BMSG(ビーエムエスジー)のInstagram運用を分析|伸びている理由と、真似できるポイント【2026年版】
2026/9/14
BMSGのInstagram運用を分析|伸びている理由と、真似できるポイント【2026年版】
「新曲やイベントの告知を投稿しているのに、なぜか保存数もコメントも伸びない」「世界観を作りたいけれど、統一感を出そうとするほど投稿がつまらなくなる」——SNS担当者であれば、一度はこうした壁にぶつかった経験があるのではないでしょうか。特にエンタメ・アイドル・アーティスト関連のアカウントは、フォロワーとの距離感の作り方ひとつで反応が大きく変わるため、「何が正解か分からないまま量産している」という悩みを抱えている運用者が少なくありません。
そこで本記事では、SKY-HI(日高光啓)が代表を務める芸能事務所・音楽レーベル「BMSG(ビーエムエスジー)」のInstagram運用を題材に、公開されている情報をもとにその特徴を分解していきます。BMSGはBE:FIRST、MAZZELといったアーティストを輩出し、オーディション番組を軸にファンとの関係性を築いてきた事務所です。フォロワー数やエンゲージメント率といった裏付けの取れない数値には触れず、「投稿の型」「世界観設計」「エンゲージメント施策」という運用の骨格に絞って解説し、業種を問わず応用できるポイントに落とし込みます。
BMSGとは何者か—分析の前提となる基本情報
BMSGは2020年にSKY-HIが設立した芸能事務所・音楽レーベルです。自身がプロデュースするオーディション番組「THE FIRST」からBE:FIRSTが、「audition -THE SECOND-」からMAZZELがデビューし、2024年には3組目のボーイズグループ結成を目指すオーディションプロジェクト「THE LAST PIECE」がスタートしました(出典:Billboard JAPAN「BMSGの新オーディション、BE:FIRST/MAZZELに次ぐ3組目のボーイズグループ結成へ」)。
事務所単位の公式Instagramアカウントに加え、所属アーティストごとの個人・グループアカウント、さらにデビュー前のトレーニー(研修生)のアカウントまで多層的に運用されている点が特徴です。年に一度開催される音楽フェス「BMSG FES」はオンラインとオフラインを接続するハブとしても機能しており、SKY-HIは2030年までにこのフェスを海外開催する構想を掲げています(出典:音楽ナタリー「BMSGは"第二創業期"へ、SKY-HIが宣言 2030年までに『BMSG FES』海外開催」)。
つまりBMSGのSNS運用は、単体アカウントの投稿テクニックではなく、「複数アカウントが連動しながら一つの物語を紡ぐ」設計になっている点に最大の特徴があります。これは一般企業にとっても、複数店舗・複数ブランド・複数スタッフのアカウントを抱える場合に参考になる視点です。

なぜ今、企業がエンタメ系アカウントの運用構造を学ぶべきなのか
「タレント事務所のSNSなんて、うちの業種には関係ない」と思われるかもしれません。しかし、SNSが生活インフラ化している現在、ファン心理を動かす設計は業種を超えて応用できます。まず前提となるデータを押さえておきましょう。
総務省「令和6年版 情報通信白書」によると、インターネット利用の目的として「SNS(無料通話機能を含む)の利用」を挙げた割合は全体で81.9%にのぼり、インターネット利用者の大半が日常的にSNSに接触していることが示されています(出典:総務省「令和6年版 情報通信白書」)。SNSはもはや一部の若年層だけのツールではなく、企業が顧客接点を作る上での主戦場になっているということです。
また、Meta(旧Facebook)は2019年6月7日、Instagramの国内月間アクティブアカウント数が2019年3月時点で3,300万を突破したと公式発表しています(出典:Meta about.fb.com「Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破」)。この発表以降、日本国内向けの公式な最新値は更新されていませんが、生活者の可処分時間の奪い合いの中でInstagramが写真・動画を軸にした情報接触の主要チャネルであり続けていることは、各種民間調査でも繰り返し指摘されています。
