リノベる(Renoveru)のInstagram運用を分析|伸びている理由と、真似できるポイント【2026年版】
2026/9/23
「うちの会社のInstagramも、あんな風に見てもらえたら」と思ったことはないか
住宅・不動産・リノベーション業界でSNS運用を任されている担当者なら、一度は「リノベる。」のInstagramアカウントを見て、「なぜここまで見てもらえるのか」「なぜフォローしたくなるのか」を考えたことがあるのではないでしょうか。施工事例を淡々と並べるだけでは反応が薄く、かといって毎回凝った企画を考える余力もない。担当者一人、あるいは兼務で運用している会社ほど、この悩みは切実です。
一方で「リノベる。」のアカウントは、ルームツアーやビフォーアフター、暮らしのお役立ち情報などを軸に、見る人が思わず保存したくなる投稿を継続的に発信し続けています。これは特別な予算や大規模なチームだけがなせる技ではなく、投稿の「型」と「導線設計」を分解すれば、住宅・不動産・店舗など他業種のアカウントにも応用できる要素が数多く含まれています。本記事では、公開情報をもとにリノベるのInstagram運用を構造的に分析し、明日から自社アカウントに取り入れられる具体的なポイントに落とし込みます。

リノベるとは?運用の背景にある事業モデルを理解する
分析の前提として、まず運営元を押さえておきます。リノベる株式会社は2010年4月設立、中古マンション探しからリノベーションの設計・施工までを一気通貫で提供する「ワンストップリノベーション」サービス「リノベる。」を展開する企業です。窓口を一本化し、物件探し・資金計画・設計・施工を専門担当者が伴走してサポートする点を強みとしており、ワンストップリノベーション事業者として国内でもトップクラスの実績を持つとされています。企業ミッションには「日本の暮らしを、世界で一番、かしこく素敵に。」を掲げており、この世界観がSNSの発信内容にも一貫して反映されています(出典:リノベる株式会社 企業情報ページ)。
このミッションを理解すると、リノベるのInstagramが単なる「施工事例の紹介ツール」ではなく、「理想の暮らし方を発見してもらうメディア」として設計されていることが見えてきます。SNS運用の方向性に迷ったとき、まず自社のミッション・提供価値に立ち返って発信軸を決める、という基本姿勢はどんな業種でも応用可能です。
アカウント構成を分解する:メイン・サブ・地域の役割分担
リノベるのInstagram運用で見逃せないのが、単一アカウントに情報を詰め込むのではなく、目的別に複数アカウントを使い分けている点です。
| アカウント | 位置づけ | 主な発信内容 |
|---|---|---|
| メインアカウント(@renoveru) | ブランドの顔・入口 | 施工事例のルームツアー、ビフォーアフター、中古マンション購入とリノベーションに役立つ情報 |
| リノベる。Days(@renoverudays) | ユーザー参加型のサブメディア | 実際の入居者の暮らしぶりの紹介、指定ハッシュタグを付けた投稿のリポスト |
| 地域アカウント(大阪・福岡など) | ローカル接点 | 各エリアのショールーム情報、地域の施工事例、地域特化のイベント告知 |
この三層構造には明確な意図があります。メインアカウントは新規層への「入り口」として世界観とブランド価値を伝える役割に集中させ、サブアカウントの「リノベる。Days」はユーザー投稿(UGC)の受け皿として熱量の高いファンとの接点をつくり、地域アカウントは店舗集客に近い実務的な情報を担う。一つのアカウントで「認知」「共感」「来店・問い合わせ」の全部を背負わせようとすると、投稿の統一感が崩れやすくなります。目的ごとにアカウントや発信面を分けるという発想は、複数店舗・複数事業を持つ企業や、ブランドと採用のように読者層が異なる情報を発信したい企業にそのまま応用できます。
投稿の「型」を分解する:ルームツアー・ビフォーアフター・お役立ち情報
リノベるの投稿は大きく3つの型に整理できます。
1. ルームツアー型 完成した部屋を歩きながら紹介するリール形式の動画です。テンポの良いナレーションやテロップとともに、間取りや素材の工夫を順番に見せていく構成は、視聴者が最後まで見続ける設計になっています。静止画の施工事例写真だけでは伝わりにくい「空間の広がり」や「生活動線」を動画で補完している点がポイントです。
2. ビフォーアフター型 リノベーション前後の写真を並べて見せる投稿です。「変化」を可視化するフォーマットは保存率・シェア率が高くなりやすく、リノベーションという業態そのものと相性の良い王道の型といえます。
3. お役立ち情報型 中古マンション購入の注意点、資金計画、間取りの選び方など、施工事例そのものではなく「知っておくと得する情報」を発信する投稿です。このタイプの投稿は「今すぐリノベーションを検討していない層」にもリーチでき、将来の見込み顧客との接点を長期的に育てる役割を果たします。
この3つの型に共通するのは、「見て楽しい(エンタメ)」「見て役立つ(実用)」「見て憧れる(ブランド)」のいずれかの価値を、投稿単位で明確に持たせていることです。自社アカウントの投稿が伸び悩んでいる場合、まずは今の投稿がこの3種類のどれに当てはまるかを棚卸しし、偏りがないかを確認するとよいでしょう。
世界観のつくり方:プロフィールとハイライトの導線設計
Instagram運用において、投稿単体のクオリティと同じくらい重要なのが「プロフィールに来たユーザーをどう動かすか」です。リノベるのアカウントは、プロフィール文で提供価値(中古マンション購入とリノベーションのワンストップサービスであること)を端的に伝えたうえで、実例集や相談窓口・ショールーム情報へのリンクを設置し、「見る」から「学ぶ」「相談する」への流れを作っています。
