CANMAKE(キャンメイク)のInstagram運用を分析|伸びている理由と、真似できるポイント【2026年版】
2026/9/12
「うちの会社もInstagramを頑張っているのに、なかなか反応が伸びない」「投稿はしているけれど、世界観がバラバラでブランドっぽく見えない」——SNS担当者からよく聞く悩みです。特に美容・コスメ業界は競合アカウントが多く、フィードを整えるだけでも一苦労なのに、フォロワーとの関係づくりまで手が回らないという声も少なくありません。
そこで本記事では、プチプラコスメブランド「CANMAKE(キャンメイク)」の公式Instagramアカウント(@canmaketokyo)を題材に、投稿の型・世界観のつくり方・ファンとの関係構築の工夫を分解し、業種を問わず応用できるポイントに落とし込みます。フォロワー数やエンゲージメント率など裏付けの取れない数値は扱わず、公開情報と統計データをもとに、明日から試せる具体策を整理します。
なぜ今、Instagram運用の「型」を見直す必要があるのか
まず前提として、SNSはすでに生活インフラの一部になっています。総務省「令和6年版 情報通信白書」では、年代別のソーシャルメディア利用状況として、若年層を中心に高い利用率が続いている一方、中高年層でも利用が広がっていることが示されています。つまり「若い世代だけが見ているSNS」という前提はすでに崩れており、ブランドが年齢層を問わず自社の世界観を発信する土台として、Instagramの重要性はむしろ増しています。
一方で、SNS上の情報量そのものも増え続けており、ユーザーは「なんとなく良さそう」な投稿を一瞬でスクロールして通り過ぎてしまいます。ここで差がつくのは、フォロワー数の多さよりも「投稿の型が明確かどうか」「世界観に一貫性があるかどうか」「フォロワーを一方的な受け手ではなく参加者にできているかどうか」です。CANMAKEのアカウントは、この3点を丁寧に積み上げている点で参考になります。

CANMAKE(キャンメイク)のInstagram運用を分解する
CANMAKEは井田ラボラトリーズが展開する、10代後半〜20代を中心に支持されるプチプラコスメブランドです。公式Instagramアカウント「CANMAKE TOKYO|キャンメイク(@canmaketokyo)」では、フィード投稿・ストーリーズ・リール・ハイライトといった複数のフォーマットを、それぞれ別の役割として使い分けているのが特徴です。
単に「新商品を告知する」だけの運用ではなく、フォーマットごとに「見る人が何を求めているか」を想定して内容を変えている点が、他ブランドが参考にできる最大のポイントです。以下、代表的な工夫を要素ごとに見ていきます。
伸びている理由①:投稿フォーマットごとに役割を分けている
CANMAKEのアカウントを観察すると、フィード・ストーリーズ・リール・ハイライトがそれぞれ異なる目的で運用されていることが分かります。フォーマットの特性を理解せずに同じ内容を使い回してしまうと、せっかくの機能を活かしきれません。整理すると次のようになります。
| フォーマット | 主な目的 | 投稿内容の傾向 | 真似するときのポイント |
|---|---|---|---|
| フィード投稿 | ブランド世界観の蓄積 | 高品質なビジュアルで新商品や季節企画を紹介 | プロフィールを訪れた新規ユーザーが「アルバム」として一覧できる前提でトーンを統一する |
| リール | 非フォロワーへのリーチ拡大 | トレンドメイク(オレンジメイクなど)や季節の悩み(UV対策など)を「自分ごと化」しやすいテーマで発信 | フォロワー以外にも刺さる汎用テーマを選び、ブランド訴求は最後に自然に添える |
| ストーリーズ | リアルタイムな接点・UGCの紹介 | ユーザー投稿の紹介、簡易アンケート、キャンペーン告知 | 24時間で消える特性を活かし、気軽な情報や双方向企画を置く場として使う |
| ハイライト | 情報のストック・検索性の確保 | カテゴリ別(新作・使い方・キャンペーンなど)に整理 | 新規フォロワーが後から遡れる「目次」として設計する |
このように役割を分けることで、フィードは「ブランドの顔」として世界観を保ちながら、リールは「知らない人に届く入口」として機能させることができます。両者を混同してしまうと、世界観は保てても新規リーチが伸びない、あるいはバズは狙えても世界観が崩れる、というどちらかの失敗に陥りがちです。
伸びている理由②:プチプラブランドらしい、一貫した世界観づくり
CANMAKEのフィードは、パステルカラーを基調にした配色や、季節感を意識した小物・背景づかいなど、1枚1枚のクオリティが高く保たれています。ここで重要なのは「高級感」を出そうとしているのではなく、あくまでブランドコンセプトである「キュートで手に取りやすい」印象を軸に統一している点です。
これは美容業界に限らず応用できる考え方です。世界観の一貫性というと、つい「おしゃれで洗練された写真を撮ること」だと誤解されがちですが、本質は「ターゲットが自分ごと化しやすいトーンを保ち続けること」にあります。高級ブランドが高級ブランドらしいトーンを守るのと同じように、プチプラブランドは「親しみやすさ」「気軽さ」を軸にトーンを守ることが、フォロワーの期待を裏切らない運用につながります。