さらに、ファンコミュニティ分析を行う株式会社Oshicocoが発表した「2026年上半期推し活トレンド予想」では、推し活を通じたファンコミュニティの形成やSNSでの情報交換が世代を問わず広がり、推し活が「生涯続く趣味」として定着しつつあると分析されています(出典:株式会社Oshicoco プレスリリース「SNS総フォロワー11万人のOshicocoが調査!『2026年上半期推し活トレンド予想』」/PR TIMES)。
つまり、①SNS接触は生活の前提になっている、②Instagramは依然として情報発信の主要基盤である、③「応援したくなる関係性」を作れるアカウントはファン層を超えて支持を広げる——という3点が、BMSGのような事務所アカウントの手法を一般企業が学ぶ理由になります。
BMSGのInstagram運用を読み解く5つの型
公開されている投稿傾向を整理すると、BMSGのアカウント群には共通して見られる型があります。
1. 舞台裏(メイキング)の可視化 完成されたパフォーマンス映像だけでなく、練習風景や制作過程を見せることで「完成品」ではなく「成長の過程」を追体験させています。
2. 複数アカウントを横断した連動企画 事務所公式・各アーティスト・トレーニーのアカウントが同時多発的に関連コンテンツを投稿する手法が見られます。ある発表に向けて、複数のアカウントがそれぞれ断片的な情報(パズルのピースのような形式)を投稿し、フォロワーが情報を組み合わせて全体像を推測する、という参加型の設計です。
3. オーディション形式によるストーリーテリング 「THE FIRST」「THE LAST PIECE」のように、デビュー前の選考過程そのものをコンテンツ化することで、デビュー後も「一緒に育ててきた」という感情移入をファンに持たせています。
4. 創業者・代表自身の発信 SKY-HI本人が経営者でありながら現役アーティストとしてアカウント運用に関わることで、企業としての公式情報と、個人としての熱量のある発信が両立しています。
5. リアルイベントとの接続 BMSG FESのような大型イベントの前後で、当日の様子・裏側・出演アーティストのコメントなどを継続的に発信し、SNS上の熱量をオフラインの体験へ、オフラインの体験を再びSNSでの拡散へとつなげる循環を作っています。
世界観づくりの秘密—「余白」と「解禁演出」
BMSG系アカウントに共通するのは、情報を一度にすべて出さない「余白」の作り方です。新グループの結成や新曲情報を小出しにし、フォロワー自身に「予想」「考察」の余地を残すことで、コメント欄やファン同士のSNS上の会話が自然発生します。これは、投稿単体の完成度よりも「投稿と投稿の間にある空白の時間」をどう設計するかという発想であり、フィード全体を一つの連続したストーリーとして捉えている点が特徴です。
また、統一されたビジュアルトーン(色味・フォント・トリミングの余白)を保ちながら、舞台裏コンテンツだけはあえてラフな質感を残すなど、「作り込まれた公式感」と「素の親近感」を意図的に使い分けているように見受けられます。
エンゲージメントを生む仕掛け—双方向性の設計
エンゲージメントとは、単に「いいね」を集めることではなく、フォロワーが能動的に関わりたくなる余地をどれだけ用意できるかで決まります。BMSGの運用から読み取れる双方向性の設計は次の通りです。
- コメント欄での考察・予想を誘発する「情報の断片化」
- ストーリーズでの質問受付・投票機能を使った双方向コミュニケーション
- リール(短尺動画)を活用した、フィード投稿よりカジュアルなオフショット公開
- ファンが二次的に発信したくなる「切り取りやすい」瞬間(名言・表情・振り付けの一部)の提供
これらはいずれも、フォロワーを「見る人」から「参加する人」に引き上げる工夫であり、業種を問わず応用可能な考え方です。