Instagramのリール機能は、フォロワー以外への露出(発見タブ経由の流入)が期待できる一方で、そこで興味を持ったユーザーを離脱させずにプロフィールへ誘導し、さらにハイライトや固定投稿で「この会社が何者で、何を提供しているか」を数秒で理解させる設計が不可欠です。プロフィールで「誰の・どんな悩みを解決するアカウントか」を一文で言い切れているか、ハイライトが商品カタログのように整理されているかは、今日すぐに見直せるポイントです。
エンゲージメントを生む仕組み:UGCとキャンペーンの活用
リノベるは「リノベる。フォトフェス」という、入居者に自宅の写真を指定ハッシュタグ付きで投稿してもらうキャンペーンを実施してきました。同社のニュースリリースによれば、2020年に「リノベる。フォトフェス2020」、2021年には「リノベる。Days フォトフェス2021」として、おうち時間を楽しむ暮らしの写真をシェアする企画を展開しています(出典:リノベる株式会社 ニュースリリース「おうち時間を応援!Instagramで『リノベる。フォトフェス2020』開催」「おうち時間を再び応援!Instagramで『リノベる。Days フォトフェス2021』開催」)。
このようなUGC施策の利点は、企業が一方的に発信する「作られた事例」だけでなく、実際の利用者の生活感のある投稿がタイムラインに増えることで、第三者視点の信頼性(口コミ的な説得力)を獲得できる点にあります。加えて、投稿してくれたユーザーを「リノベる。Days」でリポストして紹介することで、「投稿すれば取り上げてもらえるかもしれない」という参加インセンティブが生まれ、能動的な発信の連鎖につながります。自社での応用としては、指定ハッシュタグの設計、リポスト用のサブアカウントやハイライトの用意、キャンペーン時期の告知導線(店頭POP・メルマガ・LINE公式アカウントなど)をセットで準備することが実践のハードルを下げます。
なぜ今、住宅・不動産業界がInstagramに投資すべきなのか
ここで、業界を問わずSNS運用の重要性を裏付ける公的データを確認しておきます。総務省「令和6年版 情報通信白書」(令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査に基づく)によると、全年代におけるソーシャルメディアの利用率は次のとおりです。
| サービス | 全年代の利用率 |
|---|---|
| LINE | 91.1% |
| 52.6% | |
| X(旧Twitter) | 43.3% |
| 26.8% |
(出典:総務省「令和6年版 情報通信白書」)
同白書では、Instagramの利用率は10代から30代で70%を超えるとされており、住宅購入・リノベーションの意思決定層に近い年代への接点として無視できない規模であることがわかります。また、Instagramを運営するMeta(当時のFacebook Japan)は2019年6月、日本国内の月間アクティブアカウント数が3,300万を突破したと発表しており、その半年前(2,900万)からの急拡大が国内における実質的な生活インフラ化を裏づけています(出典:Metaについて「Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3,300万を突破」2019年6月)。
住宅・リノベーションのように検討期間が長く、情報収集が入念に行われる商材ほど、「今すぐ客」だけでなく「まだ検討していない潜在層」にリーチできるInstagramのような媒体を、継続的な情報発信の場として育てておく価値は大きいと言えます。
明日から試せる実践チェックリスト
リノベるの運用から抽出した要素を、自社アカウントで実践するためのチェックリストに落とし込みました。
- 自社のミッション・提供価値を1行で言語化し、プロフィール文の冒頭に置いているか
- 投稿を「エンタメ型」「実用型」「ブランド訴求型」に分類し、偏りなく発信できているか
- ビフォーアフターなど、業態の強みが一目で伝わる「変化」を見せる投稿フォーマットを用意しているか
- リール動画で、最初の1〜2秒に続きが気になる要素(結果・驚き・問いかけ)を入れているか
- プロフィールのリンク先(実例集・問い合わせ・予約ページなど)が、投稿内容と矛盾なくつながっているか
- ハイライトが「商品カタログ」のように整理され、初訪問者が数秒で全体像を把握できるか
- 顧客・利用者に自社ハッシュタグでの投稿を促す仕組み(キャンペーン、特典、リポスト告知)があるか
- UGCをリポストする専用の受け皿(サブアカウントやハイライト)を用意しているか
- 複数拠点・複数事業がある場合、アカウントを分けるべきか一本化すべきかを目的ベースで判断しているか
- 投稿を成果指標(保存数・プロフィール遷移・問い合わせ数など)に基づいて定期的に見直しているか
すべてを一度に満たす必要はありません。まずは1〜2項目、特に「プロフィール導線」と「投稿の型の棚卸し」から着手すると、既存の投稿資産を活かしたまま改善効果を実感しやすくなります。
まとめ
リノベるのInstagram運用が支持される背景には、単発の「バズる投稿」ではなく、①事業ミッションに基づいた発信軸の一貫性、②目的別に役割分担されたアカウント構成、③ルームツアー・ビフォーアフター・お役立ち情報という再現性のある投稿の型、④プロフィールからの導線設計、⑤UGCキャンペーンによるファン参加の仕組み、という複数のレイヤーが積み重なっています。これらは特別な予算がなくても、自社の商材・顧客層に合わせて一つずつ取り入れられる要素です。まずはチェックリストの中から着手しやすい項目を選び、次の投稿から実践してみてください。
他の企業がどのようにSNSを運用し、成果につなげているかをより詳しく知りたい場合は、unyouの事例データベースで同業種・類似業態のアカウント分析も参考にしてみてください。
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