伸びている理由③:ユーザーを主役にするUGC・参加型企画
CANMAKEの投稿では、ユーザーが投稿したコーディネートやメイク画像(UGC=ユーザー生成コンテンツ)をストーリーズで紹介し、ハイライトにまとめるといった導線がつくられています。また、診断コンテンツのようにフォロワーが「自分ごと」として参加できる企画も展開されています。
UGCを軸にした施策が有効なのには裏付けがあります。株式会社ネオマーケティングが実施し、PR TIMESで公開した「SNSでの商品購入に関する調査」(2022年8月発表)によると、Instagramで商品を購入した経験のある人の7割以上が「購入する予定がなかった商品」を購入した経験があると回答しています。つまりInstagramは、比較検討の場である以上に「偶然の出会い」を生む場として機能しており、その出会いのきっかけとして、企業の公式投稿だけでなく、他のユーザーが投稿したリアルな使用感(UGC)が大きな役割を果たしていると考えられます。
自社ハッシュタグをつくり、ユーザー投稿を丁寧に拾ってストーリーズやハイライトで紹介する——この地道な積み重ねが、フォロワーに「自分も投稿すれば見てもらえるかもしれない」という参加意欲を生み、UGCがさらに増えるという好循環をつくります。
伸びている理由④:コメントへの丁寧な返信によるファンとの関係構築
見落とされがちですが、フィード投稿のコメントに一つひとつ丁寧に返信している点も、CANMAKEのアカウントが支持される理由の一つです。企業アカウントの多くは投稿を「発信するだけ」で終わってしまいますが、コメントへの返信は「見られている」「大切にされている」という体験をフォロワーに与え、次の投稿への反応率にも波及します。
Instagramを含むSNSの利用がここまで生活に根づいた背景には、単なる情報収集ツールではなく「双方向のコミュニケーションの場」としての機能があります。総務省「令和6年版 情報通信白書」でも、SNSがコミュニケーション用途を中心に幅広い世代に浸透している実態が示されており、企業アカウントであっても一方的な広告媒体としてではなく、対話の場として運用することの重要性がうかがえます。
他業種・他ブランドが明日から真似できるポイント【チェックリスト】
CANMAKEの事例から抽出できる工夫は、美容業界に限らず、飲食・アパレル・雑貨・店舗ビジネスなど幅広い業種に応用できます。以下のチェックリストを使って、自社アカウントの現状を点検してみてください。
- フィード・ストーリーズ・リール・ハイライトの役割を言語化できているか(役割が重複していないか)
- フィードの配色・トーン・被写体の距離感が、直近10投稿で統一されているか
- リール投稿は「フォロワー以外」も自分ごと化できるテーマになっているか
- 自社独自のハッシュタグを用意し、プロフィールや投稿キャプションで継続的に案内しているか
- ユーザー投稿(UGC)を定期的に探し、許諾を得た上でストーリーズ等で紹介しているか
- ハイライトが「新規フォロワーが後から情報を探せる目次」として整理されているか
- 直近1週間のコメントに、担当者が個別に返信できているか
- フォロワーが「参加」できる企画(診断・アンケート・投稿募集など)を月1回以上用意できているか
まずは1週間、コメント返信率とハイライトの整理だけでも着手してみると、運用体制の粗が見えてきます。いきなり全部を整えようとせず、上から順に一つずつ着手するのが継続のコツです。
運用を始める前に知っておきたい注意点
美容・コスメ業界に限らず、SNSでの発信には景品表示法や、化粧品・美容関連商品であれば薬機法(医薬品医療機器等法)の観点からの注意が必要です。効果効能を断定的に表現したり、根拠のないビフォーアフターを強調したりすることは、たとえ好意的な反応が得られても法令違反のリスクを伴います。UGCを紹介する際も、投稿者本人の許諾取得や、表現内容が誇大でないかの確認を運用フロー上に組み込んでおくことをおすすめします。また、キャンペーンで景品を提供する場合は、景品表示法上の景品類の限度額にも注意しましょう。
まとめ
CANMAKEのInstagram運用から読み取れるのは、特別な裏技ではなく「投稿フォーマットごとの役割を明確にする」「世界観のトーンを一貫させる」「ユーザーを参加者として巻き込む」「コメントに丁寧に向き合う」という、地道だが再現性の高い工夫の積み重ねです。フォロワー数やバズった投稿の数字だけを追いかけるのではなく、こうした運用の「型」を自社に置き換えて考えることが、遠回りに見えて最短ルートになります。
美容・コスメ業界以外の事例も含め、業種別のSNS運用事例はunyouの事例データベースで随時公開しています。自社と近い業態・目的のアカウントを探して、投稿の型やハイライトの構成を具体的に見比べてみてください。
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