明日から試せるチェックリスト—自社アカウントへの落とし込み方
BMSGの手法をそのまま模倣することはできませんが、構造だけを抜き出せば、店舗・企業アカウントでも実践できる項目があります。以下のチェックリストを、まず1週間分の投稿計画に当てはめてみてください。
- 「完成品」だけでなく「制作・準備の過程」を1投稿は必ず入れているか
- フィード投稿とストーリーズ・リールで、それぞれ役割(公式感/親近感)を分けて設計しているか
- 情報を一度に出し切らず、次の投稿への期待を残す「引き」を作っているか
- コメント・DM・質問箱など、フォロワーが反応できる導線を毎週1回以上設置しているか
- 代表者・現場スタッフなど「顔の見える人」の発信を月に数回混ぜているか
- オフラインイベント(来店・出店・展示会など)とSNS投稿を前後で接続しているか
- スタッフや関係者の複数アカウントがある場合、同じ話題を別視点から発信する連動投稿を試しているか
一度にすべてを実行する必要はありません。まずは「制作過程の可視化」と「情報の小出し」の2点から着手するだけでも、フィード全体の見え方は変わってきます。
業種別に見る応用のヒント
BMSGの手法は業種によって取り入れ方が異なります。自社の業態に近い行を参考にしてください。
| 業種 | BMSGの手法から応用できる要素 | 明日からできる第一歩 |
|---|---|---|
| 飲食・小売店舗 | 舞台裏の可視化(仕込み・開発過程) | 新メニュー開発中の試作段階をストーリーズで公開する |
| 美容・サロン系 | 担当者個人の発信(顔の見える化) | スタッフ個人のこだわりや技術紹介を月2回投稿する |
| BtoB・専門サービス業 | オーディション型のストーリーテリング | プロジェクトの進行過程を「途中経過」として発信する |
| イベント・スクール系 | オフライン接続(イベント前後の熱量循環) | 開催前の準備風景と開催後の参加者の声をセットで投稿する |
| ブランド・メーカー系 | 情報の小出し・解禁演出 | 新商品情報をティザー→詳細→発売の3段階に分けて発信する |
まとめ
BMSGのInstagram運用を分析すると、単発のバズを狙う投稿テクニックではなく、「複数アカウントの連動」「舞台裏の可視化」「情報の余白」「双方向のコミュニケーション設計」「オフラインとの接続」という、アカウント全体を一つの物語として設計する構造が見えてきます。これはエンタメ業界特有のノウハウというより、フォロワーとの関係性を長期的に育てたいすべての事業者にとって参考になる考え方です。
大切なのは、フォロワー数やバズった投稿の再現を目指すのではなく、「なぜこの投稿がフォロワーの参加意欲を引き出しているのか」という構造を自社の業種・規模に合わせて翻訳し直すことです。まずは本記事のチェックリストから、無理のない範囲で1つずつ試してみてください。
同業種・他業種のSNS運用の具体的な事例は、unyou(https://unyou.media)の事例データベース「/cases」でも多数紹介しています。他社の投稿の型や工夫を見比べながら、自社に合った運用スタイルを見つけてみてください。
あわせて読みたい
ABOUT UNYOU
unyou は、SNS運用の「成功事例」が集まるデータベースです
Instagram・X・TikTok で実際に成果を出しているアカウントを、業種 × トンマナ × プラットフォームで検索・比較できます。掲載しているのは、世の中に公開されている実在アカウントの分析 600件超。 「自社の業種で何が伸びているのか」を、感覚ではなくデータで確かめられます。
無料相談
自社に合ったSNS運用、プロに相談してみませんか?
「何から始めればいいかわからない」「今の運用が正しいか不安」「外注すべきか迷っている」 ——そんなお悩みに、unyouが蓄積した実運用データをもとにお答えします。 相談は無料、しつこい営業はありません。
無料でSNS運用を相談する