります。
3. インスタライブ活用型 特にロフト×コスメでは、新商品の発売に合わせてインスタライブを実施し、担当者やスタッフが商品を実演しながら紹介するスタイルが確認できます。ライブ配信はコメントによるリアルタイムの質疑応答が可能で、フィード投稿よりも深いエンゲージメントを生みやすい施策です。
4. 季節・イベント連動型 母の日、ハロウィン、クリスマスといった季節イベントや、店舗限定フェアに合わせた特集投稿です。生活雑貨業態は季節性との相性が良く、「今買う理由」を作りやすいジャンルでもあります。
これらの型に共通するのは、「商品を売り込む」投稿と「暮らしを提案する」投稿、「ユーザーを主役にする」投稿がバランスよく配分されている点です。宣伝色の強い投稿ばかりでは離脱を招きますが、生活提案型やUGCリポストを挟むことで、フィード全体の「見ていて心地よい」バランスが保たれています。
世界観のつくり方——「らしさ」を保つ編集方針
雑貨店のアカウントで陥りやすい失敗は、担当者が変わるたびにトーン&マナーがぶれてしまうことです。ロフトのアカウント群を見ると、以下のような編集方針が一貫していると分析できます。
- 写真の余白と配色の統一感:商品写真は背景をシンプルにし、色味を揃えることでフィード全体に統一感を持たせている
- キャプションの語り口:「〜してみませんか」「〜な気分にぴったり」といった、押し付けがましくない提案型の言葉遣い
- 専門アカウントごとの温度感の違い:文具アカウントは実用性・機能性を丁寧に説明する落ち着いたトーン、コスメアカウントはトレンド感・華やかさを前面に出すトーンと、ターゲットに合わせて言葉選びを変えている
このように「世界観」とは単に写真をおしゃれにすることではなく、ターゲットごとに言葉のトーンを変えながらも、ブランド全体としての一貫性(生活を楽しくする、という軸)を保つ編集ポリシーの設計によって作られています。
エンゲージメントを生む施策
フォロワーとの関係性を深める施策としては、以下のようなものが確認できます。
- ハッシュタグキャンペーンによるUGC創出:購入者に投稿を促し、公式がリポストすることで参加のハードルを下げる
- インスタライブでの双方向コミュニケーション:コメントで寄せられた質問にその場で答えることで、フォロワーとの距離を縮める
- 店舗とオンラインの回遊導線:投稿から店舗の売り場情報や特設ページへ誘導し、SNS上の興味を実店舗・ECでの購買行動につなげる
とくに雑貨・コスメのように「見て楽しい」「試したい」商材は、Instagramとの親和性が非常に高いジャンルです。実際、株式会社ホットリンクが週1回以上Instagramを利用するユーザー1,000名を対象に行った調査(2024年7月発表、PR TIMES掲載)では、Instagram利用者の約55%が「Instagramをきっかけに購入・来店した経験がある」と回答しており、商品購入時に参考にする情報として「企業・インフルエンサーの投稿」が上位に挙がっています。ロフトのように専門性の高いアカウントを持ち、企業自身が有益な情報を発信し続けることは、この「参考にされる投稿」のポジションを取りにいく戦略とも言えます。
データで見る、いまSNS運用に取り組むべき理由
「うちの業態にInstagram運用は本当に効果があるのか」と迷う担当者も多いはずです。ここで公的な統計を確認しておきましょう。
総務省情報通信政策研究所が公表した「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、全年代におけるInstagramの利用率は52.6%に達しています。LINE(91.1%)ほどではないものの、X(43.3%)やFacebook(26.8%)を上回る水準であり、幅広い年代に浸透しているSNSであることがわかります。
また、Instagramの国内における利用規模の大きさは以前から公式にも示されており、Meta(旧Facebook Japan)は2019年6月の発表で、Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3,300万を突破したことを明らかにしています(その後Metaはプラットフォーム別の国別数値を個別開示しない方針に移行していますが、国内における普及規模の大きさを示す公式実績として参照できます)。
これらの数字が示すのは、生活雑貨・コスメ・文具といった「視覚的に魅力を伝えやすい商材」を扱う企業にとって、Instagramはすでに一部の企業だけのものではなく、標準的な顧客接点として機能しているという事実です。ロフトのような専門性の高い複数アカウント運用は、この大きなユーザー基盤の中で、テーマ別に深いつながりを作るための合理的な選択と言えます。
明日から真似できる実践チェックリスト
ロフトの事例から抽出できる、規模を問わず応用可能なポイントをチェックリストにまとめました。
- 発信テーマを棚卸しする:自社のアカウントが扱っているテーマが1つに絞られているか、雑多になっていないか見直す
- ジャンルごとのアカウント分割を検討する:フォロワーの興味関心にばらつきが大きい場合、部門・カテゴリ別のサブアカウント運用を検討する
- UGC投稿を集める仕組みを作る:オリジナルハッシュタグを作り、購入者・来店者に投稿を促す一言をレシートやSNS上で添える
- リポストのルールを決めておく:どんな投稿を、どのタイミングで、誰の許可を得てリポストするかを事前に運用ルール化する
- ライブ配信を月1回試してみる:新商品発売や季節フェアのタイミングで、担当者が顔出しで紹介するライブを企画する
- キャプションのトーンを統一する:語尾や言葉選びのガイドラインを簡単なドキュメントにまとめ、担当者が変わっても一貫性を保てるようにする
- 投稿とEC・店舗導線をセットで設計する:投稿を「見て終わり」にせず、プロフィールリンクや店舗情報への導線を必ず添える
この7項目は、大がかりな体制変更をしなくても、既存のアカウント運用の中に組み込める内容です。まずは1〜2個から着手し、投稿の反応やフォロワーの声を見ながら調整していくことをおすすめします。
まとめ
ロフトのInstagram運用から見えてくるのは、派手なバズ施策ではなく、「ターゲットに合わせてアカウントを設計し、UGCとライブ配信で双方向性を作り、一貫したトーンで発信し続ける」という地道な積み重ねです。生活雑貨・コスメ・文具のように商品点数が多く、ターゲットが多様な業態ほど、ロフトのようなテーマ別アカウント設計の考え方は参考になるはずです。自社の運用に落とし込む際は、まず現状のアカウントが「誰に、何を届けているか」を棚卸しすることから始めてみてください。
unyouでは、ロフトのような小売・EC業態を含む、業種別のSNS運用事例を数多く掲載しています。自社と近い業態・規模のアカウントがどのような投稿設計をしているか、事例データベースからあわせてチェックしてみてください。
あわせて読みたい
出典として、総務省「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」、Meta(旧Facebook Japan)2019年6月公式発表、株式会社ホットリンク調査(2024年7月・PR TIMES掲載)を使用しています。ファイルとして保存したい場合はお知らせください。
ABOUT UNYOU
unyou は、SNS運用の「成功事例」が集まるデータベースです
Instagram・X・TikTok で実際に成果を出しているアカウントを、業種 × トンマナ × プラットフォームで検索・比較できます。掲載しているのは、世の中に公開されている実在アカウントの分析 600件超。 「自社の業種で何が伸びているのか」を、感覚ではなくデータで確かめられます。
無料相談
自社に合ったSNS運用、プロに相談してみませんか?
「何から始めればいいかわからない」「今の運用が正しいか不安」「外注すべきか迷っている」 ——そんなお悩みに、unyouが蓄積した実運用データをもとにお答えします。 相談は無料、しつこい営業はありません。
無料でSNS運用を相